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【オーバーロード】クレマンティーヌは人類最強戦士かわいい5

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:10:52.07 ID:sK32P22S0.net
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クレマンティーヌ(clementine)
(CV:悠木碧)

死を隣人とする魔法詠唱者達からなる邪悪な秘密結社ズーラーノーンの
十二幹部の1人で、元は漆黒聖典の一員だった女戦士。
人を殺すのが大好きで、恋していて、愛している性格破綻者。
刺突武器での戦闘に絶対の自信を持ち、その腕前は英雄の領域に達している。
http://overlord-anime.com/images/character/17.png

前スレ
【オーバーロード】クレマンティーヌは性格破綻者かわいい4
https://matsuri.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1488296960/

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:12:08.82 ID:sK32P22S0.net
スレタイについて……

本人いわく「この人外、英雄の領域に足を踏み込んだ、このクレマンティーヌ様が、
負けるはずがねぇーんだよ!!」 と、自他共に認める人類最強戦士だ!

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:13:01.02 ID:sK32P22S0.net
劇場版総集編 オーバーロード 不死者の王【前編】 [Blu-ray&DVD]
劇場版総集編 オーバーロード 不死者の王【後編】 [Blu-ray&DVD]
前編・後編 2017年9月13日同時発売(予定)

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:13:41.97 ID:sK32P22S0.net
原作小説オーバーロード12  聖王国の聖騎士 2017年9月30日発行予定

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:14:27.87 ID:sK32P22S0.net
オーバーロードTVアニメ第2期製作決定!

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:15:17.11 ID:sK32P22S0.net
ニコニコ静画 新章開始記念『オーバーロード』登場キャラクター人気投票において、
ぬ、ぬ、ぬぅあ〜んと!クレマンちゃんが5176ptを獲得し、堂々の第10位に輝きました!!
この結果を受けてクレマンちゃんも以下のような喜びのコメントを発表してくれました。

「ちょ! 小さくなってるんだからさ! 声かけないでくれる! ……? あー、あんがと。」

なお、中間発表でも、クレマンちゃんは1954ptを獲得し、第10位につけていました。
そのときのクレマンちゃんの超かわゆい爆笑コメントは以下のとおりです。

「おいおいおい、どいつもこいつも!上に人間がいねぇぞ!」

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:16:00.20 ID:sK32P22S0.net
ニコニコ静画 新章開始記念『オーバーロード』登場キャラクター人気投票

スケジュール

2016年6月20日(月) 投稿&投票 受付開始
2016年7月29日(金) 中間発表
2016年8月21日(日)23:59 投稿&投票 締切
2016年9月15日(木) 結果発表

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:16:34.15 ID:sK32P22S0.net
中間結果発表(2016年7月22日時点での集計)

1位 アインズ・ウール・ゴウン ……………… 18608ポイント
2位 アルベド ……………………………………… 6325ポイント
3位 ナーベラル・ガンマ ………………………… 4978ポイント
4位 シャルティア・ブラッドフォールン ……… 3792ポイント
5位 イビルアイ …………………………………… 3713ポイント
6位 デミウルゴス ………………………………… 2919ポイント
7位 シズ・デルタ ………………………………… 2427ポイント
8位 パンドラズ・アクター ……………………… 2348ポイント
9位 アウラ・ベラ・フィオーラ ………………… 1962ポイント
10位 クレマンティーヌ …………………………… 1954ポイント

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:17:06.68 ID:sK32P22S0.net
最終結果発表

1位 アインズ・ウール・ゴウン ……………… 37645ポイント
2位 アルベド …………………………………… 11217ポイント
3位 ナーベラル・ガンマ ……………………… 10707ポイント
4位 イビルアイ …………………………………… 8899ポイント
5位 シャルティア・ブラッドフォールン ……… 8436ポイント
6位 デミウルゴス ………………………………… 6820ポイント
7位 ルプスレギナ・ベータ ……………………… 6622ポイント
8位 シズ・デルタ ………………………………… 6203ポイント
9位 パンドラズ・アクター ……………………… 5568ポイント
10位 クレマンティーヌ …………………………… 5176ポイント

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:17:40.46 ID:sK32P22S0.net
11位 アウラ・ベラ・フィオーラ ………………… 4760ポイント
12位 エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ ………… 4521ポイント
13位 エンリ・エモット …………………………… 3764ポイント
14位 恐怖公 ………………………………………… 3515ポイント
15位 アルシェ・イーブ・リイル・フルト ……… 3494ポイント
16位 マーレ・ベロ・フィオーレ ………………… 2666ポイント
17位 ユリ・アルファ ……………………………… 2638ポイント
18位 コキュートス ………………………………… 2087ポイント
19位 セバス・チャン ……………………………… 1944ポイント
20位 レイナース・ロックブルズ ………………… 1750ポイント

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:18:37.13 ID:sK32P22S0.net
☆ ★ ☆ クレマンちゃん出演情報 ☆ ★ ☆

2016年9月30日発売のオーバーロード11 山小人の工匠 Blu-ray付特装版
なざりっく狂騒劇「ぷれぷれぷれあです」その新作Blu-rayにクレマンちゃんが登場!

【特装版詳細】
なざりっく狂騒劇「ぷれぷれぷれあです」。
その新作アニメがBlu-rayで発売決定!
なんと、守護者も総出演のハチャメチャな30分!!
<キャスト>
アインズ 日野聡
アルベド 原由実
シャルティア 上坂すみれ
アウラ 加藤英美里
マーレ 内山夕実
コキュートス 三宅健太
デミウルゴス 加藤将之
セバス 千葉繁
ユリ 五十嵐裕美
ルプスレギナ 小松未可子
ナーベラル 沼倉愛美
シズ 瀬戸麻沙美
ソリュシャン 佐倉綾音
エントマ 真堂圭
パンドラズ・アクター 宮野真守
クレマンティーヌ 悠木碧

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:19:11.70 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん使用武技一覧

<不落要塞>   <流水加速> 
<疾風走破>   <超回避> 
<能力向上>   <能力超向上>

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:19:43.30 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん使用魔法一覧

<人間種魅了(チャームパーソン)>
<火球(ファイヤーボール)>
<電撃(ライトニング)>

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:20:15.46 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん使用武器一覧

スティレット(刺突武器だが魔法を込めることも出来る)
メイス(殴打用の武器だがクレマンちゃんは刺突武器よりも扱いが苦手らしい)

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:20:47.34 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん使用防具一覧

機動性を重視した銅の各種アーマーで要所要所を防御している

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:21:18.72 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃんの親族

クアイエッセ・ハゼイア・クインティア(クレマンちゃんのお兄さんで漆黒聖典の第5席次)

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:21:50.37 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その1

「私はね、人を殺すのが大好きで、恋していて、愛しているの。あっ、拷問も大好きだよ」

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:22:25.50 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その2

「何でだろう?仕事で色んな人を殺し続けたから?優秀すぎる兄と比べ続けられたから?
親の愛情が兄にばっかり行っていたから?まだ弱っちかった頃、グルグル回されたから?
友人が目の前で死んだから?ミスって捕まって、数日に渡って拷問を受けたから?熱せられた洋梨って痛いよね」

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:22:54.09 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その3

「なーんてね、全部、嘘、嘘、うーそ。そんなことされたことないって。
でも、どーでもいいじゃん、そんなこと。過去を知ったって何も変わらない。
色々積み重ねてこーなったんだってことさー。」

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:23:39.01 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その4

「私達の道具になって叡者の額冠ってやつを使ってくれない?おねえさんのオ・ネ・ガ・イ」

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:24:10.28 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その5

「1人ぐらいなら、ゆっくりと遊んでもいいんじゃない」

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:24:42.97 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その6

「あ〜ん!エロすけべー!なーんてね」

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:25:15.30 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その7

「ごめんね〜殺しちゃって」

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:25:50.87 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その8

「う〜ん、そう。ちょっと残念だなぁ。よくも仲間を!って
激高してくれる人をねじ伏せるのが最高に笑えるのにぃ
なーんで怒らないのよぉ!つまんないじゃん!」

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:26:22.46 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その9

「この国で私と互角に戦えるのは、蒼の薔薇と朱の雫に1人ずつ
他にはガセフ・ストロノーフにブレイン・アングラウスぐらいかな?」

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:27:04.13 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その10

「はぁ〜ん、てめえ〜のヘルムの下に、どんなクソったれな顔があるのか知らねぇーが、
この人外、英雄の領域に足を踏み込んだ、このクレマンティーヌ様が、負けるはずがねぇーんだよ!!」

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:28:58.62 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その11

「ハンデとか言ってないで、本気でやらないと死んじゃうんじゃないかなー」

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:29:31.23 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その12

「本気で言ってんのか!てめー!武技もろくなもんが無いくせにぃ〜
このクレマンティーヌ様に勝てるぅ?ムカつくにも程があんぞ!」

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:31:17.16 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その13

「まだまだ終わりじゃないんだよーー!」

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:31:48.88 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その14

「なぁ〜めんなぁ〜〜!!」

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:32:20.41 ID:sK32P22S0.net
クレマンちゃん名言その15

「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:32:57.10 ID:sK32P22S0.net
ぷれぷれぷれあですクレマンちゃん試練の六番勝負!

第1戦…対ユリ・アルファ戦
クレマンちゃん「おんやあ〜新たな…あっ、いや、いや、いや」
ユリの首をとぱしてからの女教師怒りの鉄拳攻撃でクレマンちゃんダウン!
しかし、クレマンちゃんのやられ方が可愛かったのでクレマンちゃんの勝利!

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:33:26.28 ID:sK32P22S0.net
第2戦…対ルプスレギナ・ベータ戦
クレマンちゃん「疾風走破」
ルプスの聖杖攻撃にクレマンちゃんたまらずダウン!
でも、クレマンちゃんの攻撃も可愛かったのでクレマンちゃんの勝利!

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:34:03.22 ID:sK32P22S0.net
第3戦…対ナーベラル・ガンマ戦
クレマンちゃん「マジックキャスターなんてスッといってドス」
ナーべちゃんの魔法攻撃で燃やされてしまうクレマンちゃん…
倒されたクレマンちゃんの頭とお尻から出てた湯気が可愛かったのでクレマンちゃんの勝利!

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:34:36.59 ID:sK32P22S0.net
第4戦…対シズ・デルタ戦
クレマンちゃん「はあ〜ムカつくにも程があんぞ」
シズの額から発射された緑の光線でクレマンちゃんギャフン!
クレマンちゃんのほうがかわゆいのでクレマンちゃんの勝利!

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:35:08.73 ID:sK32P22S0.net
第5戦…対ソリュシャン・イプシロン戦
クレマンちゃん「プラジネス」
ソリュシャンに後ろに回られバッサリ切られパクパク丸呑みされてしまうクレマンちゃん!
食べられちゃうクレマンちゃんが超かわいかったのでクレマンちゃんの勝利!

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 02:35:58.16 ID:sK32P22S0.net
第6戦…対エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ戦
クレマンちゃん「完璧に死んじゃうよねえ〜ええええ〜ん」
エントマちゃんの雷鳥乱舞符からの千鞭蟲の一撃でクレマンちゃんノックダウン!
え〜んと泣くクレマンちゃんが可愛すぎるのでクレマンちゃんの勝利!

よって、クレマンちゃんの6戦全勝でクレマンちゃん大勝利!!

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 17:36:34.05 ID:LodHcpQj0
http://ikura.2ch.sc/test/read.cgi/anichara2/1497089686/

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 17:46:57.34 ID:LodHcpQj0
http://ikura.2ch.sc/test/read.cgi/anichara2/1500287473/

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 19:29:30.99 ID:8m4tpLu50.net
クレマンティーヌ「バナナうめぇ〜」

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 20:39:23.81 ID:LodHcpQj0
http://ikura.2ch.sc/test/read.cgi/anichara2/1499443581/

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 22:54:03.26 ID:LodHcpQj0
http://ikura.2ch.sc/test/read.cgi/anichara2/1498324256/

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/17(木) 23:44:27.09 ID:sK32P22S0.net
クレマンティーヌ「あっくん、あーそーびーまーしょ」

アインズ「二度と遊ばねえーよっ!」

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/18(金) 02:31:42.48 ID:w2vE00la0.net
クレマンティーヌ「おっぱいでけえ!」

シャルティア「…」

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/19(土) 23:32:10.62 ID:+xXCG1ze0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (130)

すべてのコトが終わった後、

心神喪失状態となってしまったクレマンちゃんに、

カジットが語りかけました。

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/19(土) 23:32:58.15 ID:+xXCG1ze0.net
「おぬしが早合点してくれたおかげで、

 トントン拍子にコトが進んでしまって、

 肝心なことを言い忘れておったぞ」

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/19(土) 23:33:40.85 ID:+xXCG1ze0.net
そうなんです。

最後にカジットの説明が無ければ、

この物語を終わらせることが出来ないのです。

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/19(土) 23:34:20.88 ID:+xXCG1ze0.net
「確か、わしがおぬしのブラに付いていた

 飾りを見せたところまで話したところで、

 おぬしが1を聞いて10を知ったのだったな」

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/19(土) 23:35:04.24 ID:+xXCG1ze0.net
「さて、話を戻して、そのブラの飾りのプレートを

 わしはどこで拾ったと思う?天井裏なのだ。

 それもあのモモンの部屋の上でだぞ」

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/19(土) 23:35:32.01 ID:+xXCG1ze0.net
それにしても、クレマンちゃんはとうして、

プレートを落としたことに気が付かないでいたのでしょう。

あの時、懐中電灯で充分調べたはずではあ〜りませんか。

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/20(日) 23:42:48.21 ID:OdLq91aO0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (131)

「ズバリ、モモンを殺したのはおぬしだな」

カジットは無邪気にニコニコしながら、

そうクレマンちゃんに言いました。

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/20(日) 23:43:56.02 ID:OdLq91aO0.net
カジットの言い方は、この場合、

いつにもまして、いっそう

気味悪く感じられるのです。

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/20(日) 23:44:36.98 ID:OdLq91aO0.net
クレマンちゃんのやり場に困った眼の中を、

カジットは覗き込みながら、まるでクレマンちゃんに、

とどめを刺すように言い放つのでした。

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/20(日) 23:45:15.92 ID:OdLq91aO0.net
クレマンちゃんは既に観念していたものの、

もうダメだと思いました。

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/20(日) 23:45:56.42 ID:OdLq91aO0.net
たとえカジットがどんな巧みな推理を

組み立ててこようとも、ただ推理だけであったら、

いくらでも言い逃れることはできるでしょう。

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/20(日) 23:46:24.77 ID:OdLq91aO0.net
けれども、こんな予期しない

動かぬ証拠をつきつけられては、

もうどうすることもできません。

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/22(火) 02:09:38.13 ID:e9H7Wfcc0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (132)

クレマンちゃんは、相変わらず

苦悩の梨をふた穴にくわえ込んだまま

意識ももうろうとしながらカジットの話を聞いていました。

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/22(火) 02:11:05.94 ID:e9H7Wfcc0.net
やがてカジットは、クレマンちゃんを梨から解放し、

クレマンちゃんの意識と体力が回復するのを待って、

モモン殺害計画の顛末をクレマンちゃんから聞きだしました。

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/22(火) 02:11:57.44 ID:e9H7Wfcc0.net
その間およそ2時間ばかり、

クレマンちゃんとカジットは、

ふたりで語り合ったのでした。

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/22(火) 02:13:03.86 ID:e9H7Wfcc0.net
梨での調教が功を奏したのか、

クレマンちゃんは、いつになく

素直になってカジットにすべてを話しました。

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/22(火) 02:13:56.13 ID:e9H7Wfcc0.net
そんなしおらしいクレマンちゃんに、

カジットもやさしく語りかけます。

「ありがとう。おぬし、よくぞまことの事を打ち明けてくれたな」

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/22(火) 02:14:33.78 ID:e9H7Wfcc0.net
「わしは、決しておぬしのことを

 警察に売ったりなどしないぞ。

 わしはただ、わしの推理が正しいかどうか、

 おぬしの体で確かめてみたかっただけなのだ」

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/23(水) 02:26:22.66 ID:0Td0nw2D0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (133)

「おぬしも知ってのとおり、

 わしの興味は、ただイロイロなモノの真実を

 知りたいだけで、そのほかのことはどうでもいいのだ」

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/23(水) 02:27:09.51 ID:0Td0nw2D0.net
「それにだな……、

 おぬしの犯したこの犯罪には、

 おぬしが犯人たる証拠など何も無いのだ」

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/23(水) 02:28:00.01 ID:0Td0nw2D0.net
「えっ?ブラの飾りのプレートとな?

 はっはっはっは、あれはわしが

 おぬしをはめたトリックなのだ」

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/23(水) 02:29:08.83 ID:0Td0nw2D0.net
「おぬしのことだから、

 何か証拠でもないと

 言うことを聞かんと思うてな」

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/23(水) 02:29:56.24 ID:0Td0nw2D0.net
「先日、おぬしの着替えを覗いていたときに、

 おぬしのブラの飾りが取れていることを

 わしは発見していたのだ」

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/23(水) 02:30:58.49 ID:0Td0nw2D0.net
「それで、今度は、おぬしが留守のときを見計らって、

 おぬしの部屋にあった下着をくんかくんかしたついでに、

 洗濯物のブラから、ひとつプレートを拝借したというわけなのだ」

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/24(木) 02:23:31.06 ID:8galR6o40.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (134)

「おぬしの下着には、プレートが、

 やまほど付いておるだろ。おぬしのことだから、

 そのうちの1個が無くなっても気づかんと思ったのだ」

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/24(木) 02:24:32.48 ID:8galR6o40.net
「しかも、おぬしはモモンを殺したばかりで、

 極度の興奮状態にあっただろうから、

 たぶんうまくいくと思ったのだ」

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/24(木) 02:25:24.51 ID:8galR6o40.net
「わしがモモンの自殺説を疑い始めたのは、

 おぬしも知ってのとおり、

 例の目覚まし時計からだ」

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/24(木) 02:26:06.06 ID:8galR6o40.net
「あれからわしは、所轄の孔明…もとい、

 所轄の警察署へ行って、運よく、

 担当の刑事に話を聞くことが出来たのだ」

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/24(木) 02:26:49.09 ID:8galR6o40.net
「その刑事の話によると、

 モモンが飲んだ毒薬の瓶は、

 灰皿の中に入っていたというのだ」

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/24(木) 02:27:51.76 ID:8galR6o40.net
「しかも、灰皿の周辺には、

 本来、その灰皿の中に入っているはずの

 吸殻や灰が、散乱していたというのだ」

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/26(土) 23:54:08.04 ID:DC+GzEcL0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (135)

さらにカジットの話は続きます。

「隣の住人に聞いたところによれば、

 モモンは非常に几帳面な男だったという」

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/26(土) 23:55:01.82 ID:DC+GzEcL0.net
「ちゃんと布団の中に入って、

 これから死のうとする几帳面な男が、

 毒薬の瓶を灰皿に入れるだろうか?」

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/26(土) 23:55:43.21 ID:DC+GzEcL0.net
「しかも、そっと灰皿の中に置くならまだしも、

 灰皿の中身があたりに散乱するほど、

 強く毒薬の瓶を叩きつけるとは不自然極まりない」

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/26(土) 23:56:27.56 ID:DC+GzEcL0.net
「そのことがあって、

 わしは益々モモンの自殺について、

 疑いを深くしていったのだ」

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/26(土) 23:57:18.28 ID:DC+GzEcL0.net
「そこでわしがふと気づいたのは、

 おぬしがモモンの死んだ日から、

 タバコを吸わなくなっていることだ」

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/26(土) 23:58:21.29 ID:DC+GzEcL0.net
「このふたつの事柄は、

 偶然の一致にしては、

 少し妙ではあるまいか…」

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/26(土) 23:59:05.98 ID:DC+GzEcL0.net
本日発売のコンプエース10月号のオーバーロード29話も面白かった!
王国のロ・レンテ城の訓練所でのストロノーフとクライムとの
剣術稽古の様子が中心でしたが、ラストのアインドラを待つ
ラナーの1ページ丸ごとアップが衝撃的!次回も楽しみです♪

また、不死者のoh!は、合同誌「いとしのアインズ様」という、
アルベド達がアインズ様をたたえる同人誌を作るお話
まあ正直言ってネタ切れ感満載でイマイチかなw
やっぱりクレマンちゃんが登場しないと盛り上がりに欠けるな
しかも12月号に続くとありながら、巻末の11月号の予告には載ってるし、
果てして次回のコンプエースに不死者のoh!は掲載されるのか?されないのか?

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/27(日) 03:10:46.77 ID:wpLfMUFR0.net
でもターニャちゃんには負けるクレマンちゃん(´・ω・`)

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/28(月) 02:56:15.19 ID:RN6XdlhV0.net
AT-X 2017上半期アニメランキングで幼女戦記は5位でしたね。。。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/28(月) 02:57:22.31 ID:RN6XdlhV0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (136)

ここまで話し終えると、

カジットはニャリと薄気味悪い

微笑をクレマンちゃんに投げかけた。

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/28(月) 02:58:07.71 ID:RN6XdlhV0.net
「ふっふっふ…。

 すると、わしは、

 あることを思い出したのだ」

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/28(月) 02:59:03.64 ID:RN6XdlhV0.net
「それはなんだと思う?他でもない。

 おぬしが以前、犯罪の真似事などをして、

 たいそう喜んでいたことだ」

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/28(月) 03:00:05.80 ID:RN6XdlhV0.net
「わしはそれでピンときたのだ。

 おぬしには変態エロすけべ的な

 犯罪嗜好癖があったのだ」

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/28(月) 03:01:19.29 ID:RN6XdlhV0.net
「わしはあれからたびたびこの下宿へ来て、

 おぬしに悟られんように注意しながら、

 モモンの部屋を調べておったのだ」

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/28(月) 03:02:33.28 ID:RN6XdlhV0.net
「その結果、わしの推理によって、

 モモン殺しの下手人の侵入経路は、

 天井に他ならないとの結論にたどり着いたのだ」

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/30(水) 20:38:25.67 ID:N0LmXSkJ0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (137)

「それからわしは、

 おぬしにならって、

 屋根裏の散歩を始めたのだ」

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/30(水) 20:39:17.32 ID:N0LmXSkJ0.net
「むろん、その目的は、

 おぬし同様、下宿人たちの

 動静を覗き見るためだ」

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/30(水) 20:40:00.19 ID:N0LmXSkJ0.net
「特に、おぬしの部屋の天井裏に来たときは、

 たびたび、長い間、うずくまっては、

 おぬしのすべてを観察していたのだ」

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/30(水) 20:40:46.37 ID:N0LmXSkJ0.net
「部屋の中でのおぬしの着替えから、

 下着姿、全裸姿、そして、淫乱に

 オナニーに没頭するおぬしの姿…」

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/30(水) 20:41:25.89 ID:N0LmXSkJ0.net
「さらに、苦悩の梨を使って、

 自分で自分を拷問しながら、

 激しくイキまくるおぬしの姿まで…」

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/08/30(水) 20:41:54.55 ID:N0LmXSkJ0.net
「またあるときは、モモン殺しによる動揺からくる、

 おぬしのあのイライラした様子を

 わしはすっかり覗き見してしまったのだ」

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/01(金) 23:45:45.62 ID:lGwBNTYd0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (138)

「そうやって、おぬしやその周辺を

 さぐればさぐるほど、おぬしは、

 オフホワイトからブラックへと変わっていったのだ」

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/01(金) 23:46:26.16 ID:lGwBNTYd0.net
「だがしかし、残念なことには、

 おぬしをクロと断定できるだけの

 確たる証拠が無かったのだ」

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/01(金) 23:47:05.91 ID:lGwBNTYd0.net
「そこでわしは、どうしたものかと

 イロイロと知恵やら何やら

 絞り出せるだけ絞ってみたのだ」

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/01(金) 23:47:46.61 ID:lGwBNTYd0.net
「するとわしは以前覗き見た

 おぬしの着替えシーンを

 思い出し出し、変な白いのも出した」

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/01(金) 23:48:28.60 ID:lGwBNTYd0.net
「その後のことは、先程も話したとおり、

 わしが一芝居打って、おぬしは

 まんまとわしの策にはまったという訳だ」

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/01(金) 23:49:25.02 ID:lGwBNTYd0.net
「わしが白いものを出したことで、

 おぬしが黒と断定されるとは、

 これもまた一興。ハッハッハッ」

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/03(日) 00:16:24.44 ID:/4LV33vd0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (139)

「一連の謎解きも終わったし、

 おぬしの体でも充分遊ばせてもらったし、

 わしはそろそろ失敬するぞ」

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/03(日) 00:17:31.07 ID:/4LV33vd0.net
「ちなみに、苦悩の梨による

 おぬしの調教シーンは

 すべて録画させてもらったぞ」

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/03(日) 00:18:16.71 ID:/4LV33vd0.net
「おぬしの恥ずかしい全裸調教は、

 顔出し無修正動画として、

 世界中の梨ファンに有料配信させてもらうぞ」

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/03(日) 00:18:55.33 ID:/4LV33vd0.net
「おぬしも相当の好きモノだけに、

 世界中の人々に観られて、

 さぞ嬉しいことだろう」

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/03(日) 00:19:35.53 ID:/4LV33vd0.net
「さて、おぬしとは多分もう

 会うこともあるまい」

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/03(日) 00:20:33.62 ID:/4LV33vd0.net
「なぜって?そら、

 おぬしはもうちゃんと自首する

 決心をしているのだからな…」

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/04(月) 22:20:23.10 ID:TMUUQrGX0.net
もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (140)

クレマンちゃんは、このカジットの

トリックや陵辱に対しても、もはや、

なんの感情も起こらないのでした。

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/04(月) 22:21:11.98 ID:TMUUQrGX0.net
クレマンちゃんは毒薬の瓶を節穴から落としたとき、

それがどこへ落ちたかを見なかったように思ってました。

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/04(月) 22:21:50.29 ID:TMUUQrGX0.net
しかし、クレマンちゃんは、実のところ、

毒薬の瓶が灰皿に命中して、その拍子で灰皿の中身が、

あたりに散乱するところまで、しっかり見ていたのでした。

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/04(月) 22:22:36.09 ID:TMUUQrGX0.net
そして、それがクレマンちゃんの深層心理に影響して、

無意識のうちにクレマンちゃんをタバコ嫌いに

させてしまったわけなのでした。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/04(月) 22:23:25.34 ID:TMUUQrGX0.net
クレマンちゃんは、カジットが立ち去るのも知らず顔に、

「死刑にされるときの気持ちって、どんなものなのかしら…」

ただそんなことを、ボンヤリと考え込んでいるのでした。

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/04(月) 22:24:37.70 ID:TMUUQrGX0.net
「死刑はきっと、公衆の面前で全裸にひん剥かれて、

 特大の梨を穴という穴に無理矢理入れられて、

 同時多発内臓破壊という形で執行されるんだわ…」

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/04(月) 22:26:09.42 ID:TMUUQrGX0.net
そんなことを妄想しているうちに、クレマンちゃんは

アソコがムズムズしてきて、ガマンできずに、再び

激しいオナニーで何度も何度も大量に潮を吹きながら、

いつ果てるともなくイキまくり続けてしまうのでした……。



                      もしもクレマンちゃんが屋根裏を散歩したら… (完)

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/08(金) 02:51:03.72 ID:ADY/+RbZ0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (1)

あれは、白昼の悪夢だったのかしら…。

それとも、現実の出来事だったのかしら…。

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/08(金) 02:52:13.83 ID:ADY/+RbZ0.net
その日、晩春の生暖かい風が、

オドロオドロしく、私のほてった頬を

撫でるようにあたってやんなっちゃったわ。

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/08(金) 02:53:14.10 ID:ADY/+RbZ0.net
しかも、その日はやけに蒸し暑くて、

不快指数100パーセントの

最悪の午後だったの。

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/08(金) 02:54:08.69 ID:ADY/+RbZ0.net
何か用事があって通ったのか、

散歩の道すがらだったのか、

それさえぼんやりとして思い出せないわ。

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/08(金) 02:55:13.87 ID:ADY/+RbZ0.net
私は、ある場末の、みるかぎりどこまでも、

どこまでも、まっすぐに続いている、広い、

ほこりっぽい大通りを歩いていたの。

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/08(金) 02:56:21.17 ID:ADY/+RbZ0.net
大通りといえば聞こえは良いけど、

なんか見るからにしょぼい商店街だったわ。

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/09(土) 23:35:49.70 ID:Oppv2Gmc0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (2)

クレマンちゃんが「しょぼい商店街」と称したように、

ある店では、小さなショーウィンドウに、

小汚い子供用の体操着が下がっているだけだった。

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/09(土) 23:36:49.53 ID:Oppv2Gmc0.net
また他の店では、碁盤のように仕切った

薄っぺらな木箱の中に、干からびた野菜や

腐りかけた果物が店一杯に並んでいる。

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/09(土) 23:37:46.44 ID:Oppv2Gmc0.net
さらに別の店では、店先に電電公社が忘れていったような、

ダイヤル式の赤電話が鎮座していたりして、中では今でも、

ぶらさがり健康器具や紅茶キノコでも売ってそうな雰囲気を醸し出している。

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/09(土) 23:38:42.86 ID:Oppv2Gmc0.net
そして、それらの殺風景な家々のあいだに挟まって、

妖しげな売春宿の二階家からは、ポロン、ポロンと、

猥褻なモノを陳列するようなギターの音が洩れ聴こえていた。

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/09(土) 23:39:37.49 ID:Oppv2Gmc0.net
ウソばかりつく女の代議士が、同じくクズの年下弁護士と、

道の真ん中で激しく交尾を重ねながら「あんあんあん」と繰り返す、

キモイ中年女の喘ぎ声が、霞んだ春の空へのんびりと蒸発していった。

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/09(土) 23:40:37.11 ID:Oppv2Gmc0.net
そうかと思えば、一方では、大型ダンプが、

違法産業廃棄物を、しこたま積み込んで、

道路や家々を振動させながらクレマンちゃんを追い越していった。

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/10(日) 21:56:06.04 ID:U2KPFABt0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (3)

「おんやあ〜?アレなにかしら?」

クレマンちゃんは、ふと、行く手の先にある

何事かを見つけて興味を持った。

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/10(日) 21:57:09.38 ID:U2KPFABt0.net
それは、15人ぐらいの人だかりが、

老若男女入り混じって、道端に

不規則な半円を描いて立ち止まっていた。

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/10(日) 21:57:53.40 ID:U2KPFABt0.net
そこにいる連中は皆、なにやら楽しそうに笑っていた。

よしもと新喜劇や笑点の観覧客のように、

なかには大口を開けてゲラゲラ笑ってる奴もいた。

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/10(日) 21:58:34.16 ID:U2KPFABt0.net
好奇心旺盛なクレマンちゃんが、

そんな光景を黙って見過ごすはずも無く、

クレマンちゃんはそこへ近づいた。

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/10(日) 21:59:21.11 ID:U2KPFABt0.net
クレマンちゃんが、そこに近づくにつれ、

大勢の笑顔と際立った対照を示している

ひとつのまじめくさった顔を発見した。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/10(日) 22:00:20.36 ID:U2KPFABt0.net
その青ざめた顔は、口をとんがりコーンのように

とがらせて、何事かを熱心に語り続けていた。

それは香具師の口上にしてはあまりに熱心すぎた。

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/11(月) 21:39:18.43 ID:E+EcoVv40.net
少女の皮をかぶった悪魔

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/11(月) 23:18:16.67 ID:dQG2W6I60.net
幼女の皮をかぶった悪魔といえばターニャだが、クレマンちゃんは少女という年でもないようなw
クレマンちゃんは皮かむりの童貞でも筆おろししてくれそうなやさしい悪魔
でも、気持ちよくさせてくれたあとで拷問されちゃうんだけどねwww

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/11(月) 23:19:29.84 ID:dQG2W6I60.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (4)

フーテンの寅さんが、倒産した商店の

怪しいバッタもんでも路上販売してるにしては、

さくらもおいちゃんもタコ社長の姿もそこにはなかった。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/11(月) 23:20:38.50 ID:dQG2W6I60.net
「いったいぜんたい

 あそこでは

 何をやってるのかしら?」

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/11(月) 23:21:24.11 ID:dQG2W6I60.net
クレマンちゃんは、大きなバストと、

むっちりした特大おヒップを武器に、

グングンズイズイ群衆の中に割り込んでいった。

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/11(月) 23:22:16.61 ID:dQG2W6I60.net
演説者は、紺のスーツにゴールドのネクタイ、

見たところ相当教養もありそうな、

風采の良い、40男であった。

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/11(月) 23:23:53.19 ID:dQG2W6I60.net
暴言問題で雲隠れ中の国会議員の秘書を兼任して、

まるで火事場泥棒のハイエナの如く私服をこらさんとする

田舎の町議のような綺麗に光らせたヅラっぽい頭髪。

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/11(月) 23:25:04.41 ID:dQG2W6I60.net
井出らっきょうのような形の青ざめた顔、

細い目、立派な口ひげで隈どった真っ赤な唇、

その唇が無作法につばきを飛ばしてパクパク動いているのだった。

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/13(水) 22:36:12.43 ID:Hqi/yPmS0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (5)

汗をかいた高い鼻。

ズボンの裾からは、石田純一のように、

裸足の足がのぞいていた。

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/13(水) 22:37:15.13 ID:Hqi/yPmS0.net
演説はいまや、

最高潮に達している

らしくみえた。

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/13(水) 22:38:14.15 ID:Hqi/yPmS0.net
「……俺はどんなに俺の女房を愛していたか」

男は無量の感慨を込めてこう言った。

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/13(水) 22:40:17.28 ID:Hqi/yPmS0.net
そして、しばらく観衆の顔を見回していたが、

やがて、自問に答えるように続けて言った。

「殺すほど愛していたのだ!」

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/13(水) 22:41:08.98 ID:Hqi/yPmS0.net
「……悲しいかな、

 最近、メシがまずいと語っていた

 あの女は、浮気者だった…」

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/13(水) 22:42:13.49 ID:Hqi/yPmS0.net
ドッと観衆のあいだに笑い声が起こったので、

その次の「いつほかの男とくっ付くかもしれなかった」

という言葉は、あやうく聞き漏らすところだった。

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/13(水) 22:43:38.40 ID:Hqi/yPmS0.net
本日、劇場版総集編オーバーロードの円盤が届きました!
私は、エビテンで購入しましたが、特典のクレマンちゃんクッションが予想以上に良かった♪
スティレットを背中にかまえて、さて、どうやって楽しみながら拷問殺人してやろうかしらって、
嬉しそうに微笑むへそ出しクレマンちゃんが、超セクシー&キュートで最高でした。
私にはもったいなくて使えそうもありませんが、観賞用として永久保存決定です。

円盤本編は、週末にでもゆっくり観るつもりですが、付属の台本も良かったです。
アインズ様に抱きしめられるクレマンちゃんのシーンのト書きに書いてあった、
クレマンティーヌ(もがく)が、個人的にツボりました。

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/15(金) 00:38:35.26 ID:VZQZcVdu0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (6)

「いや、もうとっくうに、

 くっついていたかも

 しれないのだ…」

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/15(金) 00:39:18.89 ID:VZQZcVdu0.net
「何度も逢瀬をかさね、

 濃厚なディープキスを

 しているかもしれないのだ…」

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/15(金) 00:40:09.94 ID:VZQZcVdu0.net
「もしかしたら…

 脱ぎたてホヤホヤのパンティを

 頭から被せてあげてるかもしれないのだ…」

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/15(金) 00:40:47.16 ID:VZQZcVdu0.net
そこでまた観衆からは、

前にも増した高笑いが起こった。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/15(金) 00:41:27.28 ID:VZQZcVdu0.net
「俺は心配で心配で…」

彼はそう言って、

歌舞伎役者のように首を振った。

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/15(金) 00:42:30.39 ID:VZQZcVdu0.net
「俺は仕事も手につかず、夜も寝ないで昼寝して、

 毎夜毎夜、女房に手をついて頼んだのだ…」

再び観衆から笑い声が起きた。

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 00:09:58.65 ID:3G9QzdXp0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (7)

「どうか誓ってくれ。

 俺より他の男には、

 一線を越えないと誓ってくれ…」

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 00:10:51.97 ID:3G9QzdXp0.net
「しかし、あの女は、

 どうしても私の頼みを

 聞いてはくれないのだ…」

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 00:11:41.34 ID:3G9QzdXp0.net
「まるで商売人のような

 巧みな嬌態で、手練手管で、

 その場その場をごまかすばかりなのだ」

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 00:12:39.96 ID:3G9QzdXp0.net
「だが、それがいい…。

 その巧みな手練手管が、

 どんなに私を惹き付けたか…」

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 00:13:25.09 ID:3G9QzdXp0.net
誰かが「この変態マゾ男めっ!」と叫んだ。

するとやはり観衆からは笑い声が起こった。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 00:14:20.86 ID:3G9QzdXp0.net
「みなさん!」

男は、そんな観衆の野次などを

無視して、さらに話を続けた。

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 23:22:00.46 ID:3G9QzdXp0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (8)

「あなた方が、もし私の境遇にあったなら、

 いったいどうしますか?

 これが殺さないでいられましょうか!」

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 23:23:26.84 ID:3G9QzdXp0.net
「あの女は耳ピアスがよく似合いました。

 自分で上手にピアス穴を開けるのです。

 女は鏡の前に座っていました」

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 23:24:27.61 ID:3G9QzdXp0.net
「ちょうど耳にピアスの穴を開けたところです。

 綺麗にお化粧した顔が、私のほうを振り向いて、

 赤い唇でニッコリ笑いました」

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 23:25:27.24 ID:3G9QzdXp0.net
男はここで、

ひとつ肩を揺すり上げて、

見えを切った。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 23:26:21.69 ID:3G9QzdXp0.net
濃い眉が両方から迫って、

すごい表情に変わった。

赤い唇が気味悪くヒン曲がった。

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/16(土) 23:27:11.78 ID:3G9QzdXp0.net
「この美しい女を永久に自分だけのものにしたかった。

 そして俺は自分自身に問いかけた。

 いつ自分だけのものにするの?今でしょ!」

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/18(月) 02:07:13.98 ID:KynXb4wk0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (9)

にわかに男の言葉は狂気じみてきた。

「俺は用意していたアイスピックを

 あの女の匂やかな襟足へ力任せに叩き込んだ」

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/18(月) 02:08:11.12 ID:KynXb4wk0.net
「女は笑顔のまま、八重歯が

 唇から覗いたまんま……

 ……死んでしまった…」

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/18(月) 02:08:57.92 ID:KynXb4wk0.net
ちんどんやが、にぎにぎしく通り過ぎていった。

ハゲかつらを被ったサンドイッチマンがラッパを吹いていた。

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/18(月) 02:09:46.15 ID:KynXb4wk0.net
「このハゲー!ち・が・う・だ・ろ!そんなつもりはないんですぅ〜、すっすっすっ」と、

子供たちがラッパの節にあわせて歌いながら、

ゾロゾロとついて行った。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/18(月) 02:10:34.16 ID:KynXb4wk0.net
「諸君。あれは俺のことを触れ回っているのだ。

 ザックは人殺しだ、人殺しだ、

 そう言って触れ回っているのだ」

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/18(月) 02:11:34.50 ID:KynXb4wk0.net
観衆からは、また笑い声が起こった。

ちんどんやのラッパの音だけが、

男の演説の伴奏でもあるかのように、

いつまでも、いつまでも聴こえていた。

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/19(火) 01:54:35.78 ID:dEkOhuVA0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (10)

「…俺は女房の死体を五つに切断した。

 よいかね、胴体が一つ、腕と足が各2本、

 これでつまり五つだ…」

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/19(火) 01:55:23.92 ID:dEkOhuVA0.net
「…惜しかったけど仕方が無い…

 …よく太った肉付きの良い足だ…」

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/19(火) 01:56:11.77 ID:dEkOhuVA0.net
「あなた方は、

 あの水の音を

 聞かなかったですか?」

と、男は俄かに声を低めにして言った。

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/19(火) 01:57:02.03 ID:dEkOhuVA0.net
首を前に突き出し、

目をキョロキョロさせながら、

さも、一大事でも打ち明けるかのように…。

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/19(火) 01:57:46.07 ID:dEkOhuVA0.net
「3721日のあいだ、私の家の水道は、

 ザーザーと流しっぱなしにしてあったのですよ」

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/19(火) 01:58:57.30 ID:dEkOhuVA0.net
「五つに切った女房の死体をね、

 子供用ビニールプールの中に入れてね、

 冷やしていたのですよ、これがね、みなさん」

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 00:28:21.44 ID:ItsT59Ef0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (11)

ここで彼は、聞こえないぐらいまで、

最大限に声を低めてから、

こう話を続けた。

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 00:29:04.28 ID:ItsT59Ef0.net
「ここだけの話…

 秘訣なんだよ。

 おけつじゃないよ」

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 00:29:49.32 ID:ItsT59Ef0.net
「えっ?何の秘訣かって?

 むろん死体を腐らせない秘訣さ…

 ミイラ人間というものになるんだよ」

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 00:30:34.98 ID:ItsT59Ef0.net
ミイラ人間……。

クレマンちゃんは、ふと、エジプトのミイラを思い出した。

確かに、ピラミッドパワーでミイラは腐らないとか、

以前、何かの本で読んだことがあった。

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 00:31:19.67 ID:ItsT59Ef0.net
それにしても、一体全体、

この男は何を言おうとしているのかしら?

なんとも知れぬ恐怖が、

クレマンちゃんの心臓を風船玉のように軽くした。

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 00:32:34.45 ID:ItsT59Ef0.net
「……女房のアブラギッシュな、

 白い胴体や手足が、かわゆい

 ミイラ人間になってしまった…」

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 22:19:29.11 ID:ItsT59Ef0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (12)

突然、観衆のひとりが大声をあげた。

「ハハハハハ、くだらん作り話はもう飽きたぞ。

 結局お前は愛想つかされて女房に逃げられただけやろ」

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 22:20:30.03 ID:ItsT59Ef0.net
「おい!君たち!……君たちがいて僕がいる」

男は、いままでの低めの声から一転して、

大声で語りだした。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 22:21:37.24 ID:ItsT59Ef0.net
「俺がこれほど力説しているのに、まだわからんのか!

 君たちは、俺の女房が家出をした、

 家出に違いないと思っているのだろう」

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 22:22:30.52 ID:ItsT59Ef0.net
「ところがどっこい、

 オイ!お前ら、

 耳の穴かっぽじってよく聞けよ」

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 22:23:14.42 ID:ItsT59Ef0.net
「あの女は、この俺が殺したんだぞ。

 どうだ恐れ入ったか!

 ハッハッハッ」

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/20(水) 22:24:21.61 ID:ItsT59Ef0.net
断ち切ったように笑い声がやんだかと思うと、

瞬く間に、男の顔は、

もとの生真面目な顔に戻った。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/22(金) 01:44:55.09 ID:4vGSglxj0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (13)

男はまた、ささやき声で話し始めた。

「それでもう、女房はほんとうに、

 私の物になりきってしまったのです」

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/22(金) 01:45:46.46 ID:4vGSglxj0.net
「でもみなさん、安心してください。

 穿いてますから…じゃなかった、

 ちっとも心配はいらないのです」

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/22(金) 01:46:45.95 ID:4vGSglxj0.net
「キスしたいときには、

 キスすることがてきます」

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/22(金) 01:47:31.34 ID:4vGSglxj0.net
「また、抱きしめたいときには、

 抱きしめることもできるのです」

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/22(金) 01:48:14.39 ID:4vGSglxj0.net
「私はもうこれだけで、

 充分、満足しているのです」

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/22(金) 01:49:58.28 ID:4vGSglxj0.net
「……だがね、みなさん、

 用心だけは決して、

 怠ってはならんのですよ…」

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/23(土) 23:51:48.39 ID:3mPi5hsr0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (14)

「何の用心をするかって?

 そりゃあ、アンタ、

 私は人殺しだからね…」

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/23(土) 23:52:36.90 ID:3mPi5hsr0.net
「用心してないと、

 いつ、おまわりさんに

 捕まるとも限らんしね」

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/23(土) 23:53:22.48 ID:3mPi5hsr0.net
「そこで、俺は、

 実にうまいことを

 考えていたんだよ」

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/23(土) 23:55:26.19 ID:3mPi5hsr0.net
「それは俺が殺したという証拠隠滅、

 つまり、女房の死体そのものを

 絶対見つからない場所に隠したのさ…」

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/23(土) 23:56:12.66 ID:3mPi5hsr0.net
「おまわりだろうが、

 刑事だろうが、

 これには気づくまい」

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/23(土) 23:56:49.66 ID:3mPi5hsr0.net
「ほら、君、見てごらん、

 その死体は、ちゃんと、

 俺の店先に飾ってあるのだよ」

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/24(日) 23:58:05.28 ID:9N0RZmwo0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (15)

その瞬間、

クレマンちゃんは、

思わずハッとした。

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/24(日) 23:58:50.50 ID:9N0RZmwo0.net
何を隠そう、

男の目がいきなり、

クレマンちゃんを見たのだから。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/24(日) 23:59:31.02 ID:9N0RZmwo0.net
それは正確に言えば、男の視線は、

クレマンちゃんに注がれたというよりは、

その先にあるモノに向けられていたのであった。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 00:00:18.20 ID:rQPeRAOv0.net
クレマンちゃんは、

男の視線の先を追って、

後ろを振り返ってみた。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 00:01:13.03 ID:rQPeRAOv0.net
すると、今の今まで気がつかなかった、

クレマンちゃんのすぐ鼻の先に、

薬屋の看板が掲げられていた。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 00:02:13.79 ID:rQPeRAOv0.net
さらに、その奥には、

ガラス張りのショーウィンドウに

人体模型が展示してあった。

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 23:51:30.39 ID:rQPeRAOv0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (16)

先程から、多くの観衆の前で、

演説をかましていた男の正体は、

実はこの薬局の店主だったのである。

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 23:52:24.51 ID:rQPeRAOv0.net
「ね、いるでしょ。

 もっとよく私の可愛い女房を

 心ゆくまで見てやってください」

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 23:53:13.49 ID:rQPeRAOv0.net
何がそうさせたのか?

何でそうしたのか?

実のところクレマンちゃんにもわからなかった。

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 23:54:00.72 ID:rQPeRAOv0.net
クレマンちゃんは、

いつの間にか、

薬局のショーウィンドウの前にいた。

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 23:54:59.57 ID:rQPeRAOv0.net
クレマンちゃんの目の前の

ショーウインドウの中には、

女の顔があった。

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/25(月) 23:56:03.21 ID:rQPeRAOv0.net
彼女はクレマンちゃんの顔を見ながら、

キラリと光った八重歯をむき出しにして、

ニッコリ笑っていた。

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/27(水) 00:21:15.16 ID:zawT+AWY0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (17)

いまわしい蝋人形の腫物の奥に、

真実の人間の皮膚が、

黒ずんで見えていた。

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/27(水) 00:22:12.27 ID:zawT+AWY0.net
その人形が作り物ではない証拠に、

なんと皮膚の一面には産毛が生えていた。

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/27(水) 00:23:04.76 ID:zawT+AWY0.net
これは間違いなく、

さっきあの男が話していた

ミイラ人間に違いない。

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/27(水) 00:23:49.16 ID:zawT+AWY0.net
クレマンちゃんは、

その人形を見たとたん、

直感的にそう確信した。

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/27(水) 00:24:36.84 ID:zawT+AWY0.net
その瞬間、クレマンちゃんには、

スーッと心臓が喉から飛び出るような、

凄まじい衝撃が全身を駆け巡った。

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/27(水) 00:25:48.29 ID:zawT+AWY0.net
クレマンちゃんは、

あまりのショックのため、

思わずその場に倒れこみそうになった。

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/28(木) 02:31:48.44 ID:B6vzjWWa0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (18)

クレマンちゃんは、すぐさま気を取り直して、

倒れそうになるからだを、危うく支えて、

ショーウィンドウから逃れだした。

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/28(木) 02:32:48.67 ID:B6vzjWWa0.net
そして、クレマンちゃんは、

男に気づかれないようにして、

こっそり観衆のそばを離れた。

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/28(木) 02:33:35.51 ID:B6vzjWWa0.net
クレマンちゃんが振り返ってみると、

そこにはただ風が、吹いているだけ…

では無かった。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/28(木) 02:34:18.73 ID:B6vzjWWa0.net
観衆のうしろには、

ひとりの警察官が、

立っていた。

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/28(木) 02:35:09.60 ID:B6vzjWWa0.net
この警察官もまた、

他の観衆と同じように、

ニコニコと笑いながら、

男の演説を聞いていた。

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/28(木) 02:36:31.82 ID:B6vzjWWa0.net
クレマンちゃんは、

このある種、独特の光景に、

なんともいえない違和感を覚えた。

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/28(木) 02:37:40.17 ID:B6vzjWWa0.net
コンプエース11月号のオーバーロード第30話も面白かった!
まだ戦闘シーンは無いものの、王国編の新キャラが続々登場。
ラストは八本指の定例会で麻薬取引部門のリーダー、ヒルマが登場。
今後の展開が益々楽しみです♪

あと、不死者のoh!は、やはり今月は休載でした。。。

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/29(金) 02:17:17.77 ID:U6yKf8eJ0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (19)

恐るべき真実を知ってしまったクレマンちゃんは、

何も知らずに笑って見ている警官を見て、

思わずこんなことを思ってしまった。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/29(金) 02:18:11.62 ID:U6yKf8eJ0.net
「おい!おまえ!

 さっきから、何、

 ニタニタ笑ってんだ」

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/29(金) 02:18:55.24 ID:U6yKf8eJ0.net
「お前の目は、

 節穴かってんだ!」

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/29(金) 02:19:55.59 ID:U6yKf8eJ0.net
「それともお前は、

 ウルトラバカか?」

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/29(金) 02:20:38.32 ID:U6yKf8eJ0.net
「あの男の言っていることが、

 わからんとでも言うのか?

 この税金泥棒がっ!」

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/29(金) 02:21:47.35 ID:U6yKf8eJ0.net
「四の五の言わずに、

 とっとと、この薬局の

 ショーウィンドウの中身を調べろちゅーの!」

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/30(土) 23:49:50.47 ID:29LdumAk0.net
もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (20)

「白昼堂々、人間の死体が、

 ショーウィンドーの中に展示されているのよ。

 そんなことが許されるわけねえだろがっ!」

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/30(土) 23:50:51.40 ID:29LdumAk0.net
クレマンちゃんは、いっそのこと、

無神経な警官の頭をど突いて、

こう怒鳴りつけてやろうかと思った。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/30(土) 23:51:44.07 ID:29LdumAk0.net
けれど、クレマンちゃんには、

それを実行するだけの正義感も

責任感も気力すら無かった。

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/30(土) 23:53:07.38 ID:29LdumAk0.net
クレマンちゃんは、

めまいと空腹を感じながら、

すたこらさっさと、その場から去っていった。

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/30(土) 23:54:21.29 ID:29LdumAk0.net
「もう、変な話を聞いて、

 変なもの見て、変なこと考えてたら、

 無性に腹が減ってきちゃったわ…」

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/30(土) 23:55:40.80 ID:29LdumAk0.net
「よし!とりあえず店を探すわよ!」

クレマンちゃんの行く手には、

どこまでもどこまでも果てしの無い、

シャッター商店街が続いていた。

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/09/30(土) 23:56:27.53 ID:29LdumAk0.net
陽炎が、立ち並ぶ電柱を

海草のように揺すっていた…。



             もしもクレマンちゃんが白昼夢を見たら… (完)

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/02(月) 23:56:12.54 ID:qRZo9+zl0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (1)

このお話はねえ、あたしの夢かも知れないし、

はたまた、あたしが見た幻だったかも知れないよ。

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/02(月) 23:56:57.80 ID:qRZo9+zl0.net
でも、もしかしたら、

あのフォトフレームと旅していたおっさんが、

ただのキチガイだったのかもね。

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/02(月) 23:58:47.31 ID:qRZo9+zl0.net
だけど、夢って時として、

どこかこの世界と食い違った別世界を

チラリとのぞかせてくれることもあるじゃん。

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/02(月) 23:59:25.99 ID:qRZo9+zl0.net
それと、キチガイってさ、

わけのわからないことを

言ったり見たりしてるよね。

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/03(火) 00:00:08.77 ID:q9q1FM350.net
このお話も、それと同じように、

なんか四次元の世界みたいな、

奇妙な世界を覗き見た感じなんだよね。

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/03(火) 00:01:19.83 ID:q9q1FM350.net
いつの日だったかなんて、まるきし覚えてないわよ。

ただ記憶に残っていることといえば、

なんか暖かい薄曇の日だったわね。

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/03(火) 22:57:18.25 ID:q9q1FM350.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (2)

その日、あたしは、ていうと、

なんだか無性に蜃気楼が見たくなっちゃってさ、

蜃気楼を求めてお散歩してたのよ。

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/03(火) 22:58:11.27 ID:q9q1FM350.net
でもさあ、蜃気楼なんかめったに見れないじゃん。

当然、その日も御他聞に洩れず、見れなくて、

あきらめておうちに帰る途中だったのよね。

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/03(火) 22:58:57.17 ID:q9q1FM350.net
あたしがこの話をするとね、カジッちゃんなんかは、

「おぬしは見る当ても無い蜃気楼なんか探しに散歩などせんだろ」

なーんて突っ込みを入れてくるの。

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/03(火) 22:59:45.33 ID:q9q1FM350.net
確かに言われてみれば、

あたしはそんなばかばかしいことなんか、

するわけないわって思えてくるのよねえ。

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/03(火) 23:00:27.46 ID:q9q1FM350.net
だからやっぱりあの出来事は、

夢の中の出来事だったんじゃないかとも

思えてきちゃうのよ。

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/03(火) 23:02:02.40 ID:q9q1FM350.net
でもさあ、カラーの夢なんてあるのかしら?

あたしは今まで白黒の夢しか見たこと無いから…。

だけど、あの出来事は確かに総天然色で、

あたしの記憶に焼きついてるんだから。

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/05(木) 00:00:20.40 ID:Qbs5PBJV0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (3)

あっ、そうそう、実はあたし蜃気楼を見ちゃったの。

よく考えてみたら、蜃気楼なんて散歩がてらに

お手軽に、ご近所で見られるわけないわよね。

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/05(木) 00:01:43.54 ID:Qbs5PBJV0.net
そこで今度は、いろいろ調べてみて、

蜃気楼がよく見れるという

ある海岸まで出掛けて行ったの。

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/05(木) 00:02:49.34 ID:Qbs5PBJV0.net
あたしはそのとき、

生まれて初めて、

蜃気楼というものを見たわ。

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/05(木) 00:03:35.68 ID:Qbs5PBJV0.net
あたしは、ロマンティストだから蜃気楼って、

蛤の息の中に、美しい竜宮城が浮かんでいる。

そんな古い絵画のようなものだと思ってたの。

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/05(木) 00:04:18.02 ID:Qbs5PBJV0.net
でも、この目で本物の蜃気楼を見たとき、

あたしは脂汗がにじむような、

恐怖に近い驚きで、少しちびっちゃったわ。

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/05(木) 00:05:30.91 ID:Qbs5PBJV0.net
そのときの海岸には、豆粒のような人間が、

ウジャウジャと集って、息を殺して、

限界いっぱいの大空と海面とを眺めていたのよ。

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/06(金) 00:46:02.78 ID:TC7uW4Qx0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (4)

あたしは、まるで、テレビで余計なことしゃべって、

都知事のおばはんに叱られて、しょぼんと黙りこくってる

国会議員のおっさんみたいな、あんな静かな海を見たことは無かったわ。

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/06(金) 00:46:48.26 ID:TC7uW4Qx0.net
その海って、荒海だと思っていたから、

なんか静か過ぎて意外だったわ。

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/06(金) 00:47:30.70 ID:TC7uW4Qx0.net
さらに、その海は、灰色で、

まったく小波ひとつ無くって、

無限大に広がる沼みたいなの。

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/06(金) 00:48:14.35 ID:TC7uW4Qx0.net
しかも、その海には水平線も無くって、

海と空が同じ灰色に溶け合ってて、

大きな靄に包まれてるって感じよ。

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/06(金) 00:48:54.36 ID:TC7uW4Qx0.net
空だと思って見てたら、

いきなり白いヨットが横切ったりして、

実は海だったってオチなのよ。

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/06(金) 00:49:46.90 ID:TC7uW4Qx0.net
蜃気楼ってさあ、紙にインクが、

ジワジワと滲んでいく様子を、

大画面モニターに映したみたいなものね。

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/07(土) 01:01:50.78 ID:oDEB5Qj70.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (5)

はるか先の陸地にある森林が、

なんか黒いお化けの集団に見えて、

あたしの頭の上に覆いかぶさってくるの。

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/07(土) 01:03:38.35 ID:oDEB5Qj70.net
蜃気楼って、

距離感が曖昧だから、

超不気味だわ。

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/07(土) 01:04:39.66 ID:oDEB5Qj70.net
それは、壁の外の巨人のようでもあり、

突然、目の前に飛んできた

ゴキのようにも感じたのよ。

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/07(土) 01:05:29.37 ID:oDEB5Qj70.net
また、あるときは、

黒い巨大なピラミッドが、

積み上がったり崩れたりするの。

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/07(土) 01:06:37.12 ID:oDEB5Qj70.net
蜃気楼の魔力って、

人の気を狂わせるのかしら?

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/07(土) 01:07:57.28 ID:oDEB5Qj70.net
もしそうなら、

あたしは帰りの電車までは、

その魔力から逃れられなかったと思うわ。

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/08(日) 22:15:54.41 ID:+V86gyy/0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (6)

2時間も蜃気楼を見続けたせいかしら?

そのあと電車の中で一夜を過ごすまでは、

普段の日常とは違った気分だったのは間違いないわ。

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/08(日) 22:16:51.61 ID:+V86gyy/0.net
もしかしたら、蜃気楼を見ることが、

通り魔のような狂人の心を

呼び覚ますのかも知れないわね。

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/08(日) 22:17:36.91 ID:+V86gyy/0.net
蜃気楼を見た後、

あたしが帰りの電車に乗ったのは、

確か夕方の6時頃だったわ。

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/08(日) 22:18:22.34 ID:+V86gyy/0.net
電車の中は、売れない芸人の寄席みたいに、

ガラガラ状態で、あたしのほかには、

たったひとりの乗客がいただけだったの。

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/08(日) 22:19:05.95 ID:+V86gyy/0.net
電車は淋しい海岸の、険しい崖や砂浜の上を、

単調な機械の音を響かせながら、

果てしなく走っていたわ。

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/08(日) 22:20:18.42 ID:+V86gyy/0.net
沼のような海上の霧の奥深く、

どす黒い夕焼けが漂っていたり、

異様に大きく見える白いヨットを、

あたしは窓からぼんやりと眺めていたわ。

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/10(火) 23:55:21.42 ID:MP8xNiKY0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (7)

その日は、とっても蒸し暑くって、

窓を開けていても風もないし、

マジ最悪だったわ。

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/10(火) 23:56:14.64 ID:MP8xNiKY0.net
そんなとき、たったひとりの

同乗者のおっさんが、

突然立ち上がったの。

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/10(火) 23:57:01.26 ID:MP8xNiKY0.net
別に駅に到着するわけでもないし、

いったいどうしたのかしらって、

あたしはしばらくそのおっさんを眺めていたわ。

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/10(火) 23:57:42.03 ID:MP8xNiKY0.net
すると、そのおっさんは、

車窓に立てかけてあったモノを

おもむろに鞄の中に仕舞い始めたのよ。

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/10(火) 23:58:31.28 ID:MP8xNiKY0.net
あたしには、その行動が、

なんとも怪しげに見えて、

ますますそのおっさんから、

目が離せなくなっちゃったわ。

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/10(火) 23:59:44.29 ID:MP8xNiKY0.net
どうやら、おっさんが鞄に仕舞っていたモノは、

フォトフレームだったみたいなの。

なんか訳ありみたいで、

窓ガラスに向かって立てかけてあったわ。

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/11(水) 23:08:01.32 ID:aWnQ2QSw0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (8)

おっさんが鞄に入れるときに、

チラッと見えたんだけど、

それはちょっと不気味な写真だったの。

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/11(水) 23:09:03.89 ID:aWnQ2QSw0.net
だから、あたしはあらためて、

この怪しい荷物の持ち主を

観察することにしたのよ。

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/11(水) 23:09:52.61 ID:aWnQ2QSw0.net
そうしたら、荷物以上に、

その持ち主のおっさんも、

実に怪しげなおっさんだったわ。

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/11(水) 23:10:47.21 ID:aWnQ2QSw0.net
黒い服を着たそのおっさんは、

身長も高く、スタイルもよく、

ちょっとイケてる雰囲気かも。

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/11(水) 23:11:34.52 ID:aWnQ2QSw0.net
顔は細面で、両眼が、

少しギラギラしてたけど、

そこそこのイケメンだったわ。

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/11(水) 23:12:54.50 ID:aWnQ2QSw0.net
髪の毛は黒くてふさふさだから、

一見40歳ぐらいに見えるけど、

よく見れば顔には皺があって、

60歳ぐらいにも見えなくも無かったわ。

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/13(金) 00:08:08.83 ID:gqyBZUL50.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (9)

おっさんは、フォトフレームを

大事そうに鞄に入れた後、

あたしのほうに視線を向けたの。

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/13(金) 00:09:07.17 ID:gqyBZUL50.net
あたしもちょうどおっさんを観察していたから、

ふたりの目と目がバッチリ合っちゃったのよ。

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/13(金) 00:09:59.56 ID:gqyBZUL50.net
そしたら、おっさんは、

なんか照れ笑いを浮かべてるの。

もうキモくて、ぞぞぞって感じ。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/13(金) 00:10:44.11 ID:gqyBZUL50.net
それからというもの、

あたしとおっさんは、

お互いに意識しちゃったのよね。

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/13(金) 00:11:32.94 ID:gqyBZUL50.net
その頃には、もうすっかり日も暮れて、

窓の外には暗闇しか見えなかったの。

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/13(金) 00:12:32.44 ID:gqyBZUL50.net
果てしなく続く暗闇の中を走る電車に、

乗客は、あたしとおっさんのふたりきり…。

まるでこの世の終わりみたいで、

あたしはすっかりブルーな気分になっちゃったわ。

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/14(土) 18:42:23.61 ID:LHFVUVEf0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (10)

あたしとおっさんの乗っていた電車は、

いくつもの駅に停車したけど、

どの駅からも、ひとりの乗客もいなかったわ。

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/14(土) 18:43:16.80 ID:LHFVUVEf0.net
そういうことも今になって考えてみると、

とっても不思議なことだったのよね。

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/14(土) 18:44:01.73 ID:LHFVUVEf0.net
あたしは若いんだか年寄りなんだか、

年齢不肖な不気味なおっさんのことが、

だんだん怖くなってきちゃったの。

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/14(土) 18:44:43.91 ID:LHFVUVEf0.net
怖さってさあ、

逃れることができないと、

ますます怖くなっちゃうのよねぇ。

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/14(土) 18:45:28.82 ID:LHFVUVEf0.net
あたしは怖さのあまり、

思わずちびりそうになっちゃったから、

とりあえず立ち上がってみたわ。

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/14(土) 18:46:21.56 ID:LHFVUVEf0.net
そして、思い切って、

そのおっさんのほうに歩いていって、

大胆にも、おっさんの向かいの席に座ったのよ。

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/16(月) 00:05:38.70 ID:4IjGxJnl0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (11)

キモいおっさんだとは思っていたけれど、

近くで見たら、超キモいおっさんだったわ。

でもガマンして、あたしはおっさんの観察を続けたの。

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/16(月) 00:06:34.80 ID:4IjGxJnl0.net
おっさんのほうも、

あたしが席を立ってから、

あたしのほうを見ていたのよ。

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/16(月) 00:07:18.73 ID:4IjGxJnl0.net
やっぱり、あたしみたいな

ナイスバディのいいオンナは、

いつも男の視線の的なのよね。

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/16(月) 00:08:05.44 ID:4IjGxJnl0.net
おっさんは、あたしと目が合うと、

いやらしい笑みを浮かべて、

突然こんなことを言い出したの。

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/16(月) 00:08:59.65 ID:4IjGxJnl0.net
「お嬢さんは、私にチャックを開けさせて、

 その中のモノを見せて欲しいんだよね…」

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/16(月) 00:10:11.85 ID:4IjGxJnl0.net
いやあ〜ん、変態エロすけべ!

おっさん突然ナニを言い出すのかしら。

このおっさん、変態露出狂なのかしら!?

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 00:08:48.31 ID:fYjSEwfT0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (12)

おっさんの言い方が、

あたりまえのように言うので、

あたしは、チョッとギョッとしたわ。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 00:10:07.44 ID:fYjSEwfT0.net
そんなに他人に見せびらかしたいほど、

立派なモノをお持ちならば、

まあ、見てやらないいことも無いけどさ。

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 00:11:23.14 ID:fYjSEwfT0.net
あたしは勇気を出して、

おっさんにこう言ったの。

「見てあげてもいいわよ」

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 00:12:25.89 ID:fYjSEwfT0.net
「喜んでお見せいたしますよ。

 私はさっきから考えていたんですよ。

 あなたはコレを見たくて来たんですよね」

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 00:13:20.30 ID:fYjSEwfT0.net
おっさんナニ勝手なことほざきやがって。

あたしは別におっさんのナニが見たくて、

近づいたわけじゃねえーちゅうの!

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 00:14:47.31 ID:fYjSEwfT0.net
おっさん…むしろジジイと言ったほうがふさわしいかも。

そのジジイは、おもむろに立ち上がると、

ついに、チャックに手をかけたの…。

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 23:23:43.99 ID:fYjSEwfT0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (13)

キャー!この人、痴漢よ!変質者よーーー!

あたしは、こんなふうに大声でもあげて。

ジジイから有り金ぜんぶ巻き上げるつもりだったのよ。

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 23:24:28.59 ID:fYjSEwfT0.net
でも、残念ながら、

あたしの期待通りには、

物事は進まなかったわ。

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 23:25:14.35 ID:fYjSEwfT0.net
ジジイは、チャックはチャックでも、

ズボンのチャックではなく、

鞄のチャックに手をかけたのよ。

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 23:26:01.05 ID:fYjSEwfT0.net
ジジイは鞄を開けると、大事そうに、

中から例のフォトフレームを取り出したの。

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 23:27:18.07 ID:fYjSEwfT0.net
ジジイは、そのフォトフレームを、

今度は表を向けて、窓のところへ立てかけたの。

あたしは、それをチラッと見たあと、

思わず、目を塞いだわ。

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/17(火) 23:28:25.59 ID:fYjSEwfT0.net
なぜそうしたのかは、

今でも理由はわかんないんだけど、

そのときは、なんとなく、そうしないと

いけないみたいな感じがしたのよねえ。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/19(木) 00:53:21.66 ID:GvIWlJLY0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (14)

あたしが再び目を開いたとき、

目の前には、かつて見たことの無いような、

奇妙なものがあったわ。

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/19(木) 00:54:24.39 ID:GvIWlJLY0.net
奇妙なものといっても、

真珠の入ったイボイボの、

肉の棒とかじゃないのよ。

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/19(木) 00:55:15.55 ID:GvIWlJLY0.net
そんなふうに具体的な

説明をすることも出来ないような

奇妙なものなのよねえ。

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/19(木) 00:56:05.99 ID:GvIWlJLY0.net
まあ、フォトフレーム自体は、

ごく普通のものなんだけど、

問題は中に入っている写真なの。

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/19(木) 00:56:57.52 ID:GvIWlJLY0.net
それは、外国のようでもあり、

そうでもないような、だだっ広い部屋に、

ふたりの人物が写ってる写真だったわ。

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/19(木) 00:58:26.75 ID:GvIWlJLY0.net
そして、そのふたりの人物だけが、

3D画像のような細工がしてあり、

奇妙に浮かび上がってるの…。

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/20(金) 00:16:33.64 ID:yWEwfjxX0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (15)

そのふたりの人物のひとりは、

白髪の老人なんだけど、

この老人なんか見たことあるかも?

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/20(金) 00:17:55.64 ID:yWEwfjxX0.net
よく見ればコイツ、

髪の毛が白髪じゃ無ければ、

目の前にいるジジイじゃん。

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/20(金) 00:18:58.99 ID:yWEwfjxX0.net
そして、もうひとりの人物は、

年齢17〜18才ぐらいの、

色白の美少女だったわ。

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/20(金) 00:19:52.06 ID:yWEwfjxX0.net
しかも、驚くべきことには、

その美少女は、下着を膝までおろして、

老人と立ちバックの真っ最中なの。

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/20(金) 00:20:45.13 ID:yWEwfjxX0.net
これって、淫行?

それとも、援交?

いずれにしても犯罪よね。

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/20(金) 00:22:00.54 ID:yWEwfjxX0.net
その写真は、まさに名状し難い

毒々しいエロさと如何わしさを保っていて、

ぎんぎらぎんに目に焼きつくような、

生気を持っている不思議な写真だったわ。

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 00:07:16.21 ID:YgwCDiv60.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (16)

でもね……。

あたしがこの写真を見て「奇妙」だって思ったのは、

そういうことではないんだなぁ。

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 00:08:11.44 ID:YgwCDiv60.net
それは強いて言えば、

写真のふたりは、今も写真の中で、

生きているんじゃないかなぁってこと。

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 00:08:58.15 ID:YgwCDiv60.net
よく、写真機が出来たての頃は、

写真に撮られると、その人の魂が、

吸い取られてしまうって思われてたって言うじゃない。

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 00:09:40.16 ID:YgwCDiv60.net
この写真は、まさに、撮られた瞬間に、

人間が丸ごと生きたまま写真に

貼り付いているみたいな。

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 00:10:27.13 ID:YgwCDiv60.net
あたしの表情に驚きの色を見てとったのかしら、

ジジイは自信満々って感じで、

こう叫ぶようにあたしに言ったわ。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 00:11:42.07 ID:YgwCDiv60.net
「ああ!

 あなたはわかってくださる

 のかもしれません!」

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 21:52:36.89 ID:YgwCDiv60.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (17)

そう言うとジジイは、

肩からさげていた黒革のケースから、

双眼鏡を取り出したの。

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 21:53:37.76 ID:YgwCDiv60.net
このジジイ、

双眼鏡なんか持ち歩いて、

何するつもりなのかしら?

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 21:54:41.97 ID:YgwCDiv60.net
やっぱり女湯とか覗く気かしら?

それともひとり暮らしの女性の部屋とか?

どちらにしても、やっぱり変態だわ。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 21:55:43.16 ID:YgwCDiv60.net
するとジジイは、

その双眼鏡を、

あたしに差し出しながら、

こう言ったのよ。

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 21:56:50.81 ID:YgwCDiv60.net
「この写真を、今度は、

 この双眼鏡を使って、

 ご覧になってください」

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/21(土) 21:58:15.56 ID:YgwCDiv60.net
「いえ、そこからでは近すぎます。

 もう少しあちらのほうから、

 そう、そのあたりから見てください」

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/22(日) 22:34:18.88 ID:OHtCgLpZ0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (18)

なに言ってんだこのジジイ。

あたしに双眼鏡なんか渡して、

いったい何をたくらんでるのかしら?

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/22(日) 22:35:16.92 ID:OHtCgLpZ0.net
でも、美少女と老人のファック写真を

双眼鏡を通して見てみたら、

どんなふうに見えるのかな?

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/22(日) 22:36:12.18 ID:OHtCgLpZ0.net
あたしは好奇心のとりこになっちゃって、

不本意だったけどジジイの言うとおり、

席を立って、写真から5〜6歩遠ざかったの。

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/22(日) 22:37:01.41 ID:OHtCgLpZ0.net
ジジイは、あたしが見やすいように、

写真を両手で持ち上げながら、

電灯にかざしてくれたわ。

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/22(日) 22:38:00.52 ID:OHtCgLpZ0.net
今から思えば、これって、

ちょっと危ない人達って、

思われても仕方ないかもね。

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/22(日) 22:39:24.36 ID:OHtCgLpZ0.net
そして、あたしが双眼鏡を覗いた瞬間、

突然、ジジイが悲鳴のような叫び声をあげたので、

驚いたあたしは、うっかり双眼鏡を落としそうになっちゃったわ。

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/23(月) 23:15:58.99 ID:B/jais4D0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (19)

「いけません!いけません!

 それは逆さですよ。

 逆さで覗いてはいけません」

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/23(月) 23:17:12.79 ID:B/jais4D0.net
ジジイは、真っ青になって、

目玉を西川きよしみたいに見開いて、

しきりに手を振ってたわ。

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/23(月) 23:18:05.68 ID:B/jais4D0.net
イケませんって、そんなにイケないなら、

アタシがイカせてあげてもいいのよん。

なんなら逝かせてあげてもいいわよん。

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/23(月) 23:18:54.89 ID:B/jais4D0.net
なあーんてね。

それにしても、双眼鏡を逆さに覗くことが、

そんなにいけないことなのかしら?

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/23(月) 23:19:43.39 ID:B/jais4D0.net
あたしにはジジイの

異様な言動を理解することなど、

到底できなかったわ。

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/23(月) 23:21:08.52 ID:B/jais4D0.net
「あっ、そっか逆さまなのね」

あたしはとりあえず、うっかりしていたふりをして、

ジジイの言うとおり双眼鏡の向きを変えてみたの。

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/24(火) 23:34:01.61 ID:UiDqExxj0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (20)

あたしは双眼鏡を眼にあてて、

写真の人物を覗いてみたわ。

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/24(火) 23:35:13.97 ID:UiDqExxj0.net
焦点が合っていくにしたがって、

ふたつの円形の視野が、

徐々にひとつに重なっていったわ。

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/24(火) 23:36:30.11 ID:UiDqExxj0.net
そして、ぼんやりとした

太陽のようなものが、

だんだんハッキリしてきたの。

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/24(火) 23:37:29.32 ID:UiDqExxj0.net
それはビックリするほど大きな

美少女の乳輪と乳首が、

あたしの視界に飛び込んできたわ。

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/24(火) 23:38:22.16 ID:UiDqExxj0.net
白い肌に形の良いおっぱい、

それとは対照的な大きな乳輪、

さらに乳首の色は黒乳首。

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/24(火) 23:39:40.33 ID:UiDqExxj0.net
おとなしく真面目そうな美少女の

いやらしい秘密を覗き見したみたいで、

あたしはちょっと興奮してきちゃったわ。

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/25(水) 23:08:54.33 ID:sXYuhCBX0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (21)

写真の中の美少女は、

まるで生きてるみたいな

感じだったわね。

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/25(水) 23:10:01.23 ID:sXYuhCBX0.net
生きてるって言っても、

別に動いてるわけじゃないんだけど、

なんか妙に生々しい雰囲気なのよ。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/25(水) 23:11:07.74 ID:sXYuhCBX0.net
肉眼で見たときとはガラリと変わって、

双眼鏡を通して見た美少女の姿は、

淫乱な娼婦のようなエロさがあったわ。

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/25(水) 23:12:02.26 ID:sXYuhCBX0.net
老人にバックから責められながら、

はぁはぁと卑猥なよがり声を吐きながら、

よだれをたらしている淫乱なメス豚…。

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/25(水) 23:12:50.09 ID:sXYuhCBX0.net
老人に突かれるたびに、

肉壺からあふれ出す、

蜜汁が白い太ももから垂れてくる…。

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/25(水) 23:14:05.66 ID:sXYuhCBX0.net
あたしは、決して覗いてはいけないものを、

悪い魔法使いに無理矢理のぞかされているのだ…。

そんなへんてこな気分で双眼鏡を見入ってしまったわ。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/26(木) 23:54:19.62 ID:iYNeEEkr0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (22)

あたしは淫乱この上も無い美少女の、

とてもこの世のものとは思えないような、

変態エロすけべな姿にゴクリと唾を呑み込んだわ。

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/26(木) 23:55:15.17 ID:iYNeEEkr0.net
そして、あたしはひととおり女の全身を

舐め回すように眺めてから、今度は、

幸せの絶頂にいるような老人の姿を見たの。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/26(木) 23:55:54.60 ID:iYNeEEkr0.net
それは不思議にも、

双眼鏡に写った老人は、

どこか苦痛の表情だったわ。

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/26(木) 23:56:45.79 ID:iYNeEEkr0.net
どう見ても50歳は年齢の離れた

しかも美少女とファックしてるんだから、

普通なら天にも上るような気分のはずだわよね。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/26(木) 23:57:26.59 ID:iYNeEEkr0.net
ところが老人の顔は、

苦悶の表情を浮かべて、

とても苦しそうだったわ。

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/26(木) 23:58:27.54 ID:iYNeEEkr0.net
よく年寄りが年甲斐も無くハリキッちゃうと、

心臓麻痺で腹上死するとかなんとか聞くけど、

もしかしたらそんな状態だったのかしら?

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/27(金) 00:30:52.95 ID:pRRmpQE10.net
本日発売のコンプエース12月号のオーバーロード31話も面白かった!
ゼロやコッコドールの登場に始まり、ひとり苦悩するアインズ様、
ナーべちゃんに指示するアインズ様に、セバスの活動描写などなど、
みどころいっぱいの神回でした。今後の展開が益々楽しみです。

また、不死者のoh!は「おしえて!アインズさま まんがで覚えることわざ」と題して、
なんと、クレマンティーヌもびっくり!!クレマンちゃんが大活躍!!
19個のことわざひとつひとつに、クレマンちゃんが一言コメントしてくれてます♪
クレマンちゃんの爆笑コメントが、まさに怒涛の嵐状態で今回は超神回決定ですネ!

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/28(土) 01:10:02.42 ID:QsKVHuC/0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (23)

そんな辛そうな老人の顔が、

あまりにもキモかったんで、

もう見たくなくなっちゃったわ。

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/28(土) 01:11:00.23 ID:QsKVHuC/0.net
あたしは双眼鏡から目を離すと、

キョロ充みたいに、あたりを

キョロキョロ見回したの。

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/28(土) 01:11:49.53 ID:QsKVHuC/0.net
すると、それはやっぱり、

淋しい夜の電車の中で、

写真を掲げているジジイもそのまんま。

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/28(土) 01:12:33.53 ID:QsKVHuC/0.net
窓の外は真っ暗闇だし、

単調な車輪の響きも、

変わりなく聞こえていたわ。

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/28(土) 01:13:16.99 ID:QsKVHuC/0.net
あたしはなんか悪い夢から

目が覚めたような感じだったの。

「あなた様は不思議そうな顔をしてますな」

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/28(土) 01:14:16.94 ID:QsKVHuC/0.net
ジジイは写真を元の窓のところへ立てかけて、

席につくと、あたしにも向かいの席につくように、

手招きしながら、あたしの顔を見ながらそんなことを言ったわ。

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/29(日) 22:49:00.05 ID:Z3tTcXMr0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (24)

「あたしの頭が、ちょぴし、

 イカレチンポ…じゃなかった、

 イカレポンチになっちゃったみたい」

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/29(日) 22:50:03.09 ID:Z3tTcXMr0.net
「それにしても、今夜は、

 やけに蒸すわねぇ…」

あたしは照れ隠しみたいな挨拶をしたの。

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/29(日) 22:50:54.28 ID:Z3tTcXMr0.net
すると、ジジイは、

猫背の姿勢から、いきなりググっと、

あたしのほうへ顔を近寄せてきたわ。

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/29(日) 22:51:42.27 ID:Z3tTcXMr0.net
それからジジイは、膝の上で細長い指を、

ポール牧みたいに指パッチンしながら、

ささやくように、こう言ったの。

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/29(日) 22:52:28.10 ID:Z3tTcXMr0.net
「あれらは、生きておりましたろう…」

そして、さも一大事を打ち明けるかのように、

さらに猫背になって、目をぎらつかせながら、

あたしの顔をじっと見つめながら、さらにこう言ったの。

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/29(日) 22:53:37.84 ID:Z3tTcXMr0.net
「あなたは、あれらの、

 本当の身の上話を

 聞きたいとは思いませんか?」

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/30(月) 22:10:43.68 ID:8OyO9P8D0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (25)

あたしは、電車の音や振動のせいで、

ジジイの聞きづらいつぶやき声を、

聞き違えたのかと思ったの。

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/30(月) 22:11:33.62 ID:8OyO9P8D0.net
そんでジジイに聞き返したわ。

「身の上話って、

 なんのこっちゃ?」

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/30(月) 22:12:19.48 ID:8OyO9P8D0.net
「身の上話は、

 身の上話でございますよ」

ジジイはまた聞きづらい声で答えたわ。

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/30(月) 22:13:05.25 ID:8OyO9P8D0.net
「特に、白髪の老人の

 身の上話をで、ございますよ」

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/30(月) 22:14:02.40 ID:8OyO9P8D0.net
「それは、若い頃からの話なの?」

あたしもジジイに乗せられて、

そんなことを口走っちゃったわ。

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/30(月) 22:15:15.35 ID:8OyO9P8D0.net
「はい、あれが25歳の時の、

 お話でございますよ」

「んじゃ、聞いてあげてもいいわよん」

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/31(火) 22:48:32.97 ID:XEYw14MD0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (26)

あたしは、ごく普通の生きている人間の

身の上話でも聞かせてもらうような、

軽い気持ちで答えたの。

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/31(火) 22:49:36.93 ID:XEYw14MD0.net
するとジジイは欣喜雀躍して、こう言ったわ。

「ああ!あなたはやっぱり、

 聞いてくださいますね」

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/31(火) 22:50:29.46 ID:XEYw14MD0.net
そして、ジジイは、

次のようなキモくてへんてこな

物語を語り始めたのよ。

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/31(火) 22:51:22.61 ID:XEYw14MD0.net
「それはもう、あなた、

 生涯の大事件ですから、

 よく記憶しておりますですよ」

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/31(火) 22:52:09.66 ID:XEYw14MD0.net
ジジイが言うことには、

どうやら写真の老人は、

ジジイの兄貴みたいなのよね。

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/10/31(火) 22:53:14.70 ID:XEYw14MD0.net
だって、ジジイが「兄が」と言うたびに、

まるでそこに人でも座っているかのように、

写真の老人の方に目をやったり、指差したりするんだもん。

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/04(土) 21:47:36.15 ID:GcQ37HTA0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (27)

ジジイは、ほんとうの兄貴と、

写真の老人とをごっちゃにして、

写真の老人に話しかけるみたいに話してたわ。

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/04(土) 21:53:27.16 ID:GcQ37HTA0.net
不思議なことなんだけど、

あたしは、そのことに、

少しもおかしいとは感じなかったの。

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/04(土) 21:58:16.96 ID:GcQ37HTA0.net
もしかしたら、そのときの

あたしたちは、異次元の世界に

飛ばされていたかもしれないわね。

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/04(土) 22:00:46.27 ID:GcQ37HTA0.net
そして、ジジイは、「兄貴」について、

奇妙な話を語り始めたわ。

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/04(土) 22:03:09.60 ID:GcQ37HTA0.net
「兄が双眼鏡を手に入れてから、

 兄の身に妙なことが起こり始めました」

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/04(土) 22:05:56.48 ID:GcQ37HTA0.net
「親父なんかは、兄が気でも狂ったのかと、

 ひどく心配しておりましたが、私も、

 兄のへんてこなそぶりが心配でたまりませんでした」

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/05(日) 23:16:46.39 ID:glree2+j0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (28)

「どんなふうにへんてこだったかというと、

 兄は、ご飯もろくに食べず、

 家族の者とも一切口をききません」

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/05(日) 23:17:52.24 ID:glree2+j0.net
「そして、自分の部屋に閉じこもって、

 体は痩せていき、顔色も悪く、

 目玉だけがギョロリと光ってます」

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/05(日) 23:18:39.73 ID:glree2+j0.net
「まあ、もともと兄は顔色が

 いいほうではありませんでしたが、

 それがますます悪くなっていったのです」

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/05(日) 23:19:26.72 ID:glree2+j0.net
「そのくせ、兄は、まるでサラリーマンのように、

 毎日、昼過ぎの決まった時刻に外出して、

 夕刻の決まった時刻に帰宅するのでした」

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/05(日) 23:20:10.30 ID:glree2+j0.net
「毎日どこに出掛けているのかを

 兄に何度も尋ねても、

 いっこうに教えてくれません」

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/05(日) 23:21:37.62 ID:glree2+j0.net
「心配した母親も、兄に悩み事などないのかと、

 いろいろたずねてみても全くらちがあきません。

 そんな状況が、約1ヶ月ぐらい続いたのでした…」

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/06(月) 23:51:02.59 ID:3gECD7IG0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (29)

「ある日、兄が、とびきりオシャレして、

 そうそう、この双眼鏡を持って、

 いそいそと出掛けて行ったのです」

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/06(月) 23:51:49.87 ID:3gECD7IG0.net
「私は、母親からあとをつけていくよう、

 言われていましたから、

 こっそり兄を尾行して行きました」

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/06(月) 23:52:34.48 ID:3gECD7IG0.net
「その日も今日のような

 どんよりとした

 嫌な天気でした」

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/06(月) 23:53:23.75 ID:3gECD7IG0.net
「兄は大通りまで出ると、

 突然、ヒョイと、

 タクシーに乗り込んだのです」

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/06(月) 23:54:09.33 ID:3gECD7IG0.net
「私も慌てて、タクシーを拾って、

 おい運ちゃん、前のタクシー追ってくれって、

 よくテレビドラマでみかけるような追跡をしたのです」

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/06(月) 23:55:32.97 ID:3gECD7IG0.net
「そして、兄は繁華街の片隅にある

 とある雑居ビルの前で、

 タクシーを降りたのでした…」

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/07(火) 23:26:17.06 ID:PlvIEzZs0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (30)

「その雑居ビルというのが、

 まあお嬢さんの前で言うのもなんですが、

 たいそう如何わしい店が集っているようなビルでした」

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/07(火) 23:27:04.51 ID:PlvIEzZs0.net
「人妻専門ソープとか、

 怪しいエステサロンとか、

 花びら大回転の店とか…」

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/07(火) 23:27:47.93 ID:PlvIEzZs0.net
「裏DVD専門店とか、

 本物JKブルセラショップとか、

 素人専門の風俗店とか…」

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/07(火) 23:28:29.83 ID:PlvIEzZs0.net
「兄が毎日こんなところに

 入り浸っていたとは…。

 私は、ある意味ショックを受けました」

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/07(火) 23:29:11.42 ID:PlvIEzZs0.net
「雑居ビルに入っていく兄に

 気づかれないように注意して、

 私も雑居ビルに入っていきました」

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/07(火) 23:30:23.12 ID:PlvIEzZs0.net
「兄はエレベーターを使わずに、

 非常階段のようならせん状の階段を

 どんどん上って行ったのです…」

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/08(水) 21:58:43.64 ID:EoJODzxK0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (31)

「兄は階段を上り続けたあげく、

 とうとうビルの屋上まで、

 上りきってしまったのです」

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/08(水) 21:59:31.15 ID:EoJODzxK0.net
「そのビルは12階建てで、 しかも、

 街外れにあったため、あたりに遮る建物も無く

 屋上からの見晴らしは最高でした」

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/08(水) 22:00:19.92 ID:EoJODzxK0.net
「近くの繁華街の賑わいから、

 遠くの港町や海岸沿いの装いまで、

 周囲一帯を見渡せるほどでした」

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/08(水) 22:01:10.93 ID:EoJODzxK0.net
「屋上には、既に数人の先客がいて、

 景色を眺めながら、なにやら、

 雑談に興じておりました」

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/08(水) 22:01:57.95 ID:EoJODzxK0.net
「兄は、それらの人々からは、

 離れた位置に陣取って、

 双眼鏡で山の手の教会の方を見ていました」

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/08(水) 22:03:24.45 ID:EoJODzxK0.net
「ビルの屋上から双眼鏡を覗く兄の姿は、

 妙にきまっていて格好良く、神々しささえ感じられ、

 弟の私でさえ、何か声を掛けづらい雰囲気を醸し出していました」

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/09(木) 22:37:00.94 ID:30ByJvgb0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (32)

「そうは言っても、

 母からのいいつけもありますし、

 いつまでもこうしているわけにもいきません」

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/09(木) 22:38:10.05 ID:30ByJvgb0.net
「私は勇気を出して、

 ゆっくり背後から、

 兄に近づいていきました」
 

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/09(木) 22:39:16.45 ID:30ByJvgb0.net
「私は兄の背中越しに、

 兄さん、ここで何をしてるんですか?

 と、声を掛けてみたのです」

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/09(木) 22:40:05.56 ID:30ByJvgb0.net
「兄はビクッと驚いて、

 振り向きざまに私の顔を見ましたが、

 気まずい顔をして何も言いません」

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/09(木) 22:40:44.10 ID:30ByJvgb0.net
「私は兄に、

 兄さんの最近の様子を、

 家族みんなが心配していることを伝えました」

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/09(木) 22:42:06.64 ID:30ByJvgb0.net
「そして、改めて、

 毎日毎日、こんなところまで来て、

 いったい何をしているのかを問い詰めてみました」

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/10(金) 23:39:56.84 ID:vlVqPkoi0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (33)

「兄は、なかなか打ち明けてくれませんでしたが、

 私が繰り替えし繰り返し頼むものですから、

 ついに根負けして、重い口を開きました」

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/10(金) 23:40:46.21 ID:vlVqPkoi0.net
「兄は1ヵ月ほどまえに、

 エッチな店をお目当てに、

 この雑居ビルに来ました」

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/10(金) 23:41:30.00 ID:vlVqPkoi0.net
「ところが、店に入る前に、

 兄は財布を忘れていることに

 気がついて、さあ大変」

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/10(金) 23:42:20.85 ID:vlVqPkoi0.net
「やむを得ず、兄は、

 しぶしぶエッチな店への

 入店を断念しました」

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/10(金) 23:43:03.17 ID:vlVqPkoi0.net
「しかし、せっかくここまで来たのに、

 ただ帰るのも、しゃくなので、

 しばらくビルの中をうろうろしていました」

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/10(金) 23:44:11.46 ID:vlVqPkoi0.net
「そうているうちに兄は屋上まで上ってきました。

 屋上には誰もいませんでしたが、誰かが

 忘れていったのか、双眼鏡が落ちていました…」

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/11(土) 23:43:41.97 ID:U0sgKVvj0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (34)

「兄は、あたりに誰もいなかったことをいいことに、

 その双眼鏡を勝手に拝借して、

 さっそく屋上からの景色を楽しみました」

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/11(土) 23:44:44.00 ID:U0sgKVvj0.net
「兄が教会のあたりの

 人ごみを眺めていたとき、

 ふと、ひとりの少女に目が留まりました」

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/11(土) 23:45:31.77 ID:U0sgKVvj0.net
「その少女は、年のころなら16〜7才、

 容姿は、それはもうこの世のものとは思えない、

 超絶美少女だったそうです」

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/11(土) 23:46:19.85 ID:U0sgKVvj0.net
「日頃、女にはいっこう冷淡であった兄も、

 そのとき見た美少女だけには、

 すっかり心を奪われてしまいました」

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/11(土) 23:47:09.72 ID:U0sgKVvj0.net
「あまりにも、どストライクな衝撃に、

 兄はビックリして、思わず、

 双眼鏡から目を離してしまいました」

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/11(土) 23:48:21.30 ID:U0sgKVvj0.net
「兄は慌てて、再び双眼鏡でその美少女を探しましたが、

 かなり距離の離れた場所で、しかも人ごみの中では、

 お目当ての美少女は、そう簡単には見つかりません…」

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/13(月) 01:54:48.80 ID:rC5AJv2T0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (35)

「それからというもの、

 兄は、この美少女が忘れられず、

 すっかりとりこになってしまいました」

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/13(月) 01:55:44.77 ID:rC5AJv2T0.net
「ばかばかしいと思うでしょうが、

 ひと目会ったその日から、

 恋が芽生えることもあるのです」

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/13(月) 01:56:23.99 ID:rC5AJv2T0.net
「見知らぬ美少女でも、

 双眼鏡が取り持つ

 縁もあるのです」

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/13(月) 01:57:15.43 ID:rC5AJv2T0.net
「恋わずらいをした兄は、

 ご飯も喉を通らないほどの

 重症でした」

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/13(月) 01:58:03.01 ID:rC5AJv2T0.net
「またあのビルの屋上に上って、

 山の手の教会の辺りを見張っていれば、

 あの美少女に会えるかも知れない」

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/13(月) 01:59:29.84 ID:rC5AJv2T0.net
「そう考えた兄は、

 不憫にも、毎日せっせと、

 ビルの屋上通いに励んだのでした…」

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 01:26:59.04 ID:2E4UP1o10.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (36)

「人生って〜、ていうか、

 恋というものは、

 まことに不思議なものですね」

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 01:27:49.54 ID:2E4UP1o10.net
「兄は、ひととおりの顛末を

 私に打ち明けてしまうと、

 再び双眼鏡で美少女を探しはじめました」

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 01:28:51.84 ID:2E4UP1o10.net
「私は、すっかり兄に同情してしまい、

 もう馬鹿な真似はやめさい、

 などとは言えませんでした」

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 01:29:38.22 ID:2E4UP1o10.net
「むしろ、逆に、

 兄の絶望的な片思いを

 応援したくなりました」

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 01:30:40.35 ID:2E4UP1o10.net
「双眼鏡を覗きながら、

 必死になって美少女を

 探している兄の後姿…」

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 01:32:28.03 ID:2E4UP1o10.net
「そんな兄の姿を見ていたとき、

 突然、色とりどりの多くの風船が、

 兄の周りに浮いてきたのでした…」

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 23:29:36.61 ID:2E4UP1o10.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (37)

「これはいったい何事かと思い、

 私は急いで下を見たところ、

 風船業者が誤って飛ばしたようでした」

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 23:30:26.57 ID:2E4UP1o10.net
「しかし、その幻想的な光景は、

 なにかの前兆みたいな気がして、

 私はなんともいえない気持ちになりました」

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 23:31:13.27 ID:2E4UP1o10.net
「不思議なことに、そのことがきっかけになったのかは、

 定かではありませんが、ちょうどその時、

 兄が興奮した様子で、わたしのところへ来たのです」

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 23:31:53.93 ID:2E4UP1o10.net
「兄は、私の手を取るなり、

 さあ、行こう!早く行かねば間に合わん!

 などと言い出したのです」

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 23:32:40.60 ID:2E4UP1o10.net
「どうやら、奇跡的に

 お目当ての美少女を

 見つけたらしいのです」

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/14(火) 23:33:56.87 ID:2E4UP1o10.net
「兄が見つけたというその場所は、

 山の手の教会の近くにある

 電話ボックスの中でした…」

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/15(水) 22:28:34.73 ID:j3Qh1Rlw0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (38)

「私と兄が、その電話ボックスまで

 行ってみましたところ、もう既に、

 そこには美少女の姿はありませんでした」

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/15(水) 22:30:00.91 ID:j3Qh1Rlw0.net
「そのときの兄の落胆した姿が、

 あまりにも不憫でならなかった私は、

 兄と手分けして美少女を探しました」

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/15(水) 22:31:22.54 ID:j3Qh1Rlw0.net
「私は、教会をはじめ、あたりの

 喫茶店やタバコ屋、ラーメン屋から

 コンビニまで尋ねまわりました」

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/15(水) 22:32:19.95 ID:j3Qh1Rlw0.net
「しかし、どこへ行っても、

 それらしき美少女の情報は、

 ゲットすることができませんでした」

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/15(水) 22:33:15.03 ID:j3Qh1Rlw0.net
「仕方なく、元の電話ボックスまで

 戻ってきますと、なんと兄が、

 その電話ボックスの中に入ってました」

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/15(水) 22:34:31.28 ID:j3Qh1Rlw0.net
「兄は、電話ボックスの中で、

 不法に貼られている風俗チラシを

 やたら熱心に見つめていたのです…」

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/16(木) 22:20:48.82 ID:n/oYo05M0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (39)

「いくらお目当ての美少女が

 見つからないといっても、

 電話ボックスの風俗チラシで

 はぁはぁしているなんて…」

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/16(木) 22:22:32.42 ID:n/oYo05M0.net
「兄のそんな姿を

 目の当たりにして、

 私はしばし呆然としました」

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/16(木) 22:23:31.37 ID:n/oYo05M0.net
「また、先程まで、美談のように

 感じられた兄の美少女への片思いも、

 なんだか急に馬鹿馬鹿しく思えてきました」

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/16(木) 22:24:14.35 ID:n/oYo05M0.net
「私は電話ボックスのドアを開けて、

 兄に、中学男子じゃあるまいし、

 そんなみっともないことは止めるように注意しました」

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/16(木) 22:25:02.02 ID:n/oYo05M0.net
「ところが兄は、お前は何を勘違いしているのだ!

 私たちが探している美少女が、ここにいるのだ!

 そう私に言ったではありませんか」

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/16(木) 22:26:09.73 ID:n/oYo05M0.net
「なんと!兄が見たと言う美少女が、

 ストリップ劇場のピンクチラシのモデルとして、

 あられもない姿を晒していたのでした…」

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/17(金) 23:34:24.76 ID:s2y81JRZ0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (40)

「そのストリップ劇場のチラシを

 よく見てみると、不思議なことに劇場名が、

 書いてありませんでした」

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/17(金) 23:35:26.27 ID:s2y81JRZ0.net
「劇場名が書いてないなんて、

 広告チラシとしては、

 最低じゃないか…」

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/17(金) 23:36:44.22 ID:s2y81JRZ0.net
「いったい場所は何処かと、

 住所を探したところ、

 所在地も記載されていません」

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/17(金) 23:37:41.95 ID:s2y81JRZ0.net
「所在地が書いてないなんて、

 広告チラシとしては、

 最低じゃないか…」

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/17(金) 23:38:28.79 ID:s2y81JRZ0.net
「まあ、とりあえず電話してみようと、

 今度は電話番号を探してみたところ、

 なんと、電話番号も書いてありませんでした」

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/17(金) 23:40:02.47 ID:s2y81JRZ0.net
「電話番号が書いてないなんて、

 広告チラシとしては、

 最低じゃないか…」

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/18(土) 23:27:43.99 ID:veZOsulg0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (41)

「それにしても、なんなんだ?
 
 ストリップ劇場のチラシの癖に、 

 劇場名も住所も電話番号も載せないなんて」

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/18(土) 23:28:37.91 ID:veZOsulg0.net
「ん?ストリップ劇場?

 よくよくチラシを見てみたら、チラシには、

 ストリップ劇場のスの字も書いてないぞ」

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/18(土) 23:29:21.22 ID:veZOsulg0.net
「う〜ん…私は何で、

 このチラシを見たときに、

 ストリップ劇場のチラシだと、

 わかったのだろうか? 」

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/18(土) 23:30:04.53 ID:veZOsulg0.net
「兄はそんな私を見て、さっきからお前は何を

 訳のわからないことを言っているのだ!

 と、言ってから、私の腕をギュッと掴みました」

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/18(土) 23:31:00.59 ID:veZOsulg0.net
「それから兄は、私に双眼鏡を手渡すと、

 その双眼鏡を逆さまにして、私に兄の姿を

 見てくれないかと頼んできたのです」

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/18(土) 23:32:15.25 ID:veZOsulg0.net
「私は、兄のこの素っ頓狂なお願いに、

 なぜですか?って、たずねてみましたが、

 兄は、まあ、いいから、そうしてくれ、

 と、言って聞かないのでした…」

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/19(日) 23:54:56.25 ID:CoIoZWTI0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (42)

「兄から双眼鏡を逆さまに覗いてくれ、

 そう頼まれても、私はなんだか

 気が進みませんでした」

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/19(日) 23:55:42.93 ID:CoIoZWTI0.net
「と、言うのも、私は子供の頃から、

 望遠鏡・双眼鏡・顕微鏡等の類は、

 覗くのが苦手だったのです」

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/19(日) 23:56:27.35 ID:CoIoZWTI0.net
「それはなぜかというと、子供の頃、

 とある観光地で望遠鏡を覗いたとき、

 レンズに虫が止まったことがあったのです」

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/19(日) 23:57:10.59 ID:CoIoZWTI0.net
「いきなり目の前に巨大昆虫が飛び込んできた

 そのショックは、幼い私の心に強烈な

 トラウマとなって残ってしまったのでした」

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/19(日) 23:57:54.40 ID:CoIoZWTI0.net
「それ以来、私は、望遠鏡の類を覗くことは、

 極力避けていたものですから、このときも、

 はじめは兄の申し出を断わってました」

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/19(日) 23:59:21.28 ID:CoIoZWTI0.net
「しかし、兄があまりにもしつこく頼むものですから、

 私はとうとう根負けして、兄のいうとおり、

 逆さまにした双眼鏡で兄の姿を覗いてみたのでした…」

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/20(月) 23:20:33.77 ID:hPXai+wS0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (43)

「大の男が、双眼鏡を逆さまに

 覗いていて、しかも視線の先が、

 実の兄だという…」

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/20(月) 23:21:27.62 ID:hPXai+wS0.net
「なんとも馬鹿馬鹿しい話です。

 周りの人も見ていたら、

 きっと呆れているに違いない」

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/20(月) 23:22:29.07 ID:hPXai+wS0.net
「そう思いつつ、私は、

 逆さまにした双眼鏡で、

 兄を覗いていました」

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/20(月) 23:23:12.22 ID:hPXai+wS0.net
「2〜3メートル先に立っている兄の姿は、

 双眼鏡を逆さにして覗いているせいで、

 その姿は2〜3センチぐらいでした」

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/20(月) 23:24:03.61 ID:hPXai+wS0.net
「小さくなった兄の姿は、

 小さいだけに、ハッキリと、

 薄闇の中に浮き出して見えました」

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/20(月) 23:25:08.20 ID:hPXai+wS0.net
「他の景色は何もうつらないで、

 小さくなった兄の洋服姿だけが、

 双眼鏡の真ん中にチンと立っているのです…」

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/21(火) 22:37:41.48 ID:HJeKQFNT0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (44)

「双眼鏡を逆さまにして、

 兄の姿を覗いているとき、

 突然、兄が後ずさりしました」

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/21(火) 22:38:31.26 ID:HJeKQFNT0.net
「兄の姿は、益々小さくって、

 約1センチぐらいの指人形みたいな、

 可愛らしい姿になってしまいました」

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/21(火) 22:39:13.37 ID:HJeKQFNT0.net
「そして、その姿が、スーッと宙に浮いたかと思うと、

 アッという間に、闇の中へ溶け込んでしまい、

 跡形も無く消えてしまったのです」

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/21(火) 22:39:57.55 ID:HJeKQFNT0.net
「笑われるかもしれませんが、

 私はその光景に背筋も凍るような、

 この世のものとは思えぬ恐怖を感じました」

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/21(火) 22:40:48.39 ID:HJeKQFNT0.net
「私は慌てて双眼鏡を目から離して、

 消えてしまった兄の姿を探しましたが、

 兄の姿はどこにもありません」

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/21(火) 22:42:43.62 ID:HJeKQFNT0.net
「ほんの一瞬の出来事ですし、

 場所はビルの屋上ですから、

 辺りに隠れる場所など無いのですが…」

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/22(水) 22:55:03.04 ID:kbsaUnor0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (45)

「その後、私はあたり周辺、

 必死になって兄を探しましたが、

 兄はどこにもいませんでした」

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/22(水) 22:55:52.04 ID:kbsaUnor0.net
「信じられない話ですが、

 その瞬間から、

 兄はこの世から消えてしまいました」

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/22(水) 22:56:32.87 ID:kbsaUnor0.net
「もともと双眼鏡の類が

 嫌いだった私ですが、

 この日から益々嫌いになりました」

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/22(水) 22:57:16.44 ID:kbsaUnor0.net
「特に双眼鏡を逆さまに覗くことは、

 何かとんでもないようなことか起きそうで、

 もう二度と覗くまいと心に誓ったほどでした」

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/22(水) 22:58:01.31 ID:kbsaUnor0.net
「ですから、あなたがさきほど双眼鏡を

 逆さまに覗こうとしたとき、私が慌てて

 止めたのは、そういうわけだったのです」

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/22(水) 22:59:08.81 ID:kbsaUnor0.net
「兄を探し回っていた私が、

 最後にたどり着いたところは、

 あの電話ボックスでした…」

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/23(木) 04:59:12.58 ID:IpcJKgpl0.net
コレモンティーヌ

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/23(木) 22:23:22.83 ID:NljnTLh60.net
カワユイティーヌ

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/23(木) 22:24:25.67 ID:NljnTLh60.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (46)

「電話ボックスにたどり着いた私は、

 ふと、兄が消えてしまったことについて、

 とある恐るべき仮説を思いついたのです」

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/23(木) 22:25:12.46 ID:NljnTLh60.net
「その恐るべき仮説とは、

 兄がチラシの中の美少女に、

 恋焦がれるあまりにとりこになってしまったとか…」

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/23(木) 22:25:58.34 ID:NljnTLh60.net
「つまり兄は、双眼鏡の魔力を借りて、

 自分もチラシの美少女同様、

 二次元キャラになってしまったとか…」
 

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/23(木) 22:26:45.92 ID:NljnTLh60.net
「私は恐る恐る、

 電話ボックスの

 チラシを見てみました」

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/23(木) 22:27:53.12 ID:NljnTLh60.net
「果たして、兄は、

 まぎれもなくチラシの中に

 いたではありませんか!」

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/23(木) 22:29:11.02 ID:NljnTLh60.net
「なんと、兄は、よほど辛抱たまらんかったのか、

 あられもない姿の美少女の背後に回って、

 美少女をバックからガンガン責めていたのです…」

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/24(金) 08:26:19.04 ID:X7otW1H10.net
くれまんたそ

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/24(金) 22:01:33.14 ID:Xrw6J/PT0.net
くれまんたん

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/24(金) 22:02:31.46 ID:Xrw6J/PT0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (47)

「私は、電話ボックスに貼られているエロチラシに

 なってしまった兄の姿を見ても、不思議なことに

 ちっとも悲しくなんかありませんでした」

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/24(金) 22:03:19.03 ID:Xrw6J/PT0.net
「むしろ逆に、好きな女と

 エッチする事ができた兄が、

 うらやましくもありました」

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/24(金) 22:04:01.49 ID:Xrw6J/PT0.net
「事実、チラシの中の兄の顔は、

 なんとも幸せそうに満ち足りた

 まさに、この世の春といった感じでした」

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/24(金) 22:04:52.01 ID:Xrw6J/PT0.net
「私は兄のチラシを電話ボックスから

 丁寧にはがすと、それを胸のポケットに

 大切に仕舞いました」

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/24(金) 22:06:05.02 ID:Xrw6J/PT0.net
「さて、問題は、このことを

 両親にどう説明すればよいのか?

 ありのまま話してよいものなのか?」

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/24(金) 22:07:09.67 ID:Xrw6J/PT0.net
「まともに話したところで、

 信じてもらえるはずなど無いし、

 私は困り果ててしまいした…」

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/25(土) 23:49:44.10 ID:sV/GVh5o0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (48)

「私は悩んだ挙句、

 今まで見てきたことを

 両親に打ち明けました」

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/25(土) 23:50:36.12 ID:sV/GVh5o0.net
「しかし、両親は全く信じてくれません。

 それどころか、私の気が狂ったとか、

 ふざけるなとか、踏んだり蹴ったりですよ」

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/25(土) 23:51:19.42 ID:sV/GVh5o0.net
ジジイはそこまで話し終えると、

さぞ滑稽とでも言いたげに、

ガハハ、と笑い出したわ。

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/25(土) 23:52:15.28 ID:sV/GVh5o0.net
あたしはジジイの話が、

あまりにも長かったので、

退屈で途中寝ちゃってたわ。

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/25(土) 23:53:03.11 ID:sV/GVh5o0.net
だからジジイのガハハが

目覚まし代わりになって、

あたしは眼を覚ましたの。

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/25(土) 23:53:59.15 ID:sV/GVh5o0.net
んでもって、あたしも適当に

話を合わせようと思って、

一緒になってゲラゲラ笑ってあげたのよ。

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/25(土) 23:55:33.46 ID:sV/GVh5o0.net
本日発売のコンプエース1月号のオーバーロード32話も面白かった!
話の進展はあまりないものの、全編セバス回で渋かった。
また不死者のoh!は、ハムスケ回で、こちらも面白かったです。

不死者のoh!は、来年1月10日に待望の単行本1巻が発売決定!
同日には、オーバーロード公式コミックアラカルトも発売決定!
来月26日発売の本編8巻と合わせて超楽しみです。

さらに来年1月にはアニメ2期も放送開始!
コンプエースも表紙&巻頭カラー特集と読み応え満載!
今後もオーバーロードから益々目が離せませんネ♪

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/26(日) 05:23:55.31 ID:e+FFw47x0.net
ヌレマンティーヌ

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/26(日) 23:14:43.49 ID:QNgZ9tIR0.net
アゲマンティーヌ

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/26(日) 23:15:40.70 ID:QNgZ9tIR0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (49)

あたしがジジイに同調して、ゲラゲラ笑ってあげたのが、

よっぽど嬉しかったのか、ジジイは調子に乗って、

さらに、そのあとも語りだしたのよ。

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/26(日) 23:16:28.26 ID:QNgZ9tIR0.net
「家族のものたちは、

 人間がチラシになるなど、

 考えられないんですよ」

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/26(日) 23:17:09.76 ID:QNgZ9tIR0.net
「かといって、チラシそのものは、

 あまりにもハレンチ過ぎて、

 とても両親には見せられません」

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/26(日) 23:17:52.16 ID:QNgZ9tIR0.net
「とにもかくにも兄が

 チラシになった証拠に、

 兄はこの世から消えてしまったのですから」

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/26(日) 23:18:35.50 ID:QNgZ9tIR0.net
「しかし両親や家族の者たちは、

 家出したのだなんぞと、

 見当はずれなことを言うのです」

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/26(日) 23:19:38.69 ID:QNgZ9tIR0.net
「結局、私は誰にも信じてもらえず、

 仕方なくチラシを携えて旅行に出掛けました。

 無論それは、兄に新婚旅行をさせてやりたかったからです…」

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/27(月) 23:05:17.53 ID:HO/xQMUr0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (50)

「こうして電車に乗っていると、

 兄と美少女との新婚旅行を

 思い出します」

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/27(月) 23:06:07.66 ID:HO/xQMUr0.net
「あのときも今回と同じように、

 兄と美少女のチラシを

 フォトフレームに入れてました」

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/27(月) 23:06:57.57 ID:HO/xQMUr0.net
「そして、こうやって電車の窓際に、

 フォトフレームを立てかけて、

 兄と美少女に景色を見せてやりました」

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/27(月) 23:07:52.47 ID:HO/xQMUr0.net
「ご覧のように、チラシの中の

 兄と美少女は、今まさに、

 セックスの真っ最中です」

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/27(月) 23:08:49.50 ID:HO/xQMUr0.net
「つまり、公共の電車の中で、

 車窓の雄大な景色を眺めながら

 兄は好きな人とエッチしているわけです」

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/27(月) 23:09:49.36 ID:HO/xQMUr0.net
「兄にとって、これ以上の幸せで、

 かつ気持ちイイことは、おそらく

 ないと思われますよ」

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/28(火) 22:42:15.99 ID:yr8z1CsF0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (51)

「また、美少女のほうも、

 兄の愛情を常に注ぎ込まれて、

 これほどの幸せはありますまい」

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/28(火) 22:43:09.28 ID:yr8z1CsF0.net
「兄からバックからガンガン責められて、

 女の幸せを満喫しているといった、

 実に気持ちよさそうな顔をしています」

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/28(火) 22:43:55.14 ID:yr8z1CsF0.net
「あの新婚旅行の日から、

 早いもので今年でついに、

 50年目を迎えました」

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/28(火) 22:44:46.77 ID:yr8z1CsF0.net
「そこで、金婚式のお祝いに、

 兄と美少女を新婚旅行の

 再現旅行に連れ出したわけです」

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/28(火) 22:45:31.32 ID:yr8z1CsF0.net
「美少女は元々チラシの中の存在ですので、

 いつまでも若いまんまですが、兄の方は生身の人間ですから、

 チラシの中でも毎年、毎年、年齢を重ねていってるのです」

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/28(火) 22:46:44.32 ID:yr8z1CsF0.net
「結婚した当時、兄は23歳の美青年でしたが、

 あれから50年経ちましたので、そんな兄も

 いまや73歳のよぼよぼの老人なのですよ…」

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/30(木) 20:49:17.41 ID:D7bsb69B0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (52)

「ああ、時の流れとは、

 いかに残酷なもの

 なのでありましょうか」

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/30(木) 20:50:18.66 ID:D7bsb69B0.net
「せっかく結ばれたというのに、

 愛する人は美少女のままなのに、

 自分だけが老いて醜くなるなんて…」

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/30(木) 20:51:01.46 ID:D7bsb69B0.net
「ご覧のように兄の顔は、

 なんとも切なげで苦しそうです。

 数年前からこんな顔になってしいました」

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/30(木) 20:51:51.42 ID:D7bsb69B0.net
「私はそれを思うと、

 兄のことが気の毒で、

 仕方ありませんですよ」

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/30(木) 20:52:47.80 ID:D7bsb69B0.net
ジジイはそう言うと、

あらためてしみじみと、

フォトフレームを眺めていたわ。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/11/30(木) 20:54:01.69 ID:D7bsb69B0.net
まあ、そんなこと言われても、

あたしには縁もゆかりも無い人だし、

どうでもいいことなのよねえ…。

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/01(金) 20:58:50.97 ID:AzWPPhOe0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (53)

そして、しばらくしてから、

ジジイは、ふと気がついたように、

ふたたび語りだしたわ。

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/01(金) 20:59:38.21 ID:AzWPPhOe0.net
「ああ、とんだ長話をしてしまいました。

 しかし、あなたにはお分かりいただけた

 のではないでしょうか」

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/01(金) 21:00:26.07 ID:AzWPPhOe0.net
「他の人達に話すたびに、

 皆さん私のことを

 キチガイ扱いするのです」

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/01(金) 21:01:17.26 ID:AzWPPhOe0.net
「でも、私には感じるのですよ。

 あなたは普通の人とは違う 

 特別な感性の持ち主だということを…」

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/01(金) 21:02:06.83 ID:AzWPPhOe0.net
「兄さんもあなたのような人に

 話を聞いてもらえて、さぞかし

 喜んでいることでしょう」

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/01(金) 21:03:14.90 ID:AzWPPhOe0.net
「ずうずうしいお願いですが、

 出来ますれば、あなたからも

 兄夫婦に金婚式のお祝いの言葉など、

 かけてもらえませんでしょうか?」

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/02(土) 22:34:59.41 ID:/I+spdBb0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (54)

このジジイ、なに調子こいてんだ?

くそつまんね長話聞かせてんじゃねーぞ。

まあ、あたしも半分寝てたけどね。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/02(土) 22:35:46.93 ID:/I+spdBb0.net
あたしは、そんなことを思っていたんだけど、

そんなとき、あるひとつの名案が浮かんだのよ。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/02(土) 22:36:34.93 ID:/I+spdBb0.net
あたしは、その名案を実行するために、

とりあえずジジイに提案してみたわ。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/02(土) 22:37:25.60 ID:/I+spdBb0.net
「あら、あたしなんかが、お兄さんと

 お話してもいいのかしら?

 じゃあせっかくだから、お話しちゃおうかな」

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/02(土) 22:38:11.79 ID:/I+spdBb0.net
「でも、フォトフレームのガラス越しっていうのが、

 ちょっと気になっちゃうわねえ。出来れば、

 そこから出して、直接お話させてくんないかなぁ…」

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/02(土) 22:39:16.34 ID:/I+spdBb0.net
ジジイは、あたしの提案を聞いて、

ちょっと困ったような顔をしていたけど、

やがて意を決したように、こう言ったわ。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/03(日) 23:32:36.59 ID:cIS2oJDZ0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (55)

「ここで、あなたにお会いしたのも何にかの縁。

 兄の金婚式というめでたいときでもありますし、

 是非、ひとつヨロシクお願いします」

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/03(日) 23:33:36.68 ID:cIS2oJDZ0.net
「ただ兄は、この姿になってから、

 私以外の人に話しかけられた

 ことがないのです…」

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/03(日) 23:34:36.92 ID:cIS2oJDZ0.net
「しかも、見ての通り兄は美少女と

 エッチしているところですから、

 見ず知らずの人から、いきなり

 話しかけられても、さぞ恥ずかしいことでしょう」

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/03(日) 23:35:26.22 ID:cIS2oJDZ0.net
「ですから、なるべくソフトに、

 ささやくような感じで、

 やさしく話しかけてください」

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/03(日) 23:36:32.40 ID:cIS2oJDZ0.net
「うん。わかったわよ〜ん。

 あたしが、やさしくして、ア・ゲ・ル!

 だから、とっとと、そこからチラシを出してちょうだい」

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/03(日) 23:38:07.84 ID:cIS2oJDZ0.net
そして、ジジイは、大事そうに

フォトフレームからチラシを出すと

そのチラシを、あたしに手渡してくれたわ。

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/04(月) 22:52:05.45 ID:j+wxnOCv0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (56)

あたしはジジイからチラシを受け取ると、

あらためて、そのチラシを観察したけど、

50年前のチラシにしては新しかったわ。

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/04(月) 22:53:32.30 ID:j+wxnOCv0.net
遠くから見たときもキモかったけど、

近くから見ても、やっぱりキモかったわね。

それにちょっと変な臭いもしたからマジキモよ。

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/04(月) 22:54:23.24 ID:j+wxnOCv0.net
ジジイから話してくれって頼まれてたから、

アホらしいとは思ったけど、とりあえず、 

あたしはチラシに向かって語りかけてみたの。

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/04(月) 22:55:18.06 ID:j+wxnOCv0.net
「ハーイ!そんなところで、

 イイことしているおにいさん、

 あたしはクレマンティーヌ、よろしくネ」

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/04(月) 22:56:01.47 ID:j+wxnOCv0.net
「で?

 あんたの

 名前は…?」

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/04(月) 22:57:14.26 ID:j+wxnOCv0.net
「おい!この人外、英雄の域に達している

 クレマンティーヌ様が挨拶してやってんのに、

 シカトたあいい度胸じゃん。ムカつくにも程があんぞ!」

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/05(火) 21:47:55.02 ID:entq2+k00.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (57)

あたしがチラシに怒鳴ったもんだから、

ジジイは慌てふためいて、

止めに入ってきたわ。

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/05(火) 21:48:49.29 ID:entq2+k00.net
「ダメです!ダメです!

 兄は大変デリケートな性格ですから、

 そんな大声を出してはいけません!」

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/05(火) 21:49:40.25 ID:entq2+k00.net
「それに兄は二次元の人間ですから、

 こちらからの話を聞くことは出来ても、

 自分からは話す事は出来ないのです」

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/05(火) 21:50:23.96 ID:entq2+k00.net
「んなこたぁ知っちゃいねーよ!

 あたしはコイツと話してんだ!

 てめーは引っ込んでろちゅーの!」

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/05(火) 21:51:13.36 ID:entq2+k00.net
「もともと、てめーが話しかけろって

 頼んできたんだろがっ!

 てめーに意見される覚えはねえーんだよ!」

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/05(火) 21:52:21.64 ID:entq2+k00.net
「このままコイツがあたしにシカト

 し続けるんなら、あたしにも考えがあるわよ。

 さあて、どうしてくれようかしら…」

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/06(水) 22:12:58.93 ID:xENYojB20.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (58)

そもそも、人間ひとりが、

ある日突然、チラシの中に

入っちゃうなんてことがあるのかしら?

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/06(水) 22:13:49.67 ID:xENYojB20.net
答えは当然NOね。

そんなことあるわけないじゃん。

真面目に考えることじゃないわ。

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/06(水) 22:14:50.86 ID:xENYojB20.net
ということは、

このジジイは、

やっぱりキチガイだわ。

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/06(水) 22:15:44.07 ID:xENYojB20.net
キチガイなんか生きてる価値なんか

ないんだから、拷問して、

殺しちゃってもいいんじゃね。

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/06(水) 22:16:34.41 ID:xENYojB20.net
でも、さすがに電車の中で、

拷問するわけにもいかないしぃ、

どうしようかしら?

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/06(水) 22:17:51.66 ID:xENYojB20.net
そんなことを

あれこれ考えてたら、

ジジイの奴が怒り出したわ。

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/07(木) 21:54:44.20 ID:fz/AgyDg0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (59)

「いいです、いいです、

 もういいです。

 あなたには話しかけてもらわなくて結構です!」

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/07(木) 21:55:40.68 ID:fz/AgyDg0.net
「さあ、兄を返してください!

 あなたなんかに頼んだ

 私が馬鹿でした…」

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/07(木) 21:56:26.06 ID:fz/AgyDg0.net
「おっと、そうは問屋がおろさないわよっ!

 あたしのこの怒り狂った気持ちは、

 いったいどうしてくれるのさ!」

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/07(木) 21:57:16.83 ID:fz/AgyDg0.net
「そんなこと知るか!」

そう言ってジジイは、私から

力ずくでチラシを奪い返そうとしたわ。

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/07(木) 21:58:06.55 ID:fz/AgyDg0.net
ジジイの態度に超ムカついたあたしは、

ついに堪忍袋の緒が切れて、ジジイの目の前で、

チラシをビリビリに破いちゃったわ。

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/07(木) 21:59:17.07 ID:fz/AgyDg0.net
「あらまあ、おまえの大切な兄さん夫婦が、

 バラバラ殺人事件になっちゃったわね。

 ごめんね、殺しちゃって、ふふふ…」

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/08(金) 23:27:24.22 ID:OcdVcl1Q0.net
もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (60)

ジジイの奴ときたら、あたしがビリビリに

破いちゃったチラシを、必死になってかき集めながら、

おいおいと号泣しくさってたわ。

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/08(金) 23:28:23.17 ID:OcdVcl1Q0.net
そして、あたしをにらみつけながら、こう言ったの。

「あんたという人は、なんてことをしてくれんだ…。

 とても人間のする仕業とは思えん…悪魔の仕業なのか…」

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/08(金) 23:29:17.60 ID:OcdVcl1Q0.net
「あたしはねえ、人を殺すのが

 大好きで恋しているの。

 あっ、拷問も大好きだよ。てへぺろ」

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/08(金) 23:30:28.48 ID:OcdVcl1Q0.net
ちょうど電車が目的地の駅に到着したから、

あたしは鼻歌を歌いながらその場を去ったわ。

ふんふんふーん♪………てね。

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/08(金) 23:31:27.85 ID:OcdVcl1Q0.net
電車をおりる間際、あたしが最後にジジイの姿を見たとき、

その姿は、まさにまぎれも無く、あのチラシの老人の姿だったわ…。

あのチラシの中に写っていた老人の正体はやっぱり……。

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/08(金) 23:32:45.85 ID:OcdVcl1Q0.net
まあ、そんなこと、もうどうでもいいわ。

別にあたしには何の関わりも無いことだしね。

駅の改札を出たあたしは、暗闇の中を、

亡霊のように家路へ急いだわ……。



                      もしもクレマンちゃんが男と旅をしたら… (完)

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/09(土) 22:29:40.39 ID:khc1+vwo0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (1)

私は異世界転生モノのライトノベルの

筋を考えるために、あちこちに出掛けることがあるが、

最近のお気に入りの場所は動物園だ。

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/09(土) 22:30:40.69 ID:khc1+vwo0.net
このお話は、そんな私が、

ある日、動物園で、ふと妙な人物と

出会ったことからはじまるのだ。

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/09(土) 22:31:27.75 ID:khc1+vwo0.net
もう夕方で、閉園時間が迫ってきて、

来園者たちは、ほとんど帰ってしまい、

園内は、ひっそりと静まり返っていた。

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/09(土) 22:32:14.63 ID:khc1+vwo0.net
私は猿の檻の前に、ぼんやりたたずんで、

つい今しがたまで雑踏としていた、

園内の異様な静けさを楽しんでいた。

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/09(土) 22:33:06.54 ID:khc1+vwo0.net
猿どもも、からかってくれる

相手がいなくなったためか、

ひっそりと淋しそうにしている。

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/09(土) 22:34:15.53 ID:khc1+vwo0.net
あたりがあまりに静かだったので、

しばらくして、ふと、背後に人の気配を

感じたときには、何かゾッとしたほどだ。

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/10(日) 23:32:55.58 ID:uKnsG6490.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (2)

それはスキンヘッドの青白い顔のおっさんで、

目つきの悪いルンペンのような人物であったが、

顔つきの割には快活に、檻の中の猿をからかったりしていた。

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/10(日) 23:33:49.49 ID:uKnsG6490.net
よく動物園に来る常連客なのか、

猿をからかうさまも、

妙に手馴れたものだった。

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/10(日) 23:34:39.33 ID:uKnsG6490.net
餌をひとつやるにも、思う存分

芸当をやらせ、さんざん楽しんでから、

やっと投げ与えていた。

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/10(日) 23:35:22.98 ID:uKnsG6490.net
非常に面白かったので、

私はニヤニヤ笑いながら、

いつまでもそれを見物していた。

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/10(日) 23:36:20.27 ID:uKnsG6490.net
「猿って奴は、

 どうして、相手の真似を

 したがるのでしょうね」

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/10(日) 23:37:32.37 ID:uKnsG6490.net
男が、ふと私に話しかけてきた。

男は、片手でみかんの皮を軽く上に投げては受け取っていた。

そして、檻の中の一匹の猿もまた、彼と同じことをやっていたのだ。

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/11(月) 21:31:22.32 ID:NyiTIwrV0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (3)

私が笑ってみせると、男はまた言った。

「真似するという行為は、考えてみれば実に怖い。

 しかも、神様が猿に真似することを授けたということがですよ」

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/11(月) 21:32:07.82 ID:NyiTIwrV0.net
私は、この一見ルンペン風の男、

さしずめインテリだなと、思った。

そしてこのインテリは、さらに話を続けた。

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/11(月) 21:32:52.53 ID:NyiTIwrV0.net
「猿が真似をするのはおかしいけど、

 人間が真似をするのはおかしくありませんね。

 神様は、人間にも真似することを授けました」

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/11(月) 21:33:38.08 ID:NyiTIwrV0.net
「このことも、よくよく考えてみれば、

 やはり実に恐ろしいことですよ。

 あなた、山の中で大猿に出会った人の話をご存知ですかな?」

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/11(月) 21:34:18.64 ID:NyiTIwrV0.net
この男は、よほど話好きとみえて、

だんだん口数が多くなる。

ハッキリ言って、ちょっとあぶない人だ。

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/11(月) 21:35:32.70 ID:NyiTIwrV0.net
私は元来、人見知りな性格なので、

他人から話しかけられるのが苦手だ。

しかし、この男には興味を感じた。

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/11(月) 21:48:36.92 ID:NyiTIwrV0.net
★ ☆ ★ ☆ ★  歳末クレマンちゃん情報! ★ ☆ ★ ☆ ★

クレマンちゃんも大活躍した「劇場版総集編 オーバーロード(前編・後編)」
大晦日に早くもAT−XにてTV初放送が決定しました!!
放送スケジュールは以下のとおりです。
不死者の王/漆黒の英雄
2017年12月31日(日)17:15〜21:00

大晦日にクレマンちゃんに会えば、
来年は良い年になること間違い梨ですネ♪

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/12(火) 22:37:39.16 ID:nhXHiYnN0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (4)

スキンヘッドと青白い顔の目つきの悪いルンペン風な

ところが、私をひきつけたのかもしれない。あるいは、

彼のインテリ風なところが気に入ったのかもしれなかった。

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/12(火) 22:38:29.13 ID:nhXHiYnN0.net
「さあ?そんな話は聞いたことがありませんね。

 その大猿が、どうかしたのですか?」

私は敢えて、彼の話に食いついてみた。

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/12(火) 22:39:21.54 ID:nhXHiYnN0.net
「人里離れた深山でね、

 ひとり旅の冒険者の男が、

 大猿に出会ったのです」

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/12(火) 22:40:07.97 ID:nhXHiYnN0.net
「そして、冒険者の男は、

 腰に差していた短剣を

 その大猿に奪われてしまいました」

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/12(火) 22:40:52.48 ID:nhXHiYnN0.net
「大猿は短剣を抜くと、

 面白半分に、その短剣を振りかざして、

 あろうことか冒険者に襲い掛かってきました」

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/12(火) 22:42:03.16 ID:nhXHiYnN0.net
「冒険者は魔法も使えませんし、

 手持ちの武器は奪われた短剣だけでしたので、

 突然、命の危機にさらされたのでした…」

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/13(水) 23:56:29.07 ID:u3CIunfH0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (5)

閉園間近な猿の檻の前で、

スキンヘッドと青白い顔の目つきの悪い

ルンペン風な、インテリ男が妙な話を始めた。

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/13(水) 23:57:18.79 ID:u3CIunfH0.net
突然、異世界にでも転移したような、

この一種の情景が私を喜ばせた。

私は「フンフン」と相槌を打った。

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/13(水) 23:58:03.24 ID:u3CIunfH0.net
「冒険者は、なんとか短剣を

 猿から取り戻そうとするけれど、

 そう簡単にはいきません」

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/13(水) 23:58:44.66 ID:u3CIunfH0.net
「すばしっこく、木登りも上手い

 猿を捕まえることなど、

 所詮、人間には不可能なのです」

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/13(水) 23:59:23.14 ID:u3CIunfH0.net
「しかし、この冒険者は、

 なかなかの切れ者で、

 ある名案を思いついたのです」

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/14(木) 00:00:45.29 ID:SLUotQdl0.net
「彼はその辺に落ちていた木の枝を拾って、

 それを短剣に見立てて、猿に向かって、

 いろいろな格好をして見せました」 

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/14(木) 22:29:05.31 ID:SLUotQdl0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (6)

「すると、やはり猿だけに、

 冒険者のやっていることを、

 同じように真似し始めました」

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/14(木) 22:29:58.10 ID:SLUotQdl0.net
「そして、ついに、とうとう、

 冒険者の真似を続けた挙句の果てに、

 猿は自殺してしまいました」

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/14(木) 22:30:45.74 ID:SLUotQdl0.net
「何故かって?

 それは、猿が冒険者の真似に

 熱中し過ぎたことにほかありません」

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/14(木) 22:31:39.79 ID:SLUotQdl0.net
「冒険者は、枝で自分の首を斬る

 動作をしたものですから、短剣を持ってる

 猿がそれを真似れば、当然、絶命するわけです」

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/14(木) 22:32:21.43 ID:SLUotQdl0.net
「結果、冒険者は自分の短剣を取り戻すだけではなく、

 乱暴者の大猿1匹も見事に退治することに

 成功したわけですよ。ワハハハハ」

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/14(木) 22:33:29.35 ID:SLUotQdl0.net
男は、話し終えた後、

さも愉快そうに笑ったが、

妙に陰気な笑い声であった。

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/15(金) 23:48:59.74 ID:h+hxtFBu0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (7)

「そんなアホな。

 よう言うわ、ハハハ」

私が笑うと、男は、ふとマジな顔になって言った。

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/15(金) 23:50:10.95 ID:h+hxtFBu0.net
「いいえ、ほんとうの話です。

 信じる信じないかは、

 あなたしだいですが…」

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/15(金) 23:51:04.27 ID:h+hxtFBu0.net
「猿という生き物は、

 良いか悪いかは別として、

 元来そういう生き物なのですよ」

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/15(金) 23:52:01.77 ID:h+hxtFBu0.net
「まあ、話のついでに、

 ものはためしです。

 ちょっと実験してみましょうか」

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/15(金) 23:53:05.14 ID:h+hxtFBu0.net
男はそう言うと、その辺に落ちていた小枝を、

檻の中の猿に投げ与え、自分はついていた

ステッキで首を斬る真似をして見せた。

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/15(金) 23:54:15.49 ID:h+hxtFBu0.net
すると、驚くべきことに、

猿は小枝を拾うなり、男の真似をして、

それで自分の首をこすり始めたのであった。

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/16(土) 23:21:19.76 ID:YuiBNxm20.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (8)

「ほらね。あの小枝が、

 もし本物の短剣だったなら、

 あの猿は絶命してますよ」

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/16(土) 23:22:03.32 ID:YuiBNxm20.net
この時間、動物園の中は、

ガランとしていて、

人っ子一人いなかった。

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/16(土) 23:22:55.48 ID:YuiBNxm20.net
茂った木々の下陰には、

もう既に夜の闇が、

陰気な隈を作っていた。

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/16(土) 23:23:41.62 ID:YuiBNxm20.net
私は、なんとなく、

得体の知れない感覚に襲われ、

身体中がゾクゾクしてきた。

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/16(土) 23:24:27.11 ID:YuiBNxm20.net
私の前に立っている

青白い顔の目つきの悪い男が、

マジックキャスターのように見えてきた。

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/16(土) 23:25:40.02 ID:YuiBNxm20.net
呆然としている私の心の中を

まるで見透かしてでもいるかのように、

男は、さらに、こう話を続けたのだった…。

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 00:19:40.56 ID:aaxqtCyy0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (9)

「何かの真似をするという行為が、

 本当は実に恐ろしいことだということを、

 おわかりいただけたかと思います」

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 00:21:12.97 ID:aaxqtCyy0.net
「別に、このことは、

 猿に限ったことではありません。

 人間だって同じですよ」

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 00:22:01.63 ID:aaxqtCyy0.net
「人間も何かの真似をしないではいられない、

 悲しい恐ろしい宿命を、

 持って生まれているのですよ」

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 00:22:42.49 ID:aaxqtCyy0.net
「ある社会学者によれば、

 人間生活は模倣の2字で、

 かたずくというほどですから」

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 00:23:38.97 ID:aaxqtCyy0.net
そのときの話の内容を

私は詳しく覚えていないが、

男は模倣の恐怖を力説していた。

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 00:24:46.97 ID:aaxqtCyy0.net
と、同時に、男は、

鏡というものに、

異常な恐れを抱いていた。

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 23:51:08.41 ID:aaxqtCyy0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (10)

そして男は、鏡についてこんなことを語りだした。

「鏡をじっと見つめていると、

 怖くなることはありませんか?」

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 23:51:54.53 ID:aaxqtCyy0.net
「私は、あんな怖いものは、

 この世に無いと思うほど、

 怖いと思いますよ」

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 23:52:44.16 ID:aaxqtCyy0.net
「何故かと言うと、鏡の向こう側に、

 もうひとりの自分がいて、

 猿のように人真似をするからです」

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 23:53:29.91 ID:aaxqtCyy0.net
動物園の閉園を知らせる放送が

アナウンスされると、私達は

係員に追い立てられるように外に出た。

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 23:54:13.27 ID:aaxqtCyy0.net
私は何故かこの男のことが

気になってしまい、今しばらくの間、

私達は肩を並べながら会話を続けた。

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/18(月) 23:55:19.16 ID:aaxqtCyy0.net
そして男は、突然、私にこう言った。

「私、知ってるんですよ。

 あなた鈴木さんでしょ。

 異次元ラノベ作家の…」

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/19(火) 20:38:54.73 ID:9QO+MyB00.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (11)

暗い木の下道を歩いていて、

突然、そう言われたときに、

私はまたしてもギョッとした。

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/19(火) 20:39:45.99 ID:9QO+MyB00.net
相手が得体の知れぬ、

恐ろしい男に見えてきた。

と同時に、彼に対する興味も

一段と沸いてきた。

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/19(火) 20:40:58.61 ID:9QO+MyB00.net
「あなたのファンなんです。

 最近のはイマイチだけど、

 以前の作品は愛読したものですよ」

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/19(火) 20:41:57.65 ID:9QO+MyB00.net
男は何の遠慮も無く、

ズケズケとものを言ってくる。

しかしそれもまた心地よかった。

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/19(火) 20:42:51.77 ID:9QO+MyB00.net
「ああ、月が出ましたね…」

この不思議な男の言動は、

ともすれば急激な飛躍をした。

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/19(火) 20:43:52.64 ID:9QO+MyB00.net
私は、ふと、

コイツはキチガイなんじゃね、

と、疑ってしまうほどだった…。

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/21(木) 01:09:01.25 ID:ymkyN8qg0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (12)

そして男は、月について語り始めた。

「今日は14日でしたから、

 ほとんど満月ですね」

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/21(木) 01:09:42.50 ID:ymkyN8qg0.net
「降り注ぐような

 月光というのは、

 まさにこれですね」

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/21(木) 01:10:19.84 ID:ymkyN8qg0.net
「それにしても、

 月の光って、

 なんて変なものでしょう」

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/21(木) 01:11:01.72 ID:ymkyN8qg0.net
「月光が妖術を使うという言葉を

 何かの本で読んだことがありますが、

 私は、それはたぶん本当だと思います」

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/21(木) 01:11:46.49 ID:ymkyN8qg0.net
「たとえば同じ景色でも、

 昼と夜とでは、全く違う

 景色に見えるでしょ」

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/21(木) 01:12:46.84 ID:ymkyN8qg0.net
「あなたの顔だって、そうですよ。

 さっき、猿の檻の前に立っていたあなたと、

 今のあなたでは、まるで別人のようですから…」

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 02:15:48.51 ID:OOMJji6g0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (13)

男はそう言うと、

私の顔をジロジロと

ながめるのであった。

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 02:16:49.40 ID:OOMJji6g0.net
私も、そんな男の顔を見ていると、

なにやら最初に見た印象と、

だいぶ違って見えるから不思議である。

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 02:17:45.13 ID:OOMJji6g0.net
そして男は、さらに話を続けた。

「月といえば、

 鏡には縁がありますね」

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 02:18:30.14 ID:OOMJji6g0.net
「水月とか、月が鏡になればよいとか、

 月と鏡とは、どこか共通点があるもです。

 ごらんなさい、この景色を」

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 02:19:15.29 ID:OOMJji6g0.net
彼が指差す眼下には、いぶし銀のように霞んだ

昼間の二倍の大きさに見える

大きな池がひろがっていた。

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 02:20:23.37 ID:OOMJji6g0.net
「昼間の景色が本当のもので、

 いま月光に照らされているのは、

 その昼間の景色が鏡に写っている、

 鏡の中の影だとは思いませんか?」

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 09:17:03.74 ID:T4quRtXAO.net
骨の分際でこの人外、英雄の領域に足を踏み込んだ、このクレマンティーヌ様が骨ごときに負けるはずがねぇーんだよ!!

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 23:48:28.78 ID:OOMJji6g0.net
クレマンちゃんは超かわゆいので、復活して骨をギャフンと言わせるよ

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 23:49:34.27 ID:OOMJji6g0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (14)

男は、彼自身もまた、

鏡の中の影のように、

薄ぼんやりした姿で、

ほの白い顔で、そんなことを言った。

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 23:50:30.55 ID:OOMJji6g0.net
「あなたは、ラノベのネタを

 探しているのでは、

 ありませんか?」

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 23:51:27.30 ID:OOMJji6g0.net
「私は、あなたの作品に

 ふさわしいネタを

 持っているのですよ」

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 23:52:13.92 ID:OOMJji6g0.net
「これは私自身が経験した

 事実談でずが、お話しましょうか?

 聞いていただけますか?」

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 23:53:15.65 ID:OOMJji6g0.net
事実、私はラノベのネタを探していた。

しかし、そんなことは別にしても、

この妙な男の話を聞いてみたくなった。

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/22(金) 23:54:22.05 ID:OOMJji6g0.net
今までの話しぶりから想像しても、

それは決して、ありふれた、

退屈な物語ではないはずだからだ。

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/23(土) 10:49:49.03 ID:h0ShK4eyO.net
クレマンコティーヌさんって2期で復活するの?

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/23(土) 23:42:34.74 ID:O0hS8gZv0.net
クレマンちゃんほど可愛くて、セクシーで、ナイスバディで、
強くて、怖くて、性格破綻者だけど超面白いキャラは貴重なので、
いずれ間違いなく復活しそう。おそらく2期の1話でアインズ様とアルベドの会話のシーンで、
クレマンちゃんの死体が無くなった話が出るだろうから、最終回のラストシーンで、
復活したクレマンちゃんが、チラッと登場しそうな予感がします。
そして、3期、または、クレマンちゃん主役のスピンオフ作品でクレマンちゃん完全復活きぼん。

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/23(土) 23:43:37.77 ID:O0hS8gZv0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (15)

もしかしたら、この怪しげな男は、

キチガイかもしれないから、

深入りするのは避けるべきか。

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/23(土) 23:44:35.89 ID:O0hS8gZv0.net
しかし、昔から言うではないか。

虎穴に入らずんば虎子を得ず、

との諺に素直に従うべきか。

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/23(土) 23:45:20.37 ID:O0hS8gZv0.net
私は少し悩んだ末、男にこう言った。

「聞きましょう。では、どこかで食事でも御一緒して、

 静かな部屋で、ゆっくり聞かせください」

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/23(土) 23:46:12.44 ID:O0hS8gZv0.net
私の提案に彼はかぶりを振って、

「せっかくのお申し出ですが、

 食事をとりながらする話ではないのです」

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/23(土) 23:46:59.92 ID:O0hS8gZv0.net
「私の話は、明るい場所は不似合いです。

 あなたさえよろしければ、

 いまここで、お話したいのです」

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/23(土) 23:47:48.59 ID:O0hS8gZv0.net
「適当なところに腰掛けて、

 妖術使いの月光を浴びながら、

 あの池を眺めながらお話しましょう」

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/24(日) 01:40:46.89 ID:vpJbUkvUO.net
本気で言ってんのか!てめー!武技もろくなもんが無いくせにぃ〜
このヌレマンコティーヌ様に勝てるぅ?ムカつくにも程があんぞ!

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/24(日) 23:03:33.79 ID:IAj8K9Lu0.net
クレマンちゃんのおまんまんは、超かわゆいおまんまんだけど、
熱した梨も余裕で咥え込んじゃう人類最強のおまんまんなのです

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/24(日) 23:04:24.10 ID:IAj8K9Lu0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (16)

そんなに長い話ではないと言うので、

私はこの男の申し出どおり、池の見える

高台に男と並んで腰掛けながら話を聞くことにした。

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/24(日) 23:05:10.60 ID:IAj8K9Lu0.net
「昔読んだ小説に、恐怖の谷

 というのがありました」

男は唐突に話し始めた。

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/24(日) 23:06:02.79 ID:IAj8K9Lu0.net
「その小説では、険しい山と山の谷間の

 峡谷についての恐怖が書かれていましたが、

 恐怖の谷とは、自然の中だけとは限りませんよ」

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/24(日) 23:06:45.19 ID:IAj8K9Lu0.net
「胸の谷間をチラつかせて、殿方を誘惑する悪女…。

 その谷間の魅力にとりつかれて、のこのこついて行った先に、

 待ち構えていた美人局とか…。まあ、冗談はこのぐらいにして…」

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/24(日) 23:07:32.97 ID:IAj8K9Lu0.net
「実際、この都会の真ん中にだって、

 恐ろしい谷間は存在するのです。

 たとえば高層ビルの間にある道路」

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/24(日) 23:08:43.73 ID:IAj8K9Lu0.net
「そこは自然の峡谷よりも、

 ずっと険しく、ずっと陰気です。

 文明の作った幽谷です。

 科学の作った谷底です」

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/25(月) 14:01:35.56 ID:vOHQkHBrO.net
はぁ〜ん、てめえ〜のヘルムの下に、どんなクソったれな顔があるのか知らねぇーが、
この人外、英雄の領域に足を踏み込んだ、このヌレマンコティーヌ様が、負けるはずがねぇーんだよ!!

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/25(月) 22:54:10.48 ID:mPNPa1ok0.net
やっぱりクリスマスには、超かわゆいクレマンちゃんと一緒に、
サンタクロースのじいさんでも拷問しながら楽しく過ごしたいね

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/25(月) 22:55:10.89 ID:mPNPa1ok0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (17)

「その谷底の高速道路から見た、

 両側の不気味な高層ビル群は、

 まさに自然の断崖のようです」

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/25(月) 22:56:03.31 ID:mPNPa1ok0.net
「しかし、そこには青葉も無く、

 四季折々の花も無く、

 自然ならではのでこぼこもありません」

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/25(月) 22:56:58.71 ID:mPNPa1ok0.net
「文字通り、斧で断ち割った、

 巨大なねずみ色の

 裂け目に過ぎません」

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/25(月) 22:57:53.21 ID:mPNPa1ok0.net
「見上げる空は、帯のように細いのです。

 太陽も月も、一日のうち僅か数分しか、

 まともには照らないのです」

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/25(月) 22:59:09.37 ID:mPNPa1ok0.net
「その底からは、昼間でも星が見え、

 不思議な冷たいビル風が、

 絶えず吹きまくっているのです」

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/25(月) 23:01:01.57 ID:mPNPa1ok0.net
「かく言う私も、数年前まで、

 このような都会の峡谷に、

 住んでいたことがあるのです」

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/26(火) 23:47:20.48 ID:BLkH4hV80.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (18)

「建物の正面は明るくて立派なのです。

 しかし、一度背面に回ったら、

 別のビルと背中合わせです」

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/26(火) 23:48:10.94 ID:BLkH4hV80.net
「お互いに殺風景な、

 鉄コンキンクリート丸出しの、

 窓のある断崖があるのみです」

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/26(火) 23:48:52.67 ID:BLkH4hV80.net
「細長い裏道を挟んで、

 ふたつのビルが向き合ってます。

 それこそが、都会の幽谷なのです」

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/26(火) 23:49:33.94 ID:BLkH4hV80.net
「ビルの各部屋は、

 住居も有りますが、

 ほぼオフィスです」

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/26(火) 23:50:21.44 ID:BLkH4hV80.net
「なので、夜間は、

 皆さん帰ってしまいますので、

 夜は静まり返った淋しい空間です」

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/26(火) 23:51:26.73 ID:BLkH4hV80.net
「都会の真ん中のオフィス街は、

 昼間が賑やかなだけに、よけいに淋しいのです。

 これはまさに深山の静けさに匹敵するほどです」

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/27(水) 00:00:54.90 ID:/yZ4beni0.net
本日発売のコンプエース2月号のオーバーロード33話も面白かった!
セバスが連れ帰った瀕死の人間ツアレをめぐって、セバスとソリュシャンとの
駆け引きや、ラストの俗悪たちの来訪等、次回が超楽しみです♪

また、不死者のoh!もアニメ2期ネタで面白かったです。
ちなみに公式サイトで来年2月10日(土)まで公開されてます。
http://overlord-anime.com/products/book_spo_1tms.html

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/27(水) 00:23:49.85 ID:/yZ4beni0.net
コミックス オーバーロード8巻も発売されました!
26話〜30話まで、リザードマン編〜王国編へと
アニメ2期が待ち遠しい内容です。

そしてなんと来年7月26日には待望の
60分ドラマCD付きの特装版10巻の発売も決定!
また、1月10日発売の公式コミックアラカルトや、
原作者の描き下ろし小説付きの不死者のoh!1巻、
(ちなみに2巻は2月10日発売予定)など、
来年も益々オーバーロードから目が離せませんネ♪

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/27(水) 04:05:23.57 ID:lDTAICwZO.net
ヌレマンコティーヌちゃんって絶対、処女だよね。

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/27(水) 23:58:12.83 ID:/yZ4beni0.net
クレマンちゃんは、自分では「弱っちい頃、捕まって、廻された」
なんて言ってるけど、クレマンちゃんは真面目な頑張り屋さんだから、
人を殺したり拷問する言い訳を「妄想」を用いて正当化しようとしていただけなのかも
もし、そうだとすれば、クレマンちゃんは処女の可能性は充分有り得ると思うよ
ただし、処女膜だけは梨に破られてる可能性は大!?

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/27(水) 23:59:09.51 ID:/yZ4beni0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (19)

「私は、日中、ビルのガードマンを生業として、

 夜は、そのビルの地下室に寝泊りしていました。

 早い話、24時間体制でビルの警備です」

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/27(水) 23:59:51.69 ID:/yZ4beni0.net
「もちろん、交代制で警備しますので、

 地下室には、常時4〜5人の

 ガードマンが常住しています」

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 00:00:34.68 ID:Jk20dD6g0.net
「私は、非番の時には、

 もっぱら絵を描いていましたので、

 他のガードマン連中とは、

 ほとんど口を利くことも無かったです」

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 00:01:19.47 ID:Jk20dD6g0.net
「その事件が起こったのは、

 さきほどの話で言えば、

 後ろ側の峡谷で起こりました」

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 00:02:32.29 ID:Jk20dD6g0.net
「事件の話をする前に、その峡谷、

 つまり後ろ側のビルの有様を

 少しお話しておく必要があります」

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 00:03:44.38 ID:Jk20dD6g0.net
「そこには建物そのものに、

 実に不思議な、気味の悪い、

 暗合があったのです…」

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 22:01:47.21 ID:Jk20dD6g0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (20)

「暗合にしては、このふたつのビル、

 あまりにもピッタリと一致しているので、

 私は、設計者の遊び心かと思いました」

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 22:02:58.62 ID:Jk20dD6g0.net
「というのは、このふたつのビルは、

 両方とも同じ敷地面積・同じ建坪、

 高さも階数も全く同じなのです」

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 22:03:44.50 ID:Jk20dD6g0.net
「正面や側面の、壁の色や装飾は、

 まるで違っているものの、峡谷の背面だけは、

 寸分たがわぬ同じ作りになっていたのです」

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 22:04:38.80 ID:Jk20dD6g0.net
「あまりにもそっくりなので、

 もしかしたら、壁のひび割れや、

 染みの汚れ具合まで同じかもしれません」

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 22:05:25.39 ID:Jk20dD6g0.net
「その峡谷に面した部屋は、

 日中、ほとんど日が差しませんので、

 借り手も無く、常に空き部屋状態でした」

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/28(木) 22:06:32.02 ID:Jk20dD6g0.net
「だから、私は暇なときは、

 その空き部屋に忍び込んでは、

 絵を描いていたものです…」

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/29(金) 21:44:39.03 ID:AsuzQf3o0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (21)

「そして、窓から覗くたびごとに、

 向かいの建物が、こちらの建物と、

 酷似していることが不気味にさえ思われました」

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/29(金) 21:45:39.05 ID:AsuzQf3o0.net
「それは何か恐ろしい

 出来事が起きる前兆

 みたいに感じられたのです」

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/29(金) 21:46:25.57 ID:AsuzQf3o0.net
「そして、その私の予感が、

 まもなく的中するときが、

 来たではありませんか」

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/29(金) 21:47:17.34 ID:AsuzQf3o0.net
「5階の北の端の窓で、

 首吊り自殺があったのです。

 しかも、3度も連続して…」

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/29(金) 21:48:06.56 ID:AsuzQf3o0.net
「最初の自殺者は、初対面のときから、
 
 なんとなく印象に残っていた

 中年の香料ブローカーでした」

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/29(金) 21:49:19.27 ID:AsuzQf3o0.net
「商売人にしては、何か

 陰気な人物で、いつも

 何か考え込んでいる男でした…」

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/30(土) 23:26:36.96 ID:ECEf7qfF0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (22)

「この人は、ひょっとしたら、

 裏側の峡谷に面した、

 日の差さない部屋を借りるかも…」

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/30(土) 23:27:59.99 ID:ECEf7qfF0.net
「そう思っていたら、

 案の定、5階の北側の

 不人気部屋を借りました」

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/30(土) 23:28:59.66 ID:ECEf7qfF0.net
「そうですね。引っ越してきてから、

 1週間ぐらい住んでましたかねぇ、

 とにかく凄くわずかな期間でした…」

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/30(土) 23:30:06.70 ID:ECEf7qfF0.net
「その香料ブローカーは、

 男やもめだったもんで、

 寝室には安物のベットがひとつ」

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/30(土) 23:31:22.17 ID:ECEf7qfF0.net
「例の幽谷を見下ろす、陰気な断崖の、

 人里離れた岩窟のようなその部屋に、

 ひとりで寝泊りしてました」

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/30(土) 23:32:39.93 ID:ECEf7qfF0.net
「そして、ある月夜の晩、

 窓際にロープをかけて、

 首吊り自殺したのでした…」

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/31(日) 01:31:42.78 ID:RXs5cqbl0.net
声優詳しくないけどクレマンティーヌの声優は良かったな

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/31(日) 23:49:47.79 ID:ZvBBP/pQ0.net
クレマンちゃんの中の人は、まだ25歳ながら芸歴21年の大ベテラン
声優の仕事も小学5年生からやっているというんだから大したもんです
そんなベテランで売れっ子声優にもかかわらず、クレマンちゃんのアフレコのときは、
OKが出ても自分が納得するまで何度でもやり直したというからあっぱれです

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/31(日) 23:50:44.32 ID:ZvBBP/pQ0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (23)

「彼が自殺した翌朝、彼の遺体は、

 掃除のおばさんが発見し、

 あたりは大騒ぎになりました」

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/31(日) 23:51:25.35 ID:ZvBBP/pQ0.net
「彼は何故自殺をしたのか?

 いろんな人がいろいろ調べてみましたが、

 結局わからずじまいに終わりました」

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/31(日) 23:52:11.21 ID:ZvBBP/pQ0.net
「仕事上で悩んでいたわけでもなく、

 借金地獄に悩んでいたわけでもなく、

 家庭環境の悩みも無かったとのことです」

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/31(日) 23:52:53.57 ID:ZvBBP/pQ0.net
「また、痴情のもつれとか、

 彼女にふられたとか、

 そういうことでもなかったのです」

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/31(日) 23:53:37.11 ID:ZvBBP/pQ0.net
「人々は、やれ、魔がさしたとか、

 もともと陰気なうつ病だったんだとか、

 適当な理由をつけて片付けてしまいました」

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2017/12/31(日) 23:54:57.19 ID:ZvBBP/pQ0.net
「事件は、それで終わったかにみえましたが、

 彼の自殺は、これから起こる大事件への

 序章にしか過ぎなかったのでした…」

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/01(月) 23:04:34.99 ID:LsxVJV5B0.net
クレマンちゃん
あけおめ、ことよろ、
そんでもって、今年も
もしクレがんばるぞい!

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/01(月) 23:06:29.86 ID:LsxVJV5B0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (24)

「まもなく、その同じ部屋に、

 次の借り手がつきましたが、

 その人は部屋に寝泊りしませんでした」

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/01(月) 23:07:29.47 ID:LsxVJV5B0.net
「しかし、ある晩のこと、

 徹夜仕事のため、その人は朝まで

 部屋に閉じこもっていました」

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/01(月) 23:08:31.55 ID:LsxVJV5B0.net
「そして、その人もまた、

 前の住人と全く同じように、

 首吊り自殺してしまいました」

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/01(月) 23:09:35.08 ID:LsxVJV5B0.net
「やっぱり、自殺の原因は、

 いろんな人が、いろいろ調べても、

 さっぱりわかりませんでした」

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/01(月) 23:10:48.37 ID:LsxVJV5B0.net
「今度の自殺者は、前の男と違い、

 明るい性格の男で、この部屋を借りたのも、

 事故物件で家賃が格安という理由からでした」

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/01(月) 23:12:20.89 ID:LsxVJV5B0.net
「恐怖の谷に開いた呪いの窓。その部屋に入ると、

 何の理由も無く、ひとりでに死にたくなってくるのだ

 という怪談めいた噂が、ヒソヒソとささやかれました…」

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 00:59:17.58 ID:McKfrHow0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (25)

「3人目の犠牲者は、

 いままでのような

 その部屋の住人では

 ありませんでした」

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 01:00:11.19 ID:McKfrHow0.net
「噂を聞きつけた

 不動産屋の社員が、

 乗り込んできたのです」

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 01:01:00.51 ID:McKfrHow0.net
「変な噂のために、その部屋の借り手がつかなければ、

 不動産屋としては大変な損失です。そこで、その噂が、

 根も葉もない嘘っぱちだということを証明したかったのでしょう」

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 01:01:51.58 ID:McKfrHow0.net
男が、そこまで話し続けた頃、

私は、いささか男の話に退屈して、

ちょっとチャチャを入れてみた。

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 01:02:42.16 ID:McKfrHow0.net
「んで…、

 結局その不動産屋も

 首吊り自殺したんでしょ」

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 01:03:54.84 ID:McKfrHow0.net
そう少し投げやり的に私が言うと、

男はチョッと驚いたように私の顔を見ながら、

「そうです…」と、不快そうに答えた…。

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 22:52:05.23 ID:McKfrHow0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (26)

「ひとりが首吊り自殺をすることで、

 同じ場所で、首吊り自殺の連鎖が起こる。

 つまりそれが、模倣本能の恐ろしさなのですね」

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 22:52:56.09 ID:McKfrHow0.net
私がそう言うと、

男は慌てて、

私の意見を否定した。

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 22:53:51.06 ID:McKfrHow0.net
「ああ、それで、あなたは、

 私の話に退屈していたのですね。

 違います。違います。

 そんなつまらないお話ではないのです」

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 22:54:42.59 ID:McKfrHow0.net
男はホッとした様子で、

私の思い違いを訂正した。

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 22:55:35.52 ID:McKfrHow0.net
「魔の踏切りで、いつも

 人身事故があるというような、

 あの種類の、ありふれた

 お話ではないのです」

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/03(水) 22:56:59.76 ID:McKfrHow0.net
「それは失敬しました…、

 どうか先をお続けください」

私は、いんぎんに、私の誤解を詫びた。

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/07(日) 00:43:49.88 ID:p6WYNzAC0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (27)

「不動産屋は、たったひとりで、

 連続で首吊り自殺のあった部屋に、

 3連泊しました」

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/07(日) 00:44:36.12 ID:p6WYNzAC0.net
「しかし、何も起こりません。

 彼は、まるでエクソシスト気取りで、

 鼻高々てす」

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/07(日) 00:45:18.72 ID:p6WYNzAC0.net
「そこで、私は彼に言いました。

 あなたがあの部屋に泊まったときは、

 すべて曇りで月は出ていませんでした」

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/07(日) 00:46:01.20 ID:p6WYNzAC0.net
「おやおや、その自殺と月とが、

 何か関係でもあったのですか?」

私はチョッと驚いて、男に聞き返した。

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/07(日) 00:46:48.06 ID:p6WYNzAC0.net
「ええ、あったのです。

 最初の香料ブローカーも、次の人も、

 月夜の晩に自殺したのですよ」

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/07(日) 00:48:20.25 ID:p6WYNzAC0.net
「月が出なければ、あの自殺は起こりません。

 それも狭い峡谷に、ほんの数分間、月明かりの差し込む、

 そのあいだに自殺が起こるのです。つまり、月光の妖術が、

 その部屋の住人たちを死にいざなうものと信じていたのです…」

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/07(日) 02:28:36.49 ID:+AvpXdlUO.net
ヌレマンコちゃんのさば折りシーンまた観ちゃった

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/08(月) 00:01:18.38 ID:jLx1gDX+0.net
クレマンちゃんは、ドSであると同時にドMだとも思う
なので、アインズ様にギュッとしてもらったときに
痛いけどアソコからも涎を垂れ流していたかも
残念ながら、絶命して大小便漏らしているので
パンツが濡れているのが、小便なのか潮なのか
愛液なのか、今となっては確認のしようがないのです。。。

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/08(月) 00:03:03.84 ID:jLx1gDX+0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (28)

男は、そう言いながら、

おぼろに白い顔を上げて、

月光に包まれた足元の池を眺めた。

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/08(月) 00:03:58.08 ID:jLx1gDX+0.net
「これです!

 この不思議な

 月光の魔力です」

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/08(月) 00:04:44.77 ID:jLx1gDX+0.net
「月光は、冷たい火のような、

 陰気な激情を誘発します。

 人の心を燃え上がらせるのです」

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/08(月) 00:05:30.03 ID:jLx1gDX+0.net
「その不可思議な激情が、

 例えば月光の曲を生むのです。

 詩人ならずとも、月に無常を教えられるのです」

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/08(月) 00:06:44.48 ID:jLx1gDX+0.net
「芸術的狂気という言葉が

 許されるのなら、月は人を

 芸術的狂気に導くのです…」

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/08(月) 00:08:02.00 ID:jLx1gDX+0.net
男の話術が、

少しばかり、

私を辟易させた。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 00:53:37.08 ID:wa5sKM0J0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (29)

「で、つまり、月光が人間の気を狂わせ、

 次々と首吊り自殺させたということですね」

私が男に尋ねると、男は即答した。

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 00:54:25.04 ID:wa5sKM0J0.net
「そうです。半ばは月光の罪でした…。

 しかし、月の光がただちに

 人を自殺させるわけはありません」

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 00:55:14.92 ID:wa5sKM0J0.net
「なぜなら、

 月の光など、

 誰でも見ていますから」

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 00:58:30.04 ID:wa5sKM0J0.net
「現に今、こうして満身に、

 月の光を浴びている私たちが、

 首吊り自殺することは無いでしょ…」

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 00:59:23.58 ID:wa5sKM0J0.net
そう言って、男はニヤニヤと笑みを浮かべた。

私は、まるで怪談話を聞いてる子供のような、

おびえを感じないではいられなかった…。

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 01:00:51.55 ID:wa5sKM0J0.net
「その自称エクソシストの不動産屋は、

 4日目の晩も、その部屋に泊まったのです。

 そして、不幸なことに、その晩は月が冴えていたのです…」

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 21:36:39.97 ID:wa5sKM0J0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (30)

「その日、真夜中に目が覚めた私は、

 窓から差し込む月光を見たとき、

 思わずハッとして起き上がりました」

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 21:37:38.77 ID:wa5sKM0J0.net
「そして、私はパジャマのまま、

 エレベーター横の狭い階段を

 夢中で5階まで駆け上りました」

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 21:38:34.87 ID:wa5sKM0J0.net
「夜中の静まり返ったビルの中は、

 暗く淋しく、まるで墓場のような、

 不気味さも醸し出していました」

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 21:39:41.34 ID:wa5sKM0J0.net
「やっと5階の例の部屋にたどり着いたとき、

 私は夢遊病者がビルをさまようが如く、

 狂気のように激しくドアをノックしました」

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 21:40:33.62 ID:wa5sKM0J0.net
「不動産屋の名前を連呼しても、

 中からは何の返事もありません。

 ただ私の声だけがむなしく響くばかりです」

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/09(火) 21:41:40.19 ID:wa5sKM0J0.net
「鍵のかかってないドアを開けた私は、

 思い切って部屋の中に侵入しました。

 室内には机上のスタンドがしょんぼり点灯していました…」

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/10(水) 23:19:35.37 ID:x/MaDmOh0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (31)

「その光で、部屋の中を見回しても、

 その部屋の中には、誰もいないのです。

 ベッドにも誰も寝ていません」

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/10(水) 23:20:24.38 ID:x/MaDmOh0.net
「そして…
 
 例の窓が…

 いっぱいに開かれていたのです…」

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/10(水) 23:21:11.23 ID:x/MaDmOh0.net
「窓のそとには、

 向かい側のビルが、

 月光を浴びていました」

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/10(水) 23:22:01.16 ID:x/MaDmOh0.net
「こちらの窓の真向かいの

 そっくり同じ形の窓も、

 同じように開いていました」

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/10(水) 23:22:47.21 ID:x/MaDmOh0.net
「何もかも同じなのです。

 それが怪しい月光に照らされて、

 一層そっくりに見えるのです」

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/10(水) 23:24:03.97 ID:x/MaDmOh0.net
「私は恐ろしい予感に震えながら、

 それを確かめるために、

 窓のそとへ首を差し出しました…」

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/10(水) 23:25:09.68 ID:x/MaDmOh0.net
本日発売のオーバーロード公式アンソロ&不死者のoh!両方とも面白かった!
アンソロにはクレマンちゃんのお話を期待していましたが、残念ながら
クレマンちゃんの出番は、アルベドがアインズ様に抱擁されたクレマンちゃんに
殺意を抱くもののアインズ様から「もう死んでる」と突っ込まれるオチの話のみでしたが、
後姿のクレマンちゃんも超可愛かったです。

不死者のoh!には、クレマンちゃんとカジッちゃんの爆笑ツーショットが新規で
描かれていて良かったです♪
また、丸山先生の書き下ろし小説(15頁のショートストーリー)も面白かったです。

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/12(金) 00:54:16.58 ID:wULX8Bf40.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (32)

「窓から首を出したものの、

 すぐその方を見る勇気が無いものだから、

 先ず遥かの谷底を眺めました」

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/12(金) 00:55:08.29 ID:wULX8Bf40.net
「月光は向こう側のビルの上部を照らし、

 ビルとビルとの作る狭間は、

 真っ暗に奥底も知れぬ深さに見えるのです」

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/12(金) 00:55:57.71 ID:wULX8Bf40.net
「それから私は、

 勇気を出して、

 アレの方を見ました」

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/12(金) 00:56:40.63 ID:wULX8Bf40.net
「建物の壁は、

 陰になってはいるものの、

 全く見えぬほどではありません」

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/12(金) 00:57:27.94 ID:wULX8Bf40.net
「ジリジリと視界を転じるにつれて、

 果てして、予期していたものが、

 そこに現れてきました」

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/12(金) 00:58:39.43 ID:wULX8Bf40.net
「案の定、そこには、

 首吊り自殺をしている

 不動産屋の姿がありました…」

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/13(土) 22:32:04.89 ID:LFEjsq1n0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (33)

「私はびっくりして、

 思わず窓から首を

 引っ込めようとしました」

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/13(土) 22:33:11.70 ID:LFEjsq1n0.net
「自分も不動産屋と同じように、

 月光の妖術にかかっては、

 大変だと思ったのかも知れません」

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/13(土) 22:34:03.09 ID:LFEjsq1n0.net
「ところが、そのときです。

 首を引っ込めようとした瞬間、

 向かいのビルの窓からも、

 こちらを覗く顔を発見しました」

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/13(土) 22:35:01.19 ID:LFEjsq1n0.net
「なんと、その顔だけが、

 月光を浴びて、クッキリと、

 浮き上がっていたのです」

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/13(土) 22:35:57.39 ID:LFEjsq1n0.net
「月の光の中でさえ、

 真っ白な美しさと、

 亡霊のような不気味さを

 兼ね備えた嫌な顔でした」

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/13(土) 22:37:02.24 ID:LFEjsq1n0.net
「そしてその顔が、

 じっとこちらのほうを

 見つめているのです…」

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/14(日) 23:33:03.31 ID:IivmOvFI0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (34)

「私はギョッとして、

 しばらくの間、その場に

 立ちすくんでしまいました」

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/14(日) 23:34:14.63 ID:IivmOvFI0.net
「 何故そんなに驚いたかというと。

 向かいのビルに人がいることが、

 あまりにも意外だったからです」

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/14(日) 23:35:13.68 ID:IivmOvFI0.net
「実は、向かいのビルは訳ありで、

 オーナーと銀行が揉めていて、

 只今裁判中だったのです」

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/14(日) 23:36:25.88 ID:IivmOvFI0.net
「そんな物件ですので、

 テナントも居住者も無く、

 全くの空き家だったのです」

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/14(日) 23:37:47.09 ID:IivmOvFI0.net
「だから、現在そのビルには、

 人っ子一人住んでいない

 はずだったのです」

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/14(日) 23:38:56.16 ID:IivmOvFI0.net
「ところが真夜中の

 空き家ビルに

 人がいる……」

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/15(月) 23:44:03.06 ID:fkAeY67c0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (35)

「しかも…、連続で

 首吊り自殺が起きた

 真向かいのビルの部屋に…」

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/15(月) 23:44:56.25 ID:fkAeY67c0.net
「これはただ事ではありません。

 ちょっと古臭く言うならば、

 姉さん、事件です!」

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/15(月) 23:45:41.03 ID:fkAeY67c0.net
「もしかしたら、

 私は今…、

 幻を見ているのかも…」

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/15(月) 23:46:28.50 ID:fkAeY67c0.net
「そして、あの真っ白な美しさと、

 亡霊のような不気味さのやつの妖術で、

 今スグ首吊り自殺したくなるのでは!?」

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/15(月) 23:47:16.01 ID:fkAeY67c0.net
「そう考えると私は、

 ゾーっと背筋に冷たいものが走り、

 得体の知れない恐怖に襲われました」

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/15(月) 23:48:21.60 ID:fkAeY67c0.net
「しかし、そんな状況に陥りながらも、

 私は、向かいのビルの正面の部屋にいる

 あの顔からは、目を離しませんでした」

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/16(火) 23:31:01.64 ID:RVKZZCIM0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (36)

「だんだんと目が慣れてくると、

 向かいのビルにいる

 その顔の正体がわかってきました」

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/16(火) 23:31:53.70 ID:RVKZZCIM0.net
「その人は、なんと、

 金髪ボブカットの

 女性だったのです!」

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/16(火) 23:32:46.30 ID:RVKZZCIM0.net
「色白の美しい肌に、

 ビキニアーマーをまとい、

 なんとも勇ましい出で立ちです」

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/16(火) 23:33:39.47 ID:RVKZZCIM0.net
「それでいて、キュートな

 女性らしい可愛らしさも

 醸し出しているのです」

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/16(火) 23:34:44.20 ID:RVKZZCIM0.net
「その女は、じっと私の方を

 見ていましたが、やがて、

 さも意味ありげに、ニャリと

 大きく笑いました」

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/16(火) 23:35:53.01 ID:RVKZZCIM0.net
「そして、ふっと

 窓の闇の中に

 見えなくなってしまいました…」

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 02:12:50.34 ID:QA1twZ7T0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (37)

「その笑顔の可愛かったこと。

 しかし、可愛さの中に残酷非道な、

 凄みのある不気味さもありました…」

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 02:13:41.36 ID:QA1twZ7T0.net
「翌日、私は向かいのビルについて、

 いろいろと調べてみましたが、

 やはり現在は空きビルとのこと」

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 02:14:38.75 ID:QA1twZ7T0.net
「昼間はもとより、夜間でさえ、

 警備員もいないといいます。

 やっぱりアレは幻だったのでしょうか…」

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 02:15:27.79 ID:QA1twZ7T0.net
「同部屋での3回連続首吊り自殺…

 しかも、いずれの自殺にも、

 これといった理由や動機なし…」

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 02:16:13.55 ID:QA1twZ7T0.net
「警察の取調べでは、連続殺人事件ならぬ、

 連続自殺事件でも、所詮自殺でので、

 ついそのままになってしまいました…」

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 02:17:28.23 ID:QA1twZ7T0.net
「しかし、私には、

 この件をうやむやにするなど、

 どうしても出来ない気分でした」

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 21:53:12.54 ID:QA1twZ7T0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (38)

「あの部屋で寝るものが、

 3人とも揃いも揃って、

 キチガイになってしまったのか?」

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 21:54:04.64 ID:QA1twZ7T0.net
「そんな荒唐無稽な

 解釈では、到底、

 満足できません」

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 21:54:53.83 ID:QA1twZ7T0.net
「あの色白の

 金髪ボブカットの

 女が曲者だ」

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 21:55:43.04 ID:QA1twZ7T0.net
「あの女が、

 3人の者を

 殺したのだ」

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 21:56:32.50 ID:QA1twZ7T0.net
「ちょうど首吊りのあった晩、

 同じ真向かいの窓から、

 あの女が覗いていた」

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/18(木) 21:57:53.62 ID:QA1twZ7T0.net
「そして、意味ありげにニヤニヤ笑っていた。

 そこに何かしら恐ろしい秘密があるに違いない。

 私は、そう思い込んでしまったのです…」

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/20(土) 01:21:44.08 ID:K0Ow6DU30.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (39)

「ところが、それから、

 1週間ほどたって、

 私は驚くべき発見をしました」

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/20(土) 01:22:37.89 ID:K0Ow6DU30.net
「それは、ある日のことでした。

 使いに出た帰りがけ、私は、

 例の空きビルの前を歩いていました」

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/20(土) 01:23:28.93 ID:K0Ow6DU30.net
「そのビルのすぐ隣には、

 低層の貸し店舗事務所が

 並んでいます」

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/20(土) 01:24:48.37 ID:K0Ow6DU30.net
「そのとある一軒の事務所の階段を、

 亡霊のようにスッーと上っていく女が、

 私の注意を惹いたのです」

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/20(土) 01:25:37.55 ID:K0Ow6DU30.net
「それは、フード付きのマントを

 羽織った、色白の女でしたが、

 横顔にどこか見覚えがありました」

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/20(土) 01:26:44.97 ID:K0Ow6DU30.net
「はて?どこで見かけたのかと、

 私は立ち止まって、その女を

 じっと見ていました」

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/20(土) 01:27:55.74 ID:K0Ow6DU30.net
「すると、その女は、

 事務所の入り口で、

 ヒョイと私の方へ

 振り返ったのでした…」

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/21(日) 00:21:44.55 ID:Z1HtEUte0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (40)

「私はハッとして、

 口から心臓が飛び出るような

 驚きを感じました」

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/21(日) 00:23:24.80 ID:Z1HtEUte0.net
「なぜって、その女こそ、あの日、

 向かいのビルからこちらを覗いていた

 あの女にそっくりだったからです…」

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/21(日) 00:24:58.24 ID:Z1HtEUte0.net
「その後、女は、そのまま

 事務所の中へと、

 消えていきました」

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/21(日) 00:26:25.63 ID:Z1HtEUte0.net
「女が入っていった事務所の看板を見ると、

 そこには、クレマン眼科クリニック

 医学博士 クレマンティーヌ

 と、記してありました」

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/21(日) 00:27:41.78 ID:Z1HtEUte0.net
「私は近くにいた人をつかまえて、

 今、事務所に入っていった女が、

 クレマン博士だということを確かめました」

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/21(日) 00:29:02.91 ID:Z1HtEUte0.net
「医学博士ともあろう人が、

 何故、深夜の空きビルに

 忍び込んでいたのだろうか…」

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/22(月) 00:05:27.70 ID:TyELlYlP0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (41)

「しかも、首吊り自殺をした

 人間を見て、ニヤニヤ

 笑っていたのだ…」

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/22(月) 00:06:26.17 ID:TyELlYlP0.net
「この不可思議極まりない

 事実を、どう解釈したら

 良いのでしょう」

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/22(月) 00:07:16.92 ID:TyELlYlP0.net
「私は激しい好奇心を

 起こさないでは

 いられませんでした」

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/22(月) 00:08:07.27 ID:TyELlYlP0.net
「それからというもの、

 私はそれとなく、

 出来るだけ多くの人々に

 聞いて回りました」

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/22(月) 00:09:01.88 ID:TyELlYlP0.net
「それはもちろん、

 クレマンティーヌについての

 さまざまな情報を求めてです」

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/22(月) 00:10:15.90 ID:TyELlYlP0.net
「クレマン博士は、若くで可愛い

 その派手な美貌の持ち主ながら、

 あまり世に知られていませんでした」

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/23(火) 02:06:01.23 ID:kqC3swVs0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (42)

「クレマン博士は、

 優秀な博士ではあるが、

 非常に変わり者でした」

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/23(火) 02:06:47.50 ID:kqC3swVs0.net
「患者の取り扱いも

 乱暴で、ある意味

 治療という名の拷問でした」

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/23(火) 02:07:28.24 ID:kqC3swVs0.net
「そんな感じなので時としては、

 性格破綻者に見えることさえ、

 あるということでした」

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/23(火) 02:08:12.32 ID:kqC3swVs0.net
「家族も無く単身で、

 その貸事務所を

 住居にしているそうでした」

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/23(火) 02:08:56.42 ID:kqC3swVs0.net
「また、彼女は読書家で、

 医学書以外にも、さまざまな

 書物を愛読しているようでした」

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/23(火) 02:10:01.45 ID:kqC3swVs0.net
「特に、古今東西の殺人犯罪心理学や、

 苦悩の梨を使用した拷問関係の本が、

 大のお気に入りとの噂でした…」

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/24(水) 23:40:37.29 ID:dpvgCt530.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (43)

「また、クレマン博士の診療を

 受けたことのある人物からは、

 次のような話も聞きました」

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/24(水) 23:42:12.85 ID:dpvgCt530.net
「話によると、クレマン眼科クリニックの

 診察室の奥の部屋には、ガラスケースに、

 ありとあらゆる形の義眼が並べてあるそうです」

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/24(水) 23:43:08.48 ID:dpvgCt530.net
「その何百という数のガラスの目玉が、

 じっとこちらを睨んでいる光景は、

 なんとも不気味だったとのことです」

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/24(水) 23:44:04.09 ID:dpvgCt530.net
「それから、眼科クリニックに、

 なんであんなものが必要かと疑いたくなる

 怪しいものまで置かれているそうです」

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/24(水) 23:45:17.76 ID:dpvgCt530.net
「それは、骸骨だとかゾンビとか、

 等身大の蝋人形などが、二つも三つも、

 ニョキニョキと立っているという」

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/24(水) 23:46:29.00 ID:dpvgCt530.net
「さらには、これまたイロイロな種類の

 苦悩の梨が、所狭しと置かれていて、

 実におぞましかったということでした…」

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/25(木) 23:49:16.88 ID:Tsd93K7F0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (44)

「私はクレマン博士の噂を、

 イロイロ聞いているうちに、

 益々彼女のことが気になってきました」

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/25(木) 23:50:40.49 ID:Tsd93K7F0.net
「なので私は、それからというもの、

 暇さえあれば、クレマン博士の

 動静に注意を怠りませんでした」

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/25(木) 23:52:14.72 ID:Tsd93K7F0.net
「と同時に、例の空きビルの

 5階の窓も、時々こちらから

 覗いてみました」

889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/25(木) 23:53:10.23 ID:Tsd93K7F0.net
「しかし、特に何も無く、

 あの色白の怪しげな顔は、

 いちども現われなかったのです」

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/25(木) 23:54:00.39 ID:Tsd93K7F0.net
「私には、どうしても、

 クレマン博士が、

 怪しいと思えてなりませんでした」

891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/25(木) 23:55:10.17 ID:Tsd93K7F0.net
「あの晩、向かいの窓から、

 覗いていた色白の顔は、

 クレマン博士に違いない…と」

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/26(金) 23:26:56.05 ID:aXPZvWg/0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (45)

「向かいのビルの窓から、

 首吊り自殺を覗き見していた人物が、

 仮にクレマン博士と仮定してみます」

893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/26(金) 23:28:03.61 ID:aXPZvWg/0.net
「しかしながら、もしそうだとしても、

 クレマン博士のいったいどこが、

 どのように怪しいのでしょうか?」

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/26(金) 23:28:52.94 ID:aXPZvWg/0.net
「もし、あの三度目の首吊り自殺が、

 自殺ではなくて、クレマン博士による

 殺人事件だったのでしょうか?」

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/26(金) 23:29:40.74 ID:aXPZvWg/0.net
「しかし、その手段や方法、

 さらに動機などを考えても

 何ひとつ浮かんできません」

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/26(金) 23:30:50.73 ID:aXPZvWg/0.net
「それでいて、やっぱり、

 クレマン博士が、あの事件の

 加害者にみえて仕方ないのです…」

897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/26(金) 23:32:03.00 ID:aXPZvWg/0.net
「それ以来、私は毎日毎日、

 そのことばっかり、

 考えていました…」

898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/26(金) 23:32:57.23 ID:aXPZvWg/0.net
本日発売のコンプエース3月号のオーバーロード34話も面白かった!
セバスと巡回使スタッファン・ヘーウィッシュ&サキュロントとの対決から、
ソリュシャンからのアインズ様への衝撃の緊急連絡まで見応え充分!次回も楽しみです♪
おまけ漫画のアニメアフレコレポも良かったです。

また、不死者のoh!も「推し色プレアデス」と「ロールプレイ〜至高の御方々の戯れ〜」の
2話構成で、こちらのほうも見応え充分!
さらに、公式コミックアラカルトも2作品が特別掲載!
今月は表紙から86ページまでオバロ尽くしで満喫できました♪

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/27(土) 23:13:18.20 ID:91UJiANo0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (46)

「クレマン博士のことが、

 気になってしょうがない私は、

 自ら博士の身辺を探ったりしました」

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/27(土) 23:14:10.22 ID:91UJiANo0.net
「ある時は、クレマン博士の

 事務所の壁によじ登って、

 窓越しに室内を覗いてみました」

901 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/27(土) 23:14:59.80 ID:91UJiANo0.net
「すると、やはり噂どおり、室内には、

 骸骨やらゾンビやら、義眼や梨などが、

 所狭しと並んでいました」

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/27(土) 23:15:43.80 ID:91UJiANo0.net
「でも、どうしてもわかりません。

 向かいのビルから覗くだけで、

 何故、首吊り自殺させることが出来るのか?」

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/27(土) 23:16:38.43 ID:91UJiANo0.net
「あたりまえのことですが、

 私がいくら考えても、

 わかりようがないのです」

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/27(土) 23:17:40.14 ID:91UJiANo0.net
「催眠術?いや、それはダメです。

 死というような重大な暗示は、

 全く無効になると聞いていますから…」

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/28(日) 23:54:21.97 ID:Wg1UUI900.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (47)

「その後、しばらくの間は、

 特に何も起こりませんでしたので、

 私は悶々とした日々を過ごしていました」

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/28(日) 23:55:06.72 ID:Wg1UUI900.net
「ところが、最後の首吊り自殺があってから、

 半年ほどたって、やっと、私の疑いを

 確かめる機会がやってきました」

907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/28(日) 23:55:51.98 ID:Wg1UUI900.net
「例の連続首吊り自殺が

 起きたあの魔の部屋に

 借り手がついたのです」

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/28(日) 23:56:47.57 ID:Wg1UUI900.net
「借り手は地方から来た人

 だったせいもあって、

 この部屋の噂も知りません」

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/28(日) 23:57:36.51 ID:Wg1UUI900.net
「また、ビルのオーナーも、

 あの部屋が事故物件である

 ことを隠していたようでした」

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/28(日) 23:58:40.89 ID:Wg1UUI900.net
「まさか、事件から半年もたって、

 再び同じような悲劇が起こるなどとは、

 夢にも思わなかったからでしょう…」

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/30(火) 22:25:31.28 ID:tjqkTiou0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (48)

「俗に、二度あることは三度ある

 とは言いますが、四度目があるとは、

 さすがに誰も信じないでしょう」

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/30(火) 22:26:23.82 ID:tjqkTiou0.net
「しかし、少なくとも私だけは、

 この借り手も、きっと、首吊り自殺するに

 違いないと確信していました」

913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/30(火) 22:27:19.05 ID:tjqkTiou0.net
「それゆえに、なんとかして、

 この悲劇の連鎖を自分の手で、

 止めようと思ったのです」

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/30(火) 22:32:59.45 ID:tjqkTiou0.net
「私は、その日から、

 仕事もそっちのけにして、

 クレマン博士を見張ってました」

915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/30(火) 22:33:51.12 ID:tjqkTiou0.net
「そして、私は、

 とうとうそれを

 嗅ぎつけたのです」

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/01/30(火) 22:35:08.99 ID:tjqkTiou0.net
「そうです。

 クレマン博士の秘密を

 探り出すことに成功したのです…」

917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/01(木) 22:27:03.00 ID:9EUaZ2js0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (49)

「例の部屋に、

 新しい住人が越してきて、

 3日目の夕方のことです」

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/01(木) 22:27:49.68 ID:9EUaZ2js0.net
「クレマン博士の事務所を

 見張っていた私は、博士の

 怪しげな行動を見逃しませんでした」

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/01(木) 22:28:35.02 ID:9EUaZ2js0.net
「クレマン博士は、

 何か人目を避けるようにして、

 往診鞄も持たずに外出しました」

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/01(木) 22:29:25.02 ID:9EUaZ2js0.net
「これはきっと何かあるに違いない。

 そうピンと来た私は、こっそり、

 クレマン博士の後を追いました」

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/01(木) 22:30:11.12 ID:9EUaZ2js0.net
「すると、博士は、意外にも、

 近くのデパートで、洋服を買うと、

 そのまま事務所へと戻りました」

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/01(木) 22:31:26.97 ID:9EUaZ2js0.net
「クレマン博士が購入した洋服は、

 とても博士自身が着るとは思えないような、

 レディスのリクルートスーツなのでした…」

923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/02(金) 22:10:21.27 ID:wYTDtujT0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (50)

「クレマン博士が、

 着ることもない服を、

 なぜ買いに行ったのか?」

924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/02(金) 22:11:11.58 ID:wYTDtujT0.net
「もし、看護婦に着せるためなら、

 わざわざクレマン博士が、

 人目を盗んで買いに行くことも無いのです」

925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/02(金) 22:12:08.19 ID:wYTDtujT0.net
「こいつは変だぞ!

 実に怪しい!

 怪しすぎます!!」

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/02(金) 22:13:00.49 ID:wYTDtujT0.net
「一体、あの洋服は、

 誰が何のために

 使うのでしょうか?」

927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/02(金) 22:13:42.62 ID:wYTDtujT0.net
「私は、博士が消えた事務所の入口を、

 うらめしそうに見守りながら、

 しばらくたたずんでいました」

928 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/02(金) 22:14:46.01 ID:wYTDtujT0.net
「しかし、そうしていても埒があかないので、

 私は再びクレマン博士の部屋を覗いて、

 中の様子を探ることにしました…」

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/03(土) 22:09:36.00 ID:by3o2E1B0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (51)

「さて、さて、今、部屋の中で、

 クレマン博士は、いったい何を

 しているのだろうか?」

930 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/03(土) 22:10:36.40 ID:by3o2E1B0.net
「先程、わざわざ人目を避けて

 購入してきた洋服の謎も

 わかるかもしれないぞ」

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/03(土) 22:11:24.01 ID:by3o2E1B0.net
「そう思ったら、私はもう、

 いても立ってもいられず、゛

 事務所の裏手へ走りました」

932 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/03(土) 22:12:32.41 ID:by3o2E1B0.net
「こっそり塀をよじ登って、

 そっと裏窓から覗いてみると、

 いました、いました、クレマン博士が!」

933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/03(土) 22:13:27.01 ID:by3o2E1B0.net
「冷静に考えれば、若くて美人でセクシーな

 クレマン博士の部屋の中を覗いている私は、

 どう考えても怪しい性犯罪者でしょう」

934 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/03(土) 22:14:30.72 ID:by3o2E1B0.net
「しかし、その時の私には、変な下心など

 全く無く、ただ純粋に、連続首吊り事件の

 真相解明の一心で覗いていたのですよ」

935 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/04(日) 23:21:27.49 ID:qymGJFd40.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (52)

「果てして、クレマン博士は部屋の中で、

 実に異様なことをやっているのが、

 ありありと見えたのです…」

936 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/04(日) 23:22:16.79 ID:qymGJFd40.net
「色白の顔をした

 セクシーな女医さんが、

 そこで何をしていたと思います?」

937 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/04(日) 23:23:03.75 ID:qymGJFd40.net
「蝋人形にね…、

 ホラ、さっきお話した、

 ゾンビとかの蝋人形ですよ」

938 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/04(日) 23:23:50.04 ID:qymGJFd40.net
「その等身大のゾンビに、

 先程、買ってきた洋服を

 着せていたのです…」

939 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/04(日) 23:24:44.78 ID:qymGJFd40.net
「しかも、それを

 何百というガラスの目玉が、

 じっと見つめていたのです…」

940 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/04(日) 23:25:42.86 ID:qymGJFd40.net
「ラノベ作家のあなたには、

 ここまで言えば、もう何もかも、

 おわかりになったことでしょうね…」

941 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 00:30:56.51 ID:QkvyEl0o0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (53)

「私もクレマン博士の

 様子を覗いたとき、

 ハッと気がついたのです」

942 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 00:32:05.16 ID:QkvyEl0o0.net
「そして、その美人女医の

 あまりにも奇怪な着想に、

 驚嘆してしまったのです」

943 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 00:33:02.11 ID:QkvyEl0o0.net
「すべては、クレマン博士が、

 蝋人形に着せていたスーツに、

 その謎を解く鍵があったのです」

944 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 00:33:58.67 ID:QkvyEl0o0.net
「なんと、そのスーツは、色も柄も、

 例の魔の部屋の新住人が着ているスーツと、

 寸分違わなかったではあーりませんか!」

945 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 00:35:02.85 ID:QkvyEl0o0.net
「クレマン博士は、それをたくさんの

 既製品の中から探し出し、

 買ってきたのです…」

946 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 00:36:22.98 ID:QkvyEl0o0.net
「私は、その時、直感しました。

 もうぐずぐずしてはいられない。

 一刻の猶予も許されないのだと…」

947 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 22:05:52.16 ID:QkvyEl0o0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (54)

「ちょうど月夜の時分でしたから、

 今夜にも、あの恐ろしい椿事が、

 起こるかもしれないのです」

948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 22:06:38.45 ID:QkvyEl0o0.net
「なんとかしなければ…、

  なんとかしなければ…

   なんとかしなければ…」

949 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 22:07:24.25 ID:QkvyEl0o0.net
「私は激しい衝動の中、

 地団太を踏むようにして、

 何か打つ手はないかと考えました」

950 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 22:08:11.96 ID:QkvyEl0o0.net
「そして、思わずハッと、

 我ながら実にあっぱれな、

 妙手を思いついたのでした」

951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 22:08:53.12 ID:QkvyEl0o0.net
「あなたもきっと、それをお話したら、

 手を打って感心して

 くださるでしょうと思います」

952 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/06(火) 22:10:28.64 ID:QkvyEl0o0.net
「私はすっかり

 準備万端整えて、

 夜になるのを待ちました…」

953 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/08(木) 00:47:17.77 ID:EAKk6fQR0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (55)

「私は用意した物を詰め込んだ

 大きな鞄を持ち、例の魔の部屋へと

 上っていきました」

954 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/08(木) 00:48:06.39 ID:EAKk6fQR0.net
「ドアには鍵がかかっていました。

 私は借り手が不在なのを確認し、

 事前に用意した合鍵で部屋の中に侵入しました」

955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/08(木) 00:48:54.66 ID:EAKk6fQR0.net
「私は部屋の中の机に

 近寄って、夜の仕事に

 取り掛かるふりをしました」

956 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/08(木) 00:49:39.83 ID:EAKk6fQR0.net
「机上の電気スタンドが、

 この部屋の借主になりすました

 私の姿を怪しく照らしています」

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/08(木) 00:50:27.44 ID:EAKk6fQR0.net
「服装は、その人のものとよく似た服を、

 同僚の一人が持っていたので、

 それを借りて着込んでいたのです」

958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/08(木) 00:51:48.91 ID:EAKk6fQR0.net
「髪型も、その部屋の借り手に似せてセットし、

 遠目に見たら、その人に見えるようにして、

 私は窓際に背中を向けて、じっとしていました…」

959 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 00:49:38.85 ID:H3Txu4OS0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (56)

「言うまでも無く、それらの私の行動は、

 向かいのビルにいる色白い顔の奴に、

 私がそこにいることを知らせるためです」

960 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 00:50:35.15 ID:H3Txu4OS0.net
「そして、私のほうからは、

 決して後ろを振り向かないで、

 相手に警戒されないよう工夫しました」

961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 00:51:26.35 ID:H3Txu4OS0.net
「そうしているうちに、

 時の流れは速いもので、

 既に3時間あまり経過しました」

962 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 00:52:47.65 ID:H3Txu4OS0.net
「果てして、

 私の想像が、

 的中するのか…」

963 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 00:53:36.34 ID:H3Txu4OS0.net
「さらには、

 私の計画が、

 見事成功するのだろうか…」

964 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 00:54:44.39 ID:H3Txu4OS0.net
「それはそれは、

 実に待ち遠しい、

 ドキドキする3時間でした…」

965 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 22:02:35.25 ID:H3Txu4OS0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (57)

「もう振り向こうか…。

 いや、まだ早いか…。

 やっぱり振り向こうか…」

966 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 22:03:34.03 ID:H3Txu4OS0.net
「私は、振り向こうか、

 振り向くまいか、

 もやもやした時間を過ごしました」

967 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 22:04:27.95 ID:H3Txu4OS0.net
「そして、辛抱しきれなくなり、

 幾度、首を回しかけた

 かもしれません…」

968 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 22:05:17.55 ID:H3Txu4OS0.net
「しかし、ついに、

 とうとう…、

 その時がきたのです」

969 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 22:06:06.92 ID:H3Txu4OS0.net
「腕時計を見たら、

 時刻は午後10時10分を

 指していました」

970 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/09(金) 22:07:08.32 ID:H3Txu4OS0.net
「ホウ、ホウと、ふた声、

 フクロウの鳴き声が

 どこからともなく聞こえてきました…」

971 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/11(日) 00:00:16.54 ID:bFNcrJTk0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (58)

「フクロウの鳴き声を聞いて、

 私はピンときました。

 ははあ、コレが合図だな」

972 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/11(日) 00:01:23.36 ID:bFNcrJTk0.net
「フクロウの鳴き声で、

 窓の外を覗かせる

 作戦だな」

973 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/11(日) 00:02:08.12 ID:bFNcrJTk0.net
「都会のビル街で、突然、

 フクロウの鳴き声がすれば、

 窓の外を覗きたくなるだろうしな」

974 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/11(日) 00:02:56.77 ID:bFNcrJTk0.net
「そこまで考えた私は、

 もはやなんのためらいもなく、

 窓の外を覗いてみました」

975 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/11(日) 00:03:41.62 ID:bFNcrJTk0.net
「向かいのビルは、

 一杯に月の光を浴びて、

 銀鼠色に輝いていました」

976 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/11(日) 00:04:53.84 ID:bFNcrJTk0.net
「前にもお話したとおり、

 向かいのビルは、

 こちらとそっくりなビルなのです…」

977 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/11(日) 00:06:00.91 ID:bFNcrJTk0.net
本日発売の「不死者のoh!」2巻も面白かった!
7話〜12話まで収録されていますが、なかでも、
9話の、ことわざ回は、クレマンちゃんが大活躍!
今後のクレマンちゃんの登場にも期待が膨らみますネ♪

978 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/13(火) 00:19:40.12 ID:sIM7jnfc0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (59)

「その光景を見たとき、

 私はなんともいえない

 変な気持ちになりました」

979 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/13(火) 00:20:25.54 ID:sIM7jnfc0.net
「こうしてお話ししたのでは、

 とても、あの気違いめいた

 気持ちはわかりません」

980 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/13(火) 00:21:10.12 ID:sIM7jnfc0.net
「突然、限界一杯の、

 べら棒に大きな、

 鏡の壁が出来た感じです」

981 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/13(火) 00:21:58.83 ID:sIM7jnfc0.net
「その巨大な鏡に、

 こちらのビルが、

 そのまま写っている感じです」

982 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/13(火) 00:22:39.71 ID:sIM7jnfc0.net
「構造の相似の上に、

 月光の妖術が加わって、

 そんなふうに見せるのです」

983 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/13(火) 00:23:48.91 ID:sIM7jnfc0.net
「私の立っている窓は、

 真正面に見えています。

 窓ガラスが開いているのも同じでした…」

984 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/15(木) 01:47:38.38 ID:edqM7Fiy0.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (60)

「それから、私自身は……、

 おや、おや、

 この鏡は何か変だぞ」

985 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/15(木) 01:48:34.39 ID:edqM7Fiy0.net
「私の姿だけ、

 のけものにして、

 写してくれないのか?」

986 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/15(木) 01:49:29.88 ID:edqM7Fiy0.net
「ふとそんな気持ちになるのです。

 ならないではいられないのです。

 そこに身の毛もよだつ陥穽があるのです」

987 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/15(木) 01:50:39.67 ID:edqM7Fiy0.net
「はてな、私はどこに行ったのか?

 確かにこうして、

 窓際に立っているはずだが…」

988 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/15(木) 01:51:27.45 ID:edqM7Fiy0.net
「キョロキョロと、

 向かいの窓を

 探す自分がいます」

989 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/15(木) 01:52:33.90 ID:edqM7Fiy0.net
「探さないではいられないのです…。

 すると、私は、ハッと、

 私自身の影を発見するのでした…」

990 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/16(金) 12:07:27.18 ID:oD+03wJg0.net
クレマンちゃん、孕ませたいわ

991 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/16(金) 22:34:15.48 ID:dJefAz610.net
クレマンちゃんは、超かわゆいから、
頭のてっぺんから、あんよの先っちょまで、
もれなく、くまなく、のこらず愛してあげたいね

992 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/16(金) 22:35:11.25 ID:dJefAz610.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (61)

「しかし、私の影を発見した場所は、

 窓の中ではありません…。

 そとの壁の上にです」

993 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/16(金) 22:35:54.87 ID:dJefAz610.net
「電線用の横木から、

 細紐でぶら下がった

 自分自身をです…」

994 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/16(金) 22:36:41.08 ID:dJefAz610.net
「ああ……、

 そうだったか…、

 私はあそこにいたのだった…」

995 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/16(金) 22:37:27.10 ID:dJefAz610.net
「こんなふうにお話しすると、

 たぶんあなたには、

 滑稽に聞こえるかもしれませんね」

996 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/16(金) 22:38:43.85 ID:dJefAz610.net
「あの気持ちは、とても、

 口では言えません。

 悪夢です…」

997 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/16(金) 22:39:59.65 ID:dJefAz610.net
「そうです…。悪夢の中で、

 そうするつもりはないのに、

 ついそうなってしまうあの気持ちです」

998 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/18(日) 02:44:21.03 ID:zRGequc30.net
新スレ
【オーバーロード】クレマンティーヌは元漆黒聖典かわいい6
https://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/anichara2/1518887914/

999 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/18(日) 03:05:50.36 ID:zRGequc30.net
もしもクレマンちゃんが博士だったら… (62)

「鏡を見ていて、自分は

 目を開いているのに、

 鏡の中の自分が、

 目を閉じていたとしたら、

 どうでしょう?」

1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/18(日) 03:06:41.58 ID:zRGequc30.net
「自分も同じように、

 目を閉じないでは、

 いられなくなるではありませんか」

1001 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/18(日) 03:07:32.23 ID:zRGequc30.net
「で、つまり鏡の影と一致させるために、

 私も同じように首を吊らずには、

 いられなくなるのです…」

1002 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/18(日) 03:08:20.07 ID:zRGequc30.net
「向かいのビルの部屋では、

 自分自身が首を吊って、

 自殺しているのです…」

1003 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/18(日) 03:08:59.19 ID:zRGequc30.net
「それを目の当たりにすれば、

 ほんとうの自分が、安閑と

 立ってなどいられないのです…」

1004 :名無しさん@お腹いっぱい。:2018/02/18(日) 03:09:35.70 ID:zRGequc30.net
1000ならクレマンちゃん復活!

1005 :2ch.net投稿限界:Over 1000 Thread
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