ガールズ＆パンツァー GIRLS und PANZER 2077輌目

名無しさん＠お腹いっぱい。

決勝戦、東富士演習場で迎えた大洗戦
みほの作戦に引っ掻き回され、マウスも勢いを見せず惨敗だった
観客席に響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年も準優勝だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、副隊長エリカは独り戦車で泣いていた
９連覇で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の黒森峰で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいのよ・・・」エリカは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、エリカは、はっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい鋼の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って履帯の整備をしなくちゃね…」エリカは苦笑しながら呟いた

立ち上がって伸びをした時、エリカはふと気付いた
「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」
戦車から飛び出したエリカが目にしたのは、観客席を埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに黒森峰旗が振られ、地鳴りのようにパンツァーリートが響いていた
どういうことか分からずに呆然とするエリカの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「エリカ、決勝戦だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったエリカは目を疑った
「に…西住隊長？ドイツにいるんじゃ…」　
「エリカさん、居眠りでもしてたの？」
「み・・・みほ？大洗に転校したはずじゃ」　
「エリカさん、なんで勝手に副隊長を転校させてるんですか笑」
「小梅・・・」　
エリカは半分パニックになりながらメンバー表を見た
隊長・TigerⅠ：西住まほ　副隊長・TigerⅠ車長：西住みほ　TigerⅡ車長：逸見エリカ　PanterG車長:赤星小梅
暫時、唖然としていたエリカだったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
小梅から黒帽子を受け取り、戦車へ全力疾走するエリカ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、戦車内で冷たくなっているエリカが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った