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【中年無職暇人】バカニュース戦争勃発!!Z厨バカヌから出て行け!!【欠損フェチホモ】

1 :バカは氏んでも名乗らない:2017/09/13(水) 13:08:41.69 ID:???.net
バカニュースでも乙武に無関係なスレに乙武AA貼らないでくれ

レスを楽しみにしてるスレに連続で貼られると、他のレスがストップしちまうんだよ

これ言うとバカニュースに乙武スレ以外立てるのが悪いとか言うんだろうけど

それなら運営にバカニュースをバカニュースと乙武板に分離するように呼び掛けてくれよ
乙武には興味ない住人からしたら無関係なスレまで乙武AA貼られたら迷惑なんだよ

乙武スレ毎日毎日立ててるのにまだ乙武AA貼りたりないのかよ、いい加減にしてくれ

846 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:02:00.12 ID:???.net
※上の話によく似た話があってと、パーソナリティが語った話

これも同じように、小学校高学年くらいの女の子が二段ベッドで寝ていたんです。
それで、夢を見たんですよ。
夢の中で、これも同じようにたくさんの人が出てきて、全部知り合い、それも血縁のね。
で、みんな「助けてくれ」と言って、手を振っているんです。
女の子は助けてあげたいと思うんですが、自分とみんなの間にはとても深い川があって、どうにもならないんですよ。
それでも何とかしてあげたい、そう思って女の子は思いっきり手を伸ばして、
だれでもいいから振り上げている腕をつかんでこちら側に引っ張ることはできないかと、必死になるんです。
そうやって繰り返していると、ちょうどお父さんの手と自分の伸ばした手がうまい具合に重なり合った。
でも、その瞬間、重なり合った手の感触があまりにリアルで、女の子はびっくりしたんです。


周りのイメージ、夢の中の川だとか手を振るみんなとか、
そういったものと極端に異なった、異様にリアルな感触にあまりも驚いて、キャッとなって目を覚ました。
すると、目の前には二段ベッドの天井が見える。
あ、やっぱり夢だったんだ、と安心しながらも、
手にリアルなあの感触残っていることに気づいて、思わずひょいとその手を引っぱったんです。
すると、何もないところからリアルなお父さんの顔だけが目の前に現れて、引いた手の動きに合わせて近づいていくる。
それで、びっくりして女の子は気を失ってしまう、とこんな感じの話です。

847 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:04:26.66 ID:???.net
『どうしたん?』

今から4年ほど前の今ぐらいの季節の話です。
夜の11時頃、東大阪まで彼女を車で送って、奈良の自宅へ帰ろうとしていたんですが、
阪奈道路の登り道に入ってすぐちょっと眠気が出てきたため、
空気を入れ換えようと指が出る程度に少し窓を開けました。
平日だったので周りには他の車が走っておらず、とても静かでした。
2,3ヶ月前ににねずみ取りにやられたばかりで、それ以来おとなしく走っていたのですが、
この時間で周りに誰もいないし、この道はねずみ取りの場所が決まっていたので、
ちょっとアクセルを踏み込んで、夜景の見える場所まで飛ばそうと考えました。
何度かカーブを切った後、直線になったのでスピードを緩め、惰力で走っていると、
ピチピチピチという音が聞こえてきました。
すぐタイヤに石が挟まった音だと気づき、広くなった場所で車を路肩に寄せて後輪のあたりをチェックしていると、
突然背後から馴れ馴れしく「どうしたん?」と声をかけられました。
一瞬心臓が飛び出るほどビックリしたんですが、
すぐ気を取り直して相手の顔を見ると、20歳くらいの気の弱そうな青年でした。

848 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:05:52.20 ID:???.net
別に大したことじゃないので内心放って置いてくれと思いましたが、
邪険にする理由もないので「タイヤに石が挟まったみたい」というと、
すぐ、「これちゃう?」といって彼が指さしたので、そこをみるとけっこう深く石が突き刺さっていました。
手や木の枝では取れそうにないので、車に積んでいる工具を出そうとすると、
彼はすかさず「これ使い?」とドライバーを差し出してくれました。
すぐ石ころを取ってドライバーを返そうと立ち上がると、
彼はいつの間にか車を離れ、道の上の方に向かって歩いていました。
「ありがとう!これ!」と結構大きい声で呼んだのですが、
彼は気づかずに上の方に止めてある白い車に向かって歩いていき、ドアを開けて乗り込んでしまいました。
車までは60mくらいの距離でしたが僕は自分の車に乗り、彼の車のそばまでゆっくり寄せようとして唖然となりました。
さっき開けるところを確かに見たのに、車にはドアが無いのです。
そればかりか、停めてある場所は草むらの中、タイヤもなく窓ガラスもなく捨てられている車だったのです。
もちろん人の気配はありません。
慌てて手に握っているドライバーを見ると、手に赤錆が付くようなサビだらけのドライバーでした。
僕は急に怖くなり、助手席の窓を開けて草むらへドライバーを投げ捨て車を加速させました。
すると突然耳元で「乗せてってや!」という声が聞こえました。
無我夢中で家までたどり着いたのですが、
途中の信号が青だったのか赤だったのか、どの道を通ったのかも覚えていません。

その後身の回りにはおかしなこともなく平穏に過ごしています。
不思議な出来事でした。

849 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:10:11.29 ID:???.net
『幽霊を見る方法』

俺が高2の時に体験した話をする。

俺は小学生の頃から怖い話が好きで、そのテの本やテレビの特番やなんかは必ず見ていた。
高校に入っても、クラスの好き者と集まってはよく怪談話をしていた。霊を見たいと思っていた。

ある日、教室で弁当を食いながら、いつもの連中K(リーダー格)やD、Sなんかと怪談話をやっていると、
同級生のYが何気に仲間に加わってきた。
その時は女の子もいて「キャー、キャー」やってたから、Yも一緒に騒ぎたくなったのだろうと思った。
するとYは、「おい、K。おまえ、幽霊見たことあるのか?」と聞いてきた。
Kは「ないよ。見ようとしていろんなことやったり、行ったりしたけどな」と答えた。
「おまえが霊を見たいなら、確実に見れる方法を教えてやろうか?」
「なに???」
Yによると、Yはいわゆる見ちゃう奴で、子供の時からそうだったので、今ではもうなんともないという。
ただ、霊によってはかなりきつい時もある。だから、遊び半分であまり霊とは関わらないほうがいい。
俺たちがよくそのテの話をしているので、ちょっと忠告にきた、とのことだった。

850 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:12:02.09 ID:???.net
「俺の言う通りにすれば絶対に見れるけど、どうする?」
「おお!教えてくれ!」
他の連中も「マジかよ!」「見ようぜ!」とか言って興奮している。
Yによるとその方法は、
不慮の事故とか、殺人とか、この世に未練を残した人の死んだ現場に行って、心の底から同情してやることだという。
本当にあなたは可哀想な人だ、この世でまだやりたいこともあっただろうに、
できることなら私が替わってあげたかった・・・というふうに。
そうすれば必ず幽霊が現れるという。

俺たちはさっそく、その週末の土曜日に実行することにした。
メンバーはいつもの、K、D、S、俺、そしてOBのS先輩の5人。
いつもキャーキャーいっている女どもは、怖すぎると言って不参加。
場所は東京の郊外にあるO市の山道だ。(我々はK市に住んでいた)
そこは24才のOLがレイプされ、絞殺死体で発見された場所だった。
当時わりと記憶に新しい事件だったとはいえ、図書館で新聞記事を探したり、事前に資料をそろえたのだから、
我々もなにか取り憑かれたような感じだったかもしれない。

851 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:16:20.97 ID:???.net
土曜の深夜12時に、俺らはS先輩の家の前に集合して、先輩の車で現地に向かった。
車中、みんなそれぞれギャグをかましながら陽気にしていたが、内心ビビッてるのは明白だった。
俺も、車が街道から田舎道に入って、あたりが鬱そうとしてくるにつれ、こりゃやっぱまずいんじゃねーか、と思い始めてきた。

対向車もいなくなり、まわりが畑や林ばかりになってくると、
先輩の隣で地図を見ながらナビしてたKが、「この辺だぞ」と叫んだ。
声がうわずっているのがわかる。時計を見ると1時半を少しまわっていた。
車を道の端に停めて、俺たちは現場を探すことにした。
俺はカセットテープレコーダーと懐中電燈、それと密かに持ってきたお守りをポケットに入れて外に出た。
Dがコンビニで買った『写るんです』でその辺をバシバシ撮ってる。
S先輩が車に残り、ヘッドライトを消すといきなり暗闇になったが、道沿いの外灯と月明かりでわりとまわりが見える。
山のほうへと続くわき道を50メートルくらい入り、現場らしきところを探していると、さすがに背筋が冷たくなってくる。
ここら辺で人が殺されたんだ・・・

852 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:22:27.19 ID:???.net
しばらく歩いていると、「あっ」とSが声を上げた。
「どうした?」と俺が聞くと、Sは斜め向こうの地面を指している。
見ると、そこだけ草が取り払われ、小さいお猪口みたいなものに線香がささっていて、まわりに花が供えてある。
俺は懐中電燈でそこを照らしながら、皆の顔を見た。
月明かりのせいか、青白い精気のない表情をしている。
全員無言。俺は情けないことに足が震えて、腹のあたりの力が抜けてきたのを感じた。
これはまずい。どう考えても尋常じゃない。
俺が「やっぱよそうぜ。シャレになんないよ!」と言うと、
Kは「何言ってるんだ!ここまできたんだぞ。やるしかねーよ!」と、ひきつった顔つきで食ってかかる。
DもSも泣きそうな顔をしている。
「本当に出てきたら、どうすんだよ・・・」
Dがか細い声を上げる。
「ばかたれ!それを見に来たんだろうが。でも・・逃げればいいよ」
Kも怖いに違いない。必要以上に大声で怒鳴る。
結局Kの勢いに負け、霊を呼び出すことになった。

853 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:53:17.70 ID:???.net
全員で目をつむり、花が供えてある場所に向かって両手を合わせ、いち、に、のさんで同情する。
俺はカセットを録音状態にして足元に置いている。
全員両手を合わせ身じろぎもしない。
あたりからは虫の鳴き声と、ときどき吹く風にそよぐ葉の音以外は何も聞こえてこない。
俺は目をつむりながら、
『○○さん(名前は調べてあった)、頼みますから出て来ないでください』と一心不乱になって祈っていた。
俺は、冗談じゃない、幽霊なんて見てたまるか、と思っていた。
あれほど見たがってたのに、いい気なものである。

しばらくそうしていると、(実際は1分も経っていないと思う、今から思えば)一瞬、まわりの空気が変わったような気がした。
なんていうか、密度というか濃さというか・・・
そして、口の中がおかしい。
妙にきな臭いような、錆びくさいような感じになってきて、
これは恐怖でのどがカラカラになったに違いない、あるいは貧血の前触れかも・・などとあれこれ考えていた。
すると、「あぅっ! わわわぁ!」と声にならない叫びがあがった。
「ど、どうした!」
俺は飛び上がり、他の連中を見た。

854 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:56:20.09 ID:???.net
全員で目をつむり、花が供えてある場所に向かって両手を合わせ、いち、に、のさんで同情する。
俺はカセットを録音状態にして足元に置いている。
全員両手を合わせ身じろぎもしない。
あたりからは虫の鳴き声と、ときどき吹く風にそよぐ葉の音以外は何も聞こえてこない。
俺は目をつむりながら、
『○○さん(名前は調べてあった)、頼みますから出て来ないでください』と一心不乱になって祈っていた。
俺は、冗談じゃない、幽霊なんて見てたまるか、と思っていた。
あれほど見たがってたのに、いい気なものである。

しばらくそうしていると、(実際は1分も経っていないと思う、今から思えば)一瞬、まわりの空気が変わったような気がした。
なんていうか、密度というか濃さというか・・・
そして、口の中がおかしい。
妙にきな臭いような、錆びくさいような感じになってきて、
これは恐怖でのどがカラカラになったに違いない、あるいは貧血の前触れかも・・などとあれこれ考えていた。
すると、「あぅっ! わわわぁ!」と声にならない叫びがあがった。
「ど、どうした!」
俺は飛び上がり、他の連中を見た。

855 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:57:57.90 ID:???.net
Kが座り込んで、口を大きく開けたまま前方を凝視している。
見ると、女があお向けに寝転がって、首だけ起こしてこちらを見ている。
俺は頭が真っ白になった。
まるで映画のワンシーンを、スローモーションで見ている感じとでも言おうか。
「あぎゃーっ!!!」
転げるようにその場から逃げ出し、もと来た道をめちゃくちゃに走った。
前方をDとSが走ってるのがわかった。
あれ、Kは?それにカセットを忘れた。
信じてもらえないかもしれないが、俺は大パニックのさなかにそんなことを考えていた。
そして後ろを見ると、さっきの場所にKがまだいるのが見えた。
やばい!
俺は引き返し、カセットをひったくると、座ったままのKの頭をボカッとなぐった。
女のほうを睨みつけるように見ると、さっきの体勢のままだったが、
体の輪郭がきらきらし始めて、体はなんというか、しゃぼん玉がだんだん薄くなって透明になり、
消えていくように、消えてしまった。

俺は呆然としているKを引っ張っていく道すがら、
『出てくるなと言ったのに出てきやがって』という怒りでいっぱいだった。
もちろん、今から思えば非常に身勝手なのだが、その時はそう思ってた。

856 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 12:59:30.11 ID:???.net
先輩の車まで来ると、DとSが狂ったように手招きしてる。
「早く来い!」「何してる!逃げるんだ」
猛スピードで車を走らせている先輩に、一部始終を話すと、
「マジかよ・・」と顔をこわばらせ、しきりにバックミラーをのぞく。
Kによると、一瞬腰が抜けて動けなくなり、その間中あの女と目が合っていたらしい。
車中、全員で目撃したことを言い合い、間違いなく一致していることを確認した。
あれはやはり幽霊だったのだ。殺された女の霊が出てきたのだ。
そう考えるのが一番自然だ。そう結論づけた。

翌日曜日。俺たちはKの家に集まって、Yを待っていた。
昨日の出来事を全部話し、幽霊が見れるYに判断してもらおうというわけだ。

しばらくしてYがやってきた。
俺たちを見てどこか沈んだ顔をしている。
昨日の一部始終を話すと、「やっぱりな」と言った。

857 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:00:50.95 ID:???.net
「なんか嫌な予感がしてたんだ。本当にやっちまったんだ」
「おまえが言い出しっぺなんだからな」
Kが毒づく。
「いくらなんでも、強姦されて殺された女なんて・・・」
「おまえ言っただろう、この世に未練がある奴って」
「で、おまえ同情したのか?」
「ああ、あたりまえだ」とKが言う。
「俺は出てくるな、と念じた」と俺が言う。
「俺もだ」「俺も」とDとSが言う。
「あれはやっぱり幽霊か?」と俺が聞くと、Yは「ああそうだよ、間違いないね」と言った。
「俺はあの女と見つめ合っちゃったんだからな」と、Kが弱々しく笑った。
「今、おまえの肩にのってるよ・・・」とYが言った。
「??!!」
その年の冬、Kは休学し、翌年退学した。家族そろって長野に引っ越して行った。理由はあえて言わない。
後から考えて、俺にはわからないことがある。
Yは最初、俺たちを心配して、霊にあまり関わるなと言いたくて、近づいてきたのではなかったか。
なのに、あえて霊の呼び出し方法を教えたのはなぜか。
Kが引越してから、YがC子と付き合い出したのも偶然か。
C子はKの彼女だった。
あの日、Yが近寄ってきた日も、C子はKのそばにいた。
たぶん俺の妄想なのだろう。今となってはどうでもいいことだ。

それから、あのカセットを翌日全員で聞いた。
ザーッという音の中に、かすかに「・・しぃ、・・しぃ」と女の声が入っていた。
Yは「苦しい、苦しいと言ってる」と言うが、俺には「悔しい、悔しい」に聞こえた

858 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:05:44.41 ID:???.net
1〜4ー63(56)
5ー8

859 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:10:05.64 ID:???.net
『帰省』

少し書き込みをしにくい雰囲気ですが、こういった場で書き込みをすることで、
何か自分中にある心の痞えが、少しでもなくなる気がするので、
板汚しとは思いますが、去年の夏、約十年ぶりに実家へ帰省したときのことを書きます。
長くなると思いますので、少し読んでみて興味のわかない方は、どうぞ飛ばしてください。

私は現在二十八歳で、
二十歳までに霊体験をしなければ、その先そういったことを経験することはないなんて言われていますが、
今まで霊を見たり、何か霊的な体験をしたり、ということはありませんでした。
そして、これからお話することも、霊とは無縁のことなのかもしれません。
ただ、私の人生の中でもっとも怖い、何か得体の知れない恐れを感じた出来事で、
いまなお、ときおり私の心を悩ますきっかけとなっているのです。

860 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:17:47.41 ID:???.net
私の実家は新潟にあり、代々農家を営んできた旧家です。
本家を継ぐのは必ず長男なのですが、私の父は三男にもかかわらず本家を継ぎました。
なぜそのようになったかというと、父の兄が二人とも、痴れものというのでしょうか、知恵遅れだったのです。
長男は、言葉はまともに話すことができるのですが、
頭のほうが子供のまま一向に成長せず、成すこともキチガイじみたことばかりだったようです。
次男にいたっては、頭だけでなく身体も弱く、幼いうちに病気で亡くなったとききました。
そのとき私の曽祖父にあたる人は、幼くして死んだ孫に向けて、
「この子は良い子だ、ほんとうに親孝行な子だ」と言ったそうです。
そういったわけで、父が本家を継ぐことになりました。
私も一人っ子なので、いずれ本家を継がなければいけないのではないか、と思っていたのですが、
不思議と父は、そういったことをまったく私に対して言いません。

861 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:22:41.41 ID:???.net
私の実家は新潟にあり、代々農家を営んできた旧家です。
本家を継ぐのは必ず長男なのですが、私の父は三男にもかかわらず本家を継ぎました。
なぜそのようになったかというと、父の兄が二人とも、痴れものというのでしょうか、知恵遅れだったのです。
長男は、言葉はまともに話すことができるのですが、
頭のほうが子供のまま一向に成長せず、成すこともキチガイじみたことばかりだったようです。
次男にいたっては、頭だけでなく身体も弱く、幼いうちに病気で亡くなったとききました。
そのとき私の曽祖父にあたる人は、幼くして死んだ孫に向けて、
「この子は良い子だ、ほんとうに親孝行な子だ」と言ったそうです。
そういったわけで、父が本家を継ぐことになりました。
私も一人っ子なので、いずれ本家を継がなければいけないのではないか、と思っていたのですが、
不思議と父は、そういったことをまったく私に対して言いません。

862 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:27:07.80 ID:???.net
早くに亡くなった祖父は、名と家を守るために、私に本家を継がせるよう言っていたようですが、
祖父の死後、家云々の話は誰も言わなくなりました。
それどころか、父は私を家から離したがっているようにも思えるのです。
私は中学卒業を期に、東京の高校へと入学させられました。
寮に入って高校に通い、そのまま大学も東京の学校に入りました。
その間、一度も実家には帰りませんでした。
何かあると必ず両親が東京に来て、用を済ませたのです。

大学卒業後、私はそれほど名の知れていない電気製品のメーカに就職しました。
それからも盆にも正月にも帰省することなく、あっという間に五年の月日が経ちました。
私が実家に帰ろうかと電話で告げると、
そのたびに父が『いや、帰ってこなくて良い。おまえは自分のことをしっかりやっておけば良い』と言うのです。
変に思いながらも、私自身東京での生活が忙しく、父の言葉に甘えて十年近く実家に帰らぬままになっていました。

863 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:30:44.03 ID:???.net
それがなぜ、突然去年の夏に帰省することになったかというと、
二年ほど付き合っていた彼女が、「そろそろちゃんと両親に会って、挨拶をしておきたい」と言ったのです。
私のほうはすでに彼女の両親に会って、真剣にお嬢さんと付き合いをさせてもらっていると、挨拶を済ませていました。
彼女との結婚も考えていた私は、この際良い機会だし、
いろいろ具体的な話が進む前に、両親に紹介しておくのが筋だと思い、
彼女をつれて実家に帰ることを決めました。

電話で父にその旨を告げると、明らかに戸惑いを感じる口調ながらも『分かった』と言ってくれました。
会社が盆休みに入るとすぐに、私は彼女と共に実家へ向かいました。

864 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:32:20.63 ID:???.net
電車に乗っている間、彼女は私にいろいろなことを尋ねてきました。
実家がどんなところにあるのか、私の家族についてなど。
私は彼女の質問に答えていくうちに、
ずっと昔に忘れていた実家で暮らしていた記憶が、ぼんやりとながら蘇ってくるのを感じました。
そしてそれは、電車の揺れと呼応するように私の中で揺らいでいるようで、
何かあまり心地の良い感覚ではありませんでした。

私が実家に住んでいたときの思い出で、ひとつこんなことがあります。
今はもう亡くなっているのですが、父の兄で長男の、つまり私にとって伯父にあたる人のことです。
伯父さんは成人する前から分家にやられ、あまり本家のほうには顔を出さなかったのですが、
ある日、何か機嫌の良さそうな様子で、ふらりと本家にやってきました。

865 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:35:03.43 ID:???.net
挨拶も適当に伯父さんはまっすぐ私の部屋に来て、「将棋をやろう」と小脇に抱えていた将棋盤を広げました。
断る雰囲気でもなく、「良いよ」と言って将棋をはじめました。
すると、当時私は小学校の高学年でしたが、あっさりと伯父さんに勝ってしまったのです。
それで終わればよかったのですが、小学生の私は何を思ったのか、おそらく幼かった所為でしょう、
あまりに伯父さんが弱かったので、伯父さんのことを馬鹿にして笑ってしまったのです。
具体的に何を言ったのかは覚えていません。
みるみる目の前の伯父さんの顔色が変わっていき、ウーと唸りながらすっと立ち上がったかと思うと、
どこかへと走りだして行ってしまいました。

866 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:37:15.22 ID:???.net
伯父さんの尋常ではない様子に怖くなった私は、両親がいる部屋まで行き、様子を伺っていました。
どうやら伯父さんは納屋のほうに行ったようで、
がたがたと物音がした後、庭先から玄関のほうへと伯父さんが駆け抜けて行くのがわかりました。
恐る恐る玄関のほうを見ると、
伯父さんは農耕機用のガソリンが入った一斗缶を、家の前のアスファルトの道路の上にばら撒いているのです。
そこへ火を放って興奮して何か叫んでいると、私の父が駆けつけて、
「おまえ何やってるんだ」
そう言いながら、ボコボコに伯父さんを殴りつけていました。
それ以来、少なくとも私が実家にいる間、伯父さんが本家へやって来ることはなくなりました。

867 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:43:27.97 ID:???.net
電車の中でそういった昔の記憶を思い出しながら、彼女と話しているうちに、実家のある駅に着きました。
開発から取り残されたようで、まったく昔と変わりない風景が広がっています。
駅から一歩一歩実家に近づいていくと共に、私の中で何か懐かしさ以外の感情が生まれるのがわかりました。
口の中が乾いて、鼓動も早くなっていくのです。
身体が拒否反応を示しているかのようで、私は漠然とした恐怖をこの時点で感じました。
しかし、久しぶりの実家で緊張しているだけだと自分に言い聞かせ、彼女の手を引いて足を速めました。
このとき彼女の手も、なぜか汗でびっしょりと濡れていました。

868 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:44:40.68 ID:???.net
家の門を前にして、それまでの漠然とした恐怖がまったくのリアルなものへと変わりました。
空気がおかしいのです。
家を包む空気が澱んでいるようで、自分がかつてこのようなところに暮らしていたのか、と思うほどでした。
迎えに出てくれた父の顔も暗くどんよりとしたもので、私の心にあった父のイメージとかけ離れていました。
家の中に入っても澱んだような空気は変わらず、むしろより強くなっているようです。
古井戸の底の空気というのは、こういったものなのかもしれません。

彼女を両親に紹介したのですが、なんだかお互い口数も少なく、ほんとうに形だけのやり取りのように済まされました。
私以上に彼女のほうが何かを強く感じているようで、いつもの明るい彼女とは別人のようでした。
しきりにこめかみを押さえたり、周囲を気にしたり、落ち着きの無い様子で、
私が話しかけても、俯いたまま聞き取れないような小さな声で、何事かつぶやくだけなのです。


私自身、家の中の何か異様でただならぬ空気を感じていたので、
彼女に対して、もう少し明るく振舞ってくれなど言えませんでした。
ただ、これ以上気まずい雰囲気にならなければ、と思っていました。

夕食のときも、お互い積もる話があるはずなのに、
誰の口からも言葉が出ることなく、食べ物を咀嚼する音だけが静かな部屋に響いていました。

食後、私の母が彼女にお風呂を勧めたのですが、彼女は体調が優れないのでと断り、
私が入ろうとしたときも、一人で部屋に残るのが心細いのか、「早く戻ってきて」と言いました。
その様子があまりに真剣なので、私も不安になり、
いやな予感もしたので、風呂に入るのをやめて、
そのまま母が敷いてくれた蒲団につき、早々と寝ることにしました。

869 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:48:26.59 ID:???.net
電車に長時間乗っていた疲れもあってか、彼女は明かりを消すとすぐに寝ついたようで、
安らかな寝息が私の傍らから聞こえはじめました。
普段から寝つきの悪い私は、いつもと違う枕と蒲団の中でさまざまな事柄が頭の中でちらついて、なかなか眠れませんでした。
この家全体に満ちている澱んだ空気、断片的に思い出される記憶、
私は落ち着き無く寝返りを繰り返し、いろいろなことを考えていました。
家の前にガソリンをばら撒いて火を放った伯父さん。
あれから一度も姿をみせず、何年後かに亡くなったと聞かされたが、実感が無かった。
葬式も無く、ただ死んだと聞かされた。
幼いうちに死んだもう一人の伯父さんは、ちゃんとお葬式をしてもらえたのだろうか。
そんなことを考えているうちに、私はこの家に漂う澱んだ空気を吸うことさえ厭な気がしてきました。

870 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:50:22.65 ID:???.net
家の外、庭先で鳴く虫の声に混じって聞こえる、木々のあいだを縫う風の音は、何か人の呻き声のようにも聞こえます。
その音にじっと耳を傾けると、それが外からではなく、家の中から聞こえるようにさえ感じました。
不安感と共に、私は蒲団の中で身体から滲む汗に不快感を抱きながら、いつのまにか眠りに落ちていました。

夢を見ました。恐ろしい夢でした。夢の中には私がいました。
幼いころの私です。その私の首を父が絞めているのです。
その後ろには祖父もいました。
私は恐怖を感じましたが、不思議と苦しくはありませんでした。


翌朝目覚めると、隣で真っ青な顔した彼女が、蒲団をきちんとたたんで帰り支度をしていました。
寝汗を吸い込んだTシャツを脱ぎながら、私は彼女にどうしたのとか尋ねました。
彼女はただ「帰る」とだけ言いました。
「昨日来たばかりなのに……」と言葉を濁していると、
「あなたが残るなら、それは仕方がないわ。でも、私は一人でも帰る」
そう、青ざめた顔のまま言いました。
はっきり言って、私もそれ以上実家にいたいとは思っていませんでした。
しかし、両親になんと言えば良いのかわからないです。
なんと説明すれば良いのか、そんなことを考えていると、昨夜の夢が脳裏にちらつきました。
幼い私の首を絞める父。
とにかく私も蒲団をたたみ、着替えを済ませてから居間に向かいました。

871 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:52:08.10 ID:???.net
大きなテーブルの上座に腰掛けた父は新聞を広げていました。
再び悪夢が脳裏を掠めます。
わずかな時間に私はいろいろと考えてから、口を開いて、
「彼女の体調があまり優れないし、今日、もう帰ろうと思うんだ」
そう言いました。
言ってから、何かおかしなことを言っているなと思いました。
体調が悪いのに、また電車に乗って長いあいだ移動するなんて。
しかし、父は深く一度ため息をついてから、
「そうか、そうしなさい。あのお嬢さんをつれて東京に戻りなさい」
そう言ったのです。
何か呆然となりました。
自分のわからない事柄が、自分の知らないところで勝手に起こって進んでいる。
そして、自分はその周りで、わずかな何かを感じているに過ぎない。そんな気持ちです。

872 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:53:36.46 ID:???.net
居間を後にして部屋に戻ると、彼女はもう帰り支度をすべて終えて、今にも部屋から出ようとしているところでした。
私は彼女に「少しだけ待ってくれ」と言い、自分も急いで帰り支度をして、彼女と一緒に両親のもとへ行きました。
父も母も「元気で」とだけ言い、それ以上何も言いませんでした。
私は何かを言わなければ、何か訊いておかなければいけないことがある、そう思いましたが、
それが何かわからない、そんな状態でした。
彼女の、一刻も早くこの家から離れたい、というのがその様子から見て取れたので、
私はお決まりの別れ言葉を残し、家を出ました。

家から出ただけであの澱んだ空気から開放された感があり、私はずいぶんと気が楽になりました。
しかし、彼女は駅に着き電車に乗るまで何一つしゃべりませんでした。
一度も振り返ることなく足早に歩いて、少しでも家から遠くに、そんな感じです。

873 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:55:28.47 ID:???.net
電車に乗ってから、私は彼女の様子が落ち着くのを見計らって、
「大丈夫、どうかしたのか」と尋ねました。
彼女はしばらくのあいだ下を向いて、何やら考え込むようなしぐさを見せ、それから話し始めました。
「ごめんなさいね。本当に悪いことをしたと思ってるわ。せっかく久しぶりの帰省なのにね。
 それに、私から挨拶しておきたいなんて言っておいて。ほんとうにごめんなさい。
 ちゃんと説明してほしいって思ってるでしょ。でもね、できないと思うの。
 私があの家にいるあいだに、感じたことや経験したことを、
 私からあなたに伝えることが、私にはできないの、ごめんなさい」
彼女はそう言って、溢れ出しそうになる涙を手の甲でおさえました。

874 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:57:09.77 ID:???.net
私も泣き出しそうでした。
何かわからない。彼女が何を言っているのかよくわからない。
でも私自身、あの家にいるあいだに、確かに澱んだ何かを感じたのを覚えています。
だから、私には彼女を責めることはできませんでした。

涙をおさえながら、彼女はもう一度「ごめんね」と言い、私の名をその後に付け加えました。
そのときです。私はあることに気がつきました。
どうして今まで一度もそのことを疑問に思わなかったのでしょう。信じられないくらいです。
いまま何度となくいろいろな場でペンを手にとり書いたこともあり、自分の声で言葉に出したこともあるのに、
なぜ一度も疑問に思わなかったのでしょうか。
私は一人っ子であるにもかかわらず、なぜ『勇二』という名前なのだろう。

875 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 13:58:42.89 ID:???.net
もちろんそれだけでなにかが変わるわけではないでしょう。
しかし、私は蘇って来たさまざまな記憶と、あの家で感じた空気、そして彼女の怯えたような様子、
そしてなにより、私があの夜に見た悪夢。
幼い私が首を絞められていると思っていましたが、
よく思いだしてみると、微妙に幼いころの私と違うような気がするのです。

あれから一年近く経ちました。
彼女とは東京に戻ってから、時と共に疎遠になってしまいました。
どちらからというわけでもないのです。
お互い何か避けるように、自然と会わなくなってしまったのです。


私は彼女を愛していましたが、
自分がもう決して幸せというものに近づくことができないような気がしています。
それで彼女と面と向かうことができません。
今でもたまに電話がかかってくることがありますが、
彼女はあれから、あの家でのことを話してはくれませんし、私からも何もいえません。

話はこれで終わりです。
よくわからないと思われるかもしれませんが、私は自分の思っていることすべてを書くことができませんでした。
怖いのです。
彼女があの家であったことを話すことができないように、
私も、自分の家、自分の生について思っていることすべてを語ることはできません。

最後まで読んでくださった方には、この場でお礼を申し上げておきます。

876 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:04:20.95 ID:???.net
『ドイツの小さな民宿』

教えてだけでも何ですので、僕の怖かった話を一つ。

ドイツ郊外での話ですが、大学の夏休みに、友達二人と車で旅行に出かけました。
小さな民宿に泊って、その次の日は500キロくらい走行する予定だったので、皆で早めに床に就いたのですが、
夜中に友人がうなされて目を覚ましました。
どうしたのかと聞くと、
「すごい怖い夢を見た。クローゼットの中にオバケがいて、その奥の方の暗い部屋に俺を閉じ込めようとした」
僕は正直、いい歳こいてクローゼットのオバケってと呆れたのですが、
真剣に怯えているので、クローゼットを開けて、「ホラ何にもいないだろ」と安心させてやりました。

翌朝、宿の奥さんが朝食の時に、
「あなた達の泊ってる部屋に、大戦中ナチスから逃れるために作った隠し部屋があるんだけど、見せてあげるわ」
「それって、もしかしてクローゼットの奥ですか?」
「あら、知ってたの。でも、結局ここの住人だった人、見つかって収容所に入れられたんだって。
 悲しい話ねえ、戦争はもう懲り懲りよ」

ちなみに、その友人は半分ユダヤの血が入ってる奴で、その日は一日中ブルーでした。

877 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:07:29.27 ID:???.net
『卵の中』

知り合いの警察関係者に聞いた話です。
去年、この近くであったバラバラ殺人事件、覚えてますか?
若い女性の部屋で、男のバラバラ死体が見つかったってやつ。その話です。
ああ、別にスプラッタな話しようってわけじゃありません。状況はそうですけど(笑)
その女性、仮に英子さんとしておきます。男の人は一樹さんということで話進めますね。

2人はそれぞれの母親が幼なじみだったので、やっぱり幼なじみってことになりますかね。
小中高と学校が同じで、高校1年の時、一樹さんの友人の坂木さんと彼女がつきあいはじめました。

そうして3人そろって同じ大学に進学して、その半年目に坂木さんが亡くなりました。
デート中にダムに落ちたんです。
2人きりの時で目撃者がいなかったんですが、それは結局事故として扱われました。
英子さんがショックでかなり精神的にやられてしまって、事情聴取とかできなかったせいもあったようですけど。

彼女は家から1歩も出なくなって、大学も退学。
風呂とかトイレとか食事とか、最低限の日常生活に支障はないけど、
会話は成り立たないし、無理に何かさせようとすると大声をあげて暴れ出したりする。
父親は病院にかかることを許さず、それでいて英子さんのいる2階へは近づこうとしない。
出歩かないせいか太って体格の良くなっていく英子さんに、母親の手だけでは負えない時が出てきて、
一樹さんが世話を手伝うようになったんです。

878 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:08:56.10 ID:???.net
英子さんは以前から手先が器用で、細かい手芸を得意としていたそうです。
家に閉じこもるようになってからは、いつも卵細工をつくっていたそうです。
卵に穴をあけて中身を抜いてよく洗って、細かい布きれをボンドで張り付ける。
それに紐をつけて、カーテンレールに吊す。
カーテンが閉められなくなるので、それをお母さんが毎日部屋の天井に移して画鋲で留める。
部屋の天井がいろんな柄の卵に埋め尽くされていきました。

そんなある日、お母さんは英子さんの妊娠に気づきました。
そして、一樹さんのお母さんに真っ先に相談しました。
お母さんから話を聞いた一樹さんは家を飛び出して、友人の家を泊まり歩くようになりました。
英子さんを妊娠させたのは一樹さんだったんです。

ある日、友人の1人が、たびたび泊まりに来る一樹さんからその話を聞き出しました。
彼はその話をしてすぐ、
「やっぱりちゃんと責任をとらなくてはいけない。けじめをつける」と言い残し、友人宅を出て行きました。
しかしそれが、生きている彼を見た最後の証言となったのです。

翌日、彼は英子さんの部屋でバラバラにされて見つかりました。
見つけたのは英子さんのお母さんでした。はじめそれが何かわからなかったそうです。
部屋の隅では英子さんが眠っていました。
そして部屋中に、天井にぶら下げていたはずの卵の殻が落ちていたんです。
ひどい臭いがしていたそうです。けれど英子さんはすやすやと眠っていたし、臭いの元も見あたらなかった。
お母さんは、英子さんに女性の毎月の行事が始まったためだろう、と見当をつけました。血の臭いに似ていたからです。
妊娠じゃなかったんだとほっとして、とりあえず空気を入れ替えようと思っても、
床には一面、割れて崩れた丸い殻。布にくるまれた何百もの卵。

879 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:12:03.01 ID:???.net
お母さんは窓への道をつくろうと、足で卵をよけようとして、その異様な重さに驚きました。
動かしたひょうしに強くなった異臭。その重さの妙な感じ。
恐る恐るしゃがみこんで、近くのそれらを観察すると、彼女は布切れの間からのぞく赤黒いモノに気づきました。
昔、大怪我をした時に見た、開いた傷口そっくりの色。
お母さんは悲鳴を上げました。でも、お父さんは1階にいたけれど、声もかけてきませんでした。

お母さんは気持ち悪いのを我慢して、足で重たい卵をよけて英子さんのところまで行き、
無理矢理起こして部屋から連れ出しました。
英子さんは嫌がって卵を踏みつぶしたりしましたが、
火事場の馬鹿力が作用したのか、小柄なお母さんが英子さんを部屋から引きずり出し、1階へ下ろしました。
英子さんの姿にお父さんはそっぽを向いて、寝室に引っ込んでしまいました。

お母さんは1人でやっとのこと英子さんを居間に落ち着かせ、それから警察に電話をかけました。
もちろんお母さんは卵の中身が何かわかっていませんでした。
けれど、近所の人が蛇が出たと言って、110番しておまわりさんを呼んだことがあったので、
それよりは重大時だと思って、警察にかけたのだそうです。
やってきたおまわりさんは、英子さんに踏みつぶされた卵の中に、人間の目玉を見つけました。
そこから大騒ぎになったのです。

もうおわかりだと思いますが、卵の中身は一樹さんでした。
彼が、何百、千に近いくらい細かくバラバラにされて、卵の殻の中に納められていたのです。
DNA鑑定で彼だと確認されました。
遺体の多くに生体反応が認められました。彼は生きたままバラバラにされたのです。
しかも、刃物を使われた痕跡は見あたらない。引きちぎられ、折られ粉々にされていたんです。

880 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:21:38.08 ID:???.net
そのバラバラのかけらが、ご丁寧にも卵の殻の中に納められ、布切れで飾られていたんです。
英子さんからはなんの証言も得られませんでした。ご両親もなんの物音も聞いていませんでした。

結局、英子さんが無理矢理妊娠させられたことを恨んで、一樹さんを殺したのだろうということになりました。
けれど不可解な点が多くあります。警察も未だその謎を解いていません。というより、解く気もありません。
卵の殻にあけられた穴より大きな骨片が、どうやって中に納められたのか。
どれも穴を布でふさがれていたのに、前日の晩に彼が目撃されている。たった一晩の作業とはとても思えないこと。
そして、粉々に引き裂かれた現場が、どこにもみつからなかったこと。
何より、道具なしに人力で人を引き裂くことができるのか。それも粉々に。できるわけがない。

英子さんは今は精神病院にいるそうです。
おなかの子供がその後どうなったのかは聞いていません。

一樹さんが何にどのようにして殺され、いかなる方法で卵の中に入れられたのか。
解答はありません。

881 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:28:11.20 ID:???.net
『ネジ』

小学校の時、机を向かい合わせにして食べていた女の子。
何故かいつも、身体のどこかしらに痣があった。

ある日、いつも通り給食を食べていると、その子の顔色が悪い。
嫌いなものでもあるのかな、と思っていたら、突然吐いた。
その嘔吐物の中に、何故か小さな金属のネジと、巻貝(田螺?)の殻があった。(特にネジは結構な量)
当然、給食にはそんなものは入っていない。
クラス中が騒然とし、担任も狼狽していたのは物凄くよく覚えている。

結局、まるで漫画のようにその子は直後に転校していったのだけれど、いったいあれは何だったのか。
今でも思い出すと、妙な恐ろしさを感じる。

ちなみに、転校したはずなのに、その後も近所の団地公園でよく見かけた。

882 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:34:12.73 ID:???.net
『しのうかさん』

このスレは知的財産ですね。「お前が100円出さなきゃ全部消す」っていわれたら出しますね、たぶん。
僕もひとつお話しましょう。といっても身の回りの怪談の類はこれ一つしかないですけど。

僕の地元(高知県)に『しのうかさん』という都市伝説のようなものがあって、
詳細は良く知らないんですが、名前だけは子供の頃から聞いていました。
浦戸大橋の近くにある民家の話だったと思いますが、知ってる人がいたらフォロー願います。
これは場所が違うので別の『しのうかさん』のようです。
前振りが長くなりましたが弟の体験談です。

883 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:37:39.65 ID:???.net
弟が中学生のころに、同い年のSと一つ上のT先輩に連れられて肝試しに行った。
バイク仲間の間で有名なスポットで、『しのうかさん』という場所(?)らしい。伊野町の方だそうです。

で、夜中3人でそこへ行くと、寂れた民家があって、有刺鉄線が巻かれ『キケン』とか書かれた看板がある。
中に入ると電気も通ってないので懐中電灯をつけて、居間っぽい畳敷きの部屋に座りこんだ。
T先輩だけ一度来たことがあって、弟とSは何があるのかも知らなかった。
で、T先輩曰く、ここで『しのうかさん』という怪談を“作る”と不思議なことが起こるという。
つまり『しのうかさん』自体に正体はないらしい。
まず弟が思いつくままにこんな話をした。
「昔この家の息子と近所の家の娘が恋に落ちたけれど、両方の家族から反対され思い悩んでいた。
 ある日娘が深刻な顔をして、『ねえ、死のうか。一緒に死のう』と言った。
 男の方は女の情念が怖くなり、家を捨てて逃げた。
 女はこの家のこの部屋で首を吊った」

884 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:38:59.52 ID:???.net
これを聞くと、今までビクビクしている弟たちをからかうようにリードしていたT先輩が真っ青になって震え始めた。
続いてSが話しはじめた。
「昔この家の息子と近所の家の娘が恋に落ちたけれど、両方の家族から反対され思い悩んでいた。
 ある日娘が深刻な顔をして、『ねえ、死のうか。一緒に死のう』と・・・」
そこでT先輩が「それさっきN(弟)がゆうたやいか」と叫んで、ガタガタ震えながら部屋を飛び出した。
訳のわからないまま3人とも家を出てバイクに乗った。

それでT先輩の家まで帰りつくと、ようやく落ちついてT先輩が言った。
「前来た時もツレが、お前らと同じハナシしたんじゃ」

885 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 14:40:03.84 ID:???.net
その後よくよく話を聞いてみると、
あそこで『しのうかさん』の作り話をすると呪いがかかって、近いうちに『しのうか』という声を何らかの形で聞く。
そこで『しのうしのう』と返答しないと死ぬ、という話だった。
都市伝説の類のようだが、結局T先輩もSも弟もそのあと異変はなかったようで今もピンピンしている。
しかし、作り話がかぶるというのだけが気味が悪い。
気になるのは、Sが何故弟と同じ話をしたのかという点だけど、弟は何故かは聞いてないという。
弟たちは気にならなかったそうだ。(なんでだよ)

文章へたでスマソ。
最後におまけ。
試しに僕も『しのうかさん』で作り話してみました。
カキコの大筋は実話ですが、弟の先輩の名前はTではなくKです。
さあなにか起こるかな♪

886 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:16:58.87 ID:???.net
『山梨の山の麓』

小学校低学年の頃、学校から帰ると叔父がいた。
叔父は青ざめてて生気がなく、俺の顔を見ても「おかえり」としか言わない。
叔父は関東の隅っこの山の麓で嫁さんと二人暮らしのサラリーマン。
小学生が帰っている時間に都内のうちにいるのはおかしい。
子供心になにかよくないことがあると思って聞けなかった。

夕食。叔父も父も母も妹も、一言も喋らずに黙々とご飯を食べた。
突然叔父が箸をおいて口を開いた。こんな話。
一週間ほど前、
「うちの犬が毎日昼の決まった時間になると狂ったように吠えて、ご近所に肩身が狭い」
と嫁さんが言い出したらしい。
叔父は「犬には犬の社会があるんだよ」とテキトーに流した。
それからも犬の奇妙な行動は続いたらしく、少し恐くなった嫁さんは昼時には家をあけるようになった。
叔父はくだらないことで脅える嫁さんに腹が立って、
今朝「今日は早く帰ってくるから、家にいろ」と言って家を出た。

887 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:18:29.66 ID:???.net
昼前に会社を出て、嫁さんの言う午後1時頃に家につくようにした。
バス停から田んぼだらけの田舎道を家に向かって歩いていると、なるほど、気の狂ったような犬の鳴き声がする。
威嚇するような、おびえるような声。
面倒臭い、とため息。
遠目に家が見えてきた。と、なにかが庭を走っている。
犬が吠えてる相手かな?キツネか?タヌキか?と足を速めるが、ぴた、と足が止まった。冷や汗が吹き出る。
庭を走りまわっているのは子供だった。和服を着た小さな子供。
走り回るというか滑るような感じで、家の周りをぐるぐるぐるぐる回っていた、らしい。
振り回してる腕は、ビデオの二倍速のように速い、不自然な動きだったらしい。

888 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:19:58.85 ID:???.net
化け物だ!と思ったが、常識人の叔父はにわかには信じられず、遠目に何か他の物ではないかと目を凝らしたらしい。
が、紛れもない青い(赤だったかな?)和服を着た子供だったらしい。
犬は子供に向かって狂ったように吠えていた。
叔父は嫁さんが家にいると知りながらも、どうしても家に近づく気になれず、
走って駅まで引き返し、とりあえずうちに来たのだと言う。
家に電話をしても嫁さんは出なかったらしい。

明くる日曜、朝一番に父が叔父を家まで送った。
幼心に、心配とちょっとした興奮があった。
昼前に親父が叔父の住む駅前から電話してきて、
『一応家までは送っといたよ。でも犬はもうおらんかった』と言った。
鎖も首輪も残して消えてしまったらしい。

889 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:21:04.06 ID:???.net
親父が帰って、夕方ごろに叔父からも電話があって、
『**(オレ)話きいたか?
 犬には可哀相なことしたなあ。なんかオレのせいでどっかいっちゃった気がするよ。嫁さんも大丈夫。
 迷惑かけたなじゃあ、元気で』
って変な挨拶をされた。
この叔父とはこれっきり。
行事にもマメな人だったけど、それからなんの法事も葬式も出なくなった。
もう10年になるけど、家族であの叔父の名前を出すのはタブーになってる。
昨日妹と話したけど妹も覚えてて、二人で不思議がった。

恐い話じゃないかも知れないけど、叔父のこと思うとシャレんならん。すまん。
『子供』はなんだったのかなあ。
叔父は山梨なんですけど、地元の人、なんかそういうの知りません?

890 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:24:16.84 ID:???.net
『近所の子』

幼稚園に通っていた頃、近所でよく遊んでいた女の子がいました。
僕の親は、その子に会った事が一度もありません。
近所の子なのに、そんな事は無いだろうとお思いでしょうが、事実です。
その子は僕の家に招待しようとすると、何故か何やかやと理由をつけて断わるのです。
また、遊んでいる最中に、急に「もう帰る」と言い出す事もあり、
その子が立ち去ると、大抵数分後に親が迎えに来る。
そんな感じでした。

逆に、僕がその子の家に遊びに行った事はあります。
小さな木造の、良くない言い方ですが、あまり恵まれてなさそうな雰囲気の家でした。
僕もまた、その子の親に会った事はありません。
共働きで帰りが遅いのか、その子の家に行っても、いつも誰もいませんでした。

891 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:25:40.04 ID:???.net
夏の終わりの頃。
いつものように遊んでいると、彼女は突然「さみしいけど、もう一緒に遊べなくなる」と言い出しました。
引っ越すのだろうかと思って聞いてみても、何故かあいまいな答えをして、はぐらかされてしまいます。
何度か問答しているうちに、その子は「もう帰らなきゃ」と言って、止める間もなく走り去ってしまいました。
しつこく聞いたから怒らせちゃったのかな、などと考えているうちに、母親が迎えにきて僕は家に帰りました。

次の日、どうしても昨日の事が気になっていたので、彼女の家に向かいました。
怒らせてしまったなら謝らないと、そんな事を考えながら歩くうちに到着しました。

892 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:27:06.83 ID:???.net
その家は廃墟でした。
玄関の扉も窓ガラスも破れ放題で、小さな庭は雑草で埋め尽くされています。
物干し竿をかける鉄の柱もボロボロに錆び、
壊れて開け放たれた玄関から中を覗くと、朽ちた畳には厚く埃がかぶっています。
あきらかにもう何年も人が住んだ形跡がないのです。
そんなはずは無い。確かに彼女の家はここだし、つい数日前にも遊びに来たはず。
幼い僕は事態を飲み込めず、ただぼんやりと、その廃墟の周りをうろつき回っていました。

僕は破れた玄関から中に入ってみる事にしました。
「おじゃまします」と小声でつぶやいて、そっと上がりこみました。
小さな家なので、ふすまで仕切られた部屋が二つと、小さな台所があるだけです。
ぼろぼろに朽ちた家は、それでもあの子と遊んだ記憶通りの作りをしていました。
家具の類は一切消えていましたが、柱の位置などはそのまま。

柱の1つに、油性マジックの書き込みがありました。
背丈を計ったらしい短い横線。その横に、ひらがなで彼女の名前が記してありました。

893 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:29:04.71 ID:???.net
ここは確かにあの子の家だ。
そう確信すると急に悲しくなってきて、ぼろぼろと泣き出してしまいました。
何故か『もうあの子には会えないんだ』という事が、確定的な事に思えたのです。
冷静に考えると明らかに異常な状況。
でも子供の僕は、とにかく彼女に会えなくなった事が悲しくて、
廃墟の中で立ちすくんだまま、しばらく泣いていました。

その日、親には今日あった出来事を話すことができませんでした。
数日後、いつも遊んでいるあの子が引っ越してしまったと、何故かそう嘘をついて報告しました。
母はいまひとつピンとこない感じで、「そう、それはさみしいね」とだけ答えました。

数十年たった今、あの子の顔はもうぼんやりとしか思い出す事はできません。
それでも、彼女と仲良く遊んだ事と、あの白昼夢のような不可解な別れだけは、忘れる事はないと思います。

894 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:32:25.76 ID:???.net
1〜4ー71(61)
6ー7

895 :バカは氏んでも名乗らない:2019/10/22(火) 17:37:04.70 ID:???.net
『分からないほうがいい』

わたしの弟から聞いた本当の話です。
弟の友達のA君の実体験だそうです。

A君が子供の頃、A君のお兄さんとお母さんの田舎へ遊びに行きました。
外は晴れていて、田んぼが緑に生い茂っている頃でした。

せっかくの良い天気なのに、なぜか2人は外で遊ぶ気がしなくて、家の中で遊んでいました。
ふと、お兄さんが立ち上がり、窓のところへ行きました。
A君も続いて窓へ進みました。
お兄さんの視線の方向を追いかけてみると、人が見えました。
真っ白な服を着た人が1人立っています。(男なのか女なのか、その窓からの距離ではよく分からなかったそうです)
あんな所で何をしているのかなと思い、続けて見ると、
その白い服の人は、くねくねと動き始めました。
踊りかな?そう思ったのもつかの間、その白い人は不自然な方向に体を曲げるのです。
とても人間とは思えない間接の曲げ方をするそうです。くねくねくねくねと。
A君は気味が悪くなり、お兄さんに話しかけました。
「ねえ。あれ、何だろ?お兄ちゃん、見える?」
すると、お兄さんも「分からない」と答えたそうです。
ですが答えた直後、お兄さんはあの白い人が何なのか分かったようです。
「お兄ちゃん、分かったの?教えて?」とA君が、聞いたのですが、
お兄さんは「分かった。でも、分からない方がいい」と、答えてくれませんでした。

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