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ちょっとした不思議な話や霊感の話 その96

311 :3-2@\(^o^)/:2016/05/10(火) 11:28:13.04 ID:my1MCSdO0.net
数日前、おばあさんは一匹の蜘蛛を助けたのだそうだ。台所にいたハエトリグモ。体長一センチにも満たない、巣を張ることもない蜘蛛だ。
蜘蛛が台所のシンクに落っこちて、とても困っていたのだと言う。右往左往する蜘蛛の様子を、おばあさんは面白く観察していたのだが、そのうち気の毒になって、そっと手を差し出した。
すると蜘蛛は、逃げることもなくおばあさんの手に飛び移ってきた。そうして、しばらくおばあさんの顔をじっと眺めていたのだと言う。
その様子を見たおばあさんは、蜘蛛が自分に懐いたのだと感じた。
こんな小さな蜘蛛でも、助けてくれた人間の事がわかるのだと、感心したのだそうだ。
窓を開けて外に逃がしてやったのだが、どういうワケか、次の日からおばあさんがコタツで休んでいると、人懐こくやってくるようになった。
最初は違う蜘蛛だと思ったが、何気なく話しかけると、まるで言葉が判るようにおばあさんをじっと見つめ、しばらく話をすると、チョコチョコどこかへ去っていく。
その様子がとても可愛く、蜘蛛が来るのが楽しみなのだと言った。
娘さんは密かに、やはりボケたのではないかと疑った。蜘蛛を話し相手にするなんて、なんだか哀れにも思えた。
そんな心情を悟ったように、おばあさんがこう続けた。

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