【小説版】男子のハイソックス

232 ：名無しさん＠３周年：2022/07/04(月) 09:27:51.95 0.net

>>230の続き
ハイソックス伝記　5

今思えばどうしてそのような校則がまかり通っていたのか分からない。選ばれた男子だけがハイソックスを履けるなど不条理で不公平でしかない。
しかし、小5から履いていて中学に上がった入学式の日でさえも制服ズボンに隠れて見えるわけもないのに
履いていたほどのハイソックス好きだった。そのような理由で優遇された自分は、申し出る必要もなく既にハイソックス男子として認めらていたようだ。

中学1年生になり1週間ほど過ぎた頃。ホームルールの時間になり2人の男子が教室のいちばん前に立った。
ソックスの長さに関する規律についての話で2人はハイソックス委員会のメンバーになっていると言った。
入学してから間もないのに既に委員会に入っているのもその時は少し不思議に思ったのだが。そして2人は男子のハイソックス着用に関して
許可制になると話し出した。着用希望者は担当である自分達に申し出ること、許可が下りればハイソックスを履くことが認められるが
許可されなければその生徒がハイソックスを履くことを禁止する。このような説明を行ったのだ。教室内がにわかにざわついた。
「えーっ！何なんだよ？許可制って？ハイソックスを履ける男子がいて履かせてくれない男子もいるっておかしくね？」
私のすぐ近くの席にいた同じ小学校で5、6年生ではクラスも一緒だったタクヤがささやいた。「俺達って昨日の体育で長いの履いてたよな？」
「あぁ、俺なんか入学してからずっと長いのだよ。今もそうだし」「あっ、俺も(笑)」「体育の時は長いの履いてる男子はそこそこいたよな」
「あっ、いたね。だけどどうなるんだ？許可制って？これから長いの履けなくなったりすんのかな？」