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【怪奇】山の怖い話【超常現象】その一

918 :山の神(その1):2016/10/29(土) 03:35:38.14 ID:sYvFQBjL.net
彼はその日、山を歩いていた。
登山と言う程、本格的ではなくトレッキングと言うのも大げさ。
しいて言うならお弁当持っての日帰り遠足、当然山も高山とか
ではなく丘と山の中間位の軽いものだった。
さて朝、家を発ち山頂ででゆっくりと昼食を摂って夕焼けの中、
山を下る。リュックには弁当殻と水筒、そして最低限の非常食
代わりのお菓子が残っていた。
人っ子ひとり見かけない道の片側は切通し、反対側は沢がある
らしく轟々と水音が谷底から響いていた。「非常食とか大袈裟
だったかな?」 苦笑したその時、彼は何かに突飛ばされた様に
転んでしまった。
思わず振り返ろうとしたのが災いして体が回転し彼は沢の方へ
転げ落ちてしまった。谷底へ落ちる事こそ免れたが途中の崖に
へばりついた形で何とも身動きが取れない。
両の軍手は薄の把を掴み足は湿った土の僅かな窪みで体重を支
え、轟々たる沢音が遥か下方から一層大きく響いている。
しばらく声の限り助けを呼んでみたが誰一人応える者も居ない。
足場は脆くいつ崩れるか気が気でないし汗ばんだ軍手も少しずつ
だが確実にズレてきている。軽くなったとはいえ肩に喰い込む
リュックの重みも時が経つにつれて堪えてきた。

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