江坂「どうすりゃいいんだ・・・」

U-名無しさん＠実況・＼(^o^)／です

敵地、吹田スタジアムで迎えたガンバ大阪戦
大宮守備陣は大量失点、攻撃陣も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は降格だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、副キャプテン江坂は独りベンチで泣いていた
J1での過去最高成績の喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の大宮で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」江坂は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、江坂ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」江坂は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、江坂はふと気付いた

「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」
ベンチから飛び出した江坂が目にしたのは、バックスタンド最上段まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする江坂の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「エサカ、攻撃練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った江坂は目を疑った
「ム・・・ムルジャ？」　「なんだ江坂、居眠りでもしてたのか？」
「ア・・・アキさん？移籍したんじゃ？」」　「なんだ江坂、かってにアキさんを移籍させやがって」
「泉澤さん・・・」　江坂は半分パニックになりながら大型スクリーンを見上げた
GK:加藤 DF:菊池河本奥井大屋 MF:大山横谷マテウス泉澤 FW:江坂ムルジャ
暫時、唖然としていた江坂だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
ホペイロ高橋からスパイクを受け取り、グラウンドへ全力疾走する江坂、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている江坂が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った