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移籍・レンタル・戦力外「ら」スレPart10018

51 :U-名無しさん :2018/01/31(水) 14:12:16.22 ID:xZP7qeuz0.net
>>50
 その返答の期限は11月11日だったが、ヒディンクから「もう1日待ってほしい」との連絡が
入り、さらに「16日まで待ってほしい」と引き伸ばされた。小倉に話していた通り、ヒディンク
のもとにオランダ代表監督のオファーが届いていたのだ。

 グランパス側はヒディンクとのリミットを16日に設定し直したうえで、次なる候補との交渉を
急いだ。一方、チームは12日の清水エスパルス戦に0−2で敗れ、連敗が8へと伸びた。14日
にはミルンに休養を与え、サテライトチームを率いていた三浦哲郎が監督代行として指揮を
執ったが、16日のジェフユナイテッド市原戦でも敗れ、当時のリーグワーストタイとなる9連敗
を記録した。

 ヒディンクに代わる新監督候補の来日が突如として発表されたのは、その翌日だった。

 当時、新たな候補として報じられていたのは、アメリカ代表の指揮を執っていたセルビア人
のボラ・ミルティノビッチや、ブラジルのパルメイラスを率いていたヴァンデルレイ・ルシェンブ
ルゴだったが、来日したのは、そのどちらでもなかった。

 19日に行なわれるニコスシリーズ(第2ステージ)の最終戦を視察するというその人物は、
アーセン・ベンゲルといった。フランスリーグのASナンシーで3シーズン、ASモナコで7シーズン
指揮を執り、モナコを強豪へと引き上げたフランス人監督である。

 大敗に終わったヒディンクの視察試合とは打って変わって、グランパスの選手たちはベンゲル
が訪れたサンフレッチェ広島戦で意地を見せた。チームメイトの元イングランド代表である、ガリ
ー・リネカーの現役ラストマッチでもあったこの試合に、1−0で勝利するのだ。

 この勝利がいかに好印象を与えたかは、試合後のベンゲルのコメントを聞けばよくわかる。

「11番(平野孝)と8番(岡山哲也)は将来、楽しみな選手だね。最後まで集中力が持続できたこ
とが勝利につながったようだ。(リーグ最下位で)モチベーションが上がらない状況なのに、これ
だけやれるのは驚きだ」

 それから約3週間が経った12月9日、グランパスの次期監督が無事に決定した。ドイツの名門、
バイエルン・ミュンヘンからオファーが届いていたにもかかわらず、ベンゲルはグランパスを選ん
だのである。契約期間は2年だった。

〈モナコ時代の後半になると、特にフランスでは、自分のやるべきことはすべてやってしまったよ
うに感じるようになってきた。私は24時間中24時間、サッカーのために生きてきた。そのことに何
の後悔もないにしろ、自分の持っているものをこの10年間で、すべて投入しきってしまったように
感じていた〉

 ベンゲルは自著『勝者のエスプリ』の中で、当時の心境についてこう記している。フランスリーグ
で10年間指揮を執り、疲弊していたベンゲルは、自身を見つめ直すために区切りをつける必要性
を感じていたのだ。

 フランスを離れ、異なる文化の中に身を置くのはどうか。

 これまで自分が学んできたものを、発展途上のチームに注いでみるのはどうか。

 プロリーグができて2年しか経っていない極東のクラブからのオファーを受けたのは、新しいチャ
レンジへと気持ちが傾いていた時期だったのである。

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