はじめの一歩●Round680●

名無しさんの次レスにご期待下さい

読んできた
Round 1281 因数
どういう訳か寝そべる宮田と、その胸元にちょこんと立つサラテという謎の扉絵からスタート

川原ジムでも例の話題で持ち切り
ジム生「ゴンザレスはキツイよなぁ」
ジム生「幕之内さんをKOした男だし、千堂さんはその幕之内さんに二度負けているし。世界ランキングはゴンザレスが二位、千堂さんが三位。でもその差はもっとあるかと」
宮田「幕之内を基準に考えるからいけない。ボクシングには相性ってモノがあるからな。ゴンザレスが幕之内を仕留めたパンチは？」
ジム生「右のカウンター」
宮田「アレは俺から見ても一品だった。確固たる技術があり前に出ても強く、受けに回ってもアレがある。まず穴がない」
ジム生「ますます不利だ」
宮田「ところが千堂はカウンターパンチャーにとって、厄介極まりない存在でね。その攻撃性に法則はなく、奔放な角度から来るパンチは全てが強打。迂闊に手を出せない。ヤツが目の前にいると、リングではなく…猛獣の檻に入れられたような気分になる」
ジム生「じゃあ宮田さんは、千堂さんが勝つと…」
宮田「そうは言っていない。だが…二乗三乗となる最大の武器は何度も無効化されるだろうな」
ジム生「！二乗三乗…？おい中塚、さっきの問題解いてもらえよ」
中塚「い、いや。そんな宮田さんに失礼な…」
宮田「お前最近入った中学生だな。どうした？」
ジム生「いやぁコイツ学校の問題全然解けないんですよ。親にはボクシングなんて始めるからだって怒られる始末で」
宮田「どれ、見せてみろよ」
その問題とは…。因数分解の式の数々だった
宮田「バイトの時間になった。コイツは預かっておく。明日の練習時間に持ってくるよ」
宮田は出て行った
中塚「明日の朝が提出期限なのに…」

場所は変わって、コンビニ
宮田「(…しかし、まるで暗号だな。学校以外で使う場面があるのか？答えは出たぜ。人生において必要なし…だ」
そこへお客さんが来店。どうやら運送業者のようだが…皮肉なことに、彼にとっては最悪の客だった
間柴「…ちっ。なんだこのヘドが出るような偶然は」
宮田「こっちの台詞だ」
間柴「二度とこの店には来ねぇ。代金だ、とっとけ」←牛乳パック代の百円
店長「何よっ！一郎くんに向かってその態度！謝りなさいよっ！」
間柴「耳のタマキン引っこ抜かれたいのか？クソババァ」
店長「ひぃぃっ！それに百円じゃないわよ！消費税があるわ！計算もできないの！？」
間柴「計算…？」
宮田「因数分解だ。解けたら消費税は目を瞑ってやるよ」
…なんと間柴は、暗算でスラスラと答えてみせた
間柴「ボクシングやってるから頭悪いと思われるのは迷惑だぜ」
宮田「……。」
店を出た間柴をサラテがお出迎え
間柴「なんだこのクソ猫。潰すぞ」
…と言いつつ、間柴は牛乳を少し分けてあげた

またまた場所は変わって、鴨川ジム。大将のお帰りである
鷹村「道中で聞いたぞ！ウチのポンコツに勝った千堂くんが、ゴンザレスと戦るんだってな！」
木村「千堂より先に俺達の試合ですよ」
板垣「また三人揃ってやりますんでヨロシクです」
青木「勝って伊賀の首獲りに行きますんで！」
鷹村「嫌だね～小者同士は。俺様ぐらいになると挑戦者も見当たらねぇよ。首獲りに来る勇者はいないのかねぇ。…しかし、最近ラグビーが流行っているようだが、脇に抱えているのは何だ？」
青木が抱えていたのは、鷹村像の生首…
鷹村「首獲りやがったな～！！」
青木「違う～！セメントで取り付けるところだったんだ！」
鷹村「だから獲ったんじゃねぇか！」
青木「俺じゃねぇって～っ！！」

つづく(全18P)
巻末コメント：ずんたんに　掟破りの　逆リッチ