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質問スレッド@化学板136

16 :あるケミストさん:2021/04/16(金) 08:57:08.83 .net
>>13
>>14
同じエネルギーのオービタルが複数ある場合、2個の電子は同じオービタルに入るよりも互いに異なるオービタルに入ったほうが、
それらの電子同士が接近して存在する確率が低くなり、クーロン力によるポテンシャルエネルギーが小さくなる。
互いに異なるオービタルに入っている電子のスピンが反平行であるときよりも平行であるときの方が安定になることについては、
フェルミ孔(英語版)を考えることにより定性的には説明できる。
このような解釈は理解しやすく、また納得のいくものであり長期間信じられていた。
しかしその後計算科学の発展に伴い、このような素朴な見方には問題があることが明らかとなってきている[6]。

1964年にDavidsonによって行われたHeの励起状態に関する計算[7]は、実は三重項状態の方が電子間反発が強いことを示し、
フントの規則の起源に関する議論が巻き起こることとなる。
近年では、例えば本郷らによる量子モンテカルロ計算[8]などで三重項状態のオービタルの方がより原子核に近い位置に収縮しており、
これによる原子核-電子間引力によるエネルギーの低下がフントの規則の起源である事が示されている。
佐甲らは、一重項状態において存在する共役フェルミ孔(一重項状態の電子のペアが同時に存在できない位置関係)の存在により電子がより広い範囲に分布せねばならず、
この結果核から遠い場所へと押し出される効果と認識すべきで、三重項状態の収縮というよりも、一重項状態が膨張しそれによりエネルギーが高くなっているのだと指摘している[9][10]。

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