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有機化学を極めるスレ−5−

268 :説明員:2020/07/27(月) 21:24:48 .net
水素化物イオンの電子構造を考えられてみると、1s2のHe型閉殻構造になっている。
1s軌道はエネルギーレベルが低いから、これでは軌道相互作用をする余地はほとんどない。
もちろん電荷はマイナス1であるから、クーロン相互作用が極端に支配的なイオン、
つまりハードな塩基なのである。
ハロゲンアニオンでいうと、Fの上に存在させてもいいくらいの反応性しかない。

ヒドリドアニオンでは原子核の電荷+1に対し、もちろん核外電子の電荷は+2である。
これは例えばCl-のように-17対+18に比べると、ずっと不均等であり、このためにイオン半径が
大きいのである。

ソフトな「イオン半径の大きさ」というのは3pだの4dだのの高周期の軌道が反応に関わっているから
なのであるが、これと完全に混同された。

つまりヒドリドイオンは「ソフトすぎて反応性がない」のではなく、「ハードすぎて反応性がない」
のである。
(続く)

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